Rati 22. 宝を探し求めるモノたち
「大妖狐でバトルだ! ゴクラク様だぜ」
「くっそー。 やっぱチャンピオンには敵わねーか」
俺達はいつも通り、公園でレヴルナを楽しんでいた。
友人間では連戦連勝。
モモちゃんやモナカとバトルすればたまには負ける時もあるけど……ほとんどは俺が勝つ。
Lupinusさんやカゲミツがおかしいだけなんだ……。
あの二人は、なんであんなに強いんだ……?
本当の強さって、なんなんだろう?
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Rati 22. 宝を探し求めるモノたち
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「……ヤマト! 大変だよ!」
「どうした!」
モナカが息を切らして俺達の方へ走ってきた。
随分と必死な形相だ。
「とにかく来てよ! こっちこっち!」
モナカについていくと公園のアスレチックの前で人だかりができていた。
聞こえてくる声は、言葉尻が強く何かモメている様子だ。
「皆! 何があったんだ!」
「ヤマト! こいつらが公園に来てヤマトを出せって」 「俺達のカードを奪ったやつらだ!」
「また奪いに来たんだろ!」 「早く帰れ!」
そこには、対抗戦で戦った隣地区の3人組と、そいつらを攻め立てる皆の姿があった。
今にも手が出そうな皆をモモちゃんが一人で止めていた。
「落ち着け、こいつらはただ俺達に話があるだけみたいなんだ! ヤマト、何か言ってくれ!」
きっと、この3人は俺たちに伝えたいことがあってきたんだ。
賭けルールを広めたあのおかしなショップも消えて、こいつらだって反省したはずだ。
「皆、もしこの3人が何か企んでるなら、俺達が必ず止める。 ここは一旦、話を聞こうぜ」
「3英傑が言うなら、仕方ないか」「ヤマトはジュニア大会のチャンピオンだぞ、おかしなことすんなよ!」
皆の様子が落ち着いていく。
なんとか一難去ったか……。
「ったく散々な目にあった。 随分と慕われてるな、3バカトリオ」
「うるせーよ。 で、話って何なんだよ」
「俺たちは、カードを奪われた……」
カードを?
嫌な思い出が腹の底から膨れ上がってきたのか、皆がザワついていく。
賭けルールは、なくなったはずじゃないのか?
「どうして……また賭けルールか?」
「そんな優しいものじゃないさ。 ヤツらは……弱いやつからは無理矢理カードを奪い、強いやつはソウルゲームで叩き潰した上でレアカードを奪っていくんだ」
「そんな……まるで……」
「そう、まるでカードギャングだ。 この付近の小中学生をカモにしてるらしい」
腕を組んでいたモモちゃんが、深刻そうな表情をして口を開いた。
「ずいぶんヒキョーなやつらだな。 けど、なんでゲームが強いやつからは無理矢理奪わないんだ?」
「これは推測でしかないけど、あいつらは強いやつがリベンジしてくるのを待ってる。 そうすればリベンジしにきたやつの新しい切り札やレアカードを奪えるからな」
「なるほどな。 それで、お前らは俺たちに泣きつきに来たってわけか? 俺はともかく、皆はそう思ってるぜ」
モモちゃんは皆の声を代弁するように、攻め立てるように皮肉をぶつけた。
けど本音はそうじゃない。
モモちゃんは、彼らへ弁明の機会を与えているんだと思う。
「んなワケねーだろ。 忠告だよ。 モモミチや栗ノ木小には、悪かったって思ってるからな……」
「だろうと思ったぜ。 サンキューな」
「あぁ、そんだけだ。 もう帰るわ」
彼らはちゃんと反省してる。
だから、攻められるのも覚悟で忠告にしに来てくれたんだな。
俺達の事を思って……。
まさか、理由は分からないけどあの時のカゲミツもこんな風に……?
3人組が去っていく背中を見て、腹の底に沼地の用にたまっていた悲しみが、どこかに流れていくのを感じる……。
あの時、本当はカゲミツもあんな後ろ姿をしていたんだろうか。
「教えてくれてサンキュー! お前らのカードも取り返してやるぜ!!」
背中を向けながら3人のうち一人が手を振った。
まるで、俺たちの事は気にするなと言っているかのような素振りだった。
「皆、明日からは公園に集まるのはやめよう。 俺達がここで遊んでいることはきっと知れ渡ってるかもしれねぇ」
「しょうがねーかぁ……」「明日からどうする?」
この日、皆は気落ちしながらもカードギャングの標的から逃れるために解散となった。
そして次の日、俺たちは学校でギャングたちを倒す作戦会議を開くことになった。
カゲミツ……あいつは、なんで学校に来ていないんだ?
あの日の事、お互いにスッキリさせて仲直りしたいのに。
最近あいつは学校に顔を出さない。
それに、あいつはとんでもなく強い。
打倒カードギャングのために協力も頼みたかったんだけど……。
一先ずは、俺たちで何とかするしかないか。
こうして、休み時間の学校の中庭で、俺とモナカ、そしてモモちゃんは秘密の作戦会議をしていた。
「まず、カードギャングの新しい情報を共有しよう。 昨日ネットで調べたんだけど……」
モナカはカードギャングの特徴を並べまとめていく。
・組織そのものは集団の可能性が高いけど、単独行動で手分けして様々な場所で狩りをしている
・力の弱い小中学生をターゲットにしている
・レヴルナが強いやつにはソウルゲームで叩き潰し、リベンジを待っている事を伝える
・リベンジを待つ理由は、新たに持ってきたレアカードを狙っている、若しくは自分の組織に勧誘する、ためかもしれない
特徴はだいたいこんなところらしい。
「なるほどな。 最終的に何を企んでいるか分からねぇが、確実なのはレアカードを狙ってるってところか」
「うん、だから単独行動で相手が一人なら、こちらも強いソウルキャスターを一人だけ用意すればいいと思うんだ」
つまり1対1の真剣勝負ってワケか……!
「難しい事は良く分かんねーけど、そこで俺の出番ってワケだな!!」
「そう、僕たちにはジュニア大会優勝者。 朱鳥ノ宮学園の実力者を倒したチャンピオンがいる。 これを活かさない手はないよ」
大方の流れが決まったところで、モモちゃんが心配そうに口を開いた。
「けどよ、ヤツらの内一人が負けたとしてどうなるんだ? 捕られたカードが帰ってくるとは思えないぜ」
「それは、これも噂なんだけど……」
モナカが言うにはヤツらが負ければ、近くのアジトを紹介してくるらしい。
そこでリベンジや勧誘を行っているだろうという事だ。
「アジトの所在地を把握し、警察に連絡する。 これを繰り返せば、シラミ潰しにヤツらの計画を潰せると思うんだ」
「おいおい、モナカ。 お前の前世は諸葛孔明か?」
「へへ、それほどでも……」
トンカツだかコメだか分からねーが、これならカードギャングを潰せるってことか!
流石モナカだぜ!




