Rati 16. 憧れの指導者
「俺は風魔ノ大妖狐を召喚。 バトルラウンド!」
「負けたか……君、強いんだな」
「ゴクラク様。 勝負してくれてありがとう!」
レヴルナのジュニア大会予選を勝ち抜き、俺は本選への出場が決定した。
モナカやモモちゃんも本選出場だ!
【予選全ての試合を終了し本選出場者が決定しました】
【これより1時間程、お昼の休憩を挟みます】
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Rati 16. 憧れの指導者
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「お疲れ様、ヤマト!」
「サンキュー、サクヤ。 ってカゲミツ! お前なんで出場しなかったんだよ!」
俺が予選を終えてサクヤが待つ座席スペースに戻ると、隣にカゲミツが座っていた。
「僕はこの大会の結果には興味がないのさ」
「じゃぁ、なんでここにいんだよ。 なんでサクヤの隣に座ってんだ」
「僕がどこで何しようが勝手じゃないか。 サクヤの隣に座ったらいけないのかい?」
「いけなくねーけどよ。 なんでわざわざ席が多いのに隣に座ってんだって話だよ」
俺は、カゲミツと決着を着けたかったってのに。
こいつは俺どころか、大会にさえ興味がないのか……。
カゲミツからしたら、そんなに俺達のレベルは低いってのかよ……。
「私が会場で見かけたから隣に呼んだの。 あ、ヤマトもしかしてやきもち焼いてくれてるの?」
「んなわけねーだろ! バカ!うんこ!」
「んもー。 お下品だなぁ。 ねーウララくん」
……。
「……フッ」
「鼻で笑うな鼻で!」
俺がカゲミツを威嚇していると、モモちゃんがモナカを連れて弁当やジュースを買ってきていた。
気が利くじゃねーの。
「兄貴、お疲れ様です!」
「兄貴じゃないけど……ありがとう、モモちゃん」
カゲミツは兄貴って呼ばれるのが嫌そうだな。
俺も兄貴って呼んでやろうかな。
「はい、サクちゃん」
「モナちゃんありがと」
……。
「あれ? 俺の分は?」
「甘えんな、ヤマトは自分で買ってこい」
「ごめん、ヤマト。 僕も建て替えるお金が足りなくて……」
「あーそうですか!!!」
ったく。
あの惨敗した日から、カゲミツがいるとペースを狂わされっぱなしだ。
カゲミツ……あいつなんで、興味もない大会を見に来てんだ?
大会で成績を残せば、学園への入学も有利なんじゃないのか?
それとも……ま、まさかサクヤの隣に座るためにきたってのか!?
「やぁ。 ヤマトくん」
「あ、貴方は……!」
「しーっ」
あ……サングラスを外して、マスクで素顔を隠しているお兄さん。
イベントステージに立っていた姿とは違うけど、この人はLupinusさんだ!
初代王者のスペシャルTが一番の憧れなら。
この人は、二番目の憧れの人だ。
そんな人から今日だけで2回も声をかけてもらえるなんて……!
「名前、知っててくれたんですね!」
「もちろんさ。 君の戦いぶりから、すぐ選手名簿をチェックしたよ」
「へへ、嬉しいです……!」
「君は……隣に座っていた少年少女と友達なのかい……?」
「サクヤは、そうだけど……」
……。
『……もう、レヴルナはやめろ。 ヤマト、君は甘い』
……。
「あんなやつ友達じゃ……」
「なるほど。 あの子の強さに嫉妬しているってところかな?」
「そ、そんなんじゃないです!」
俺が、カゲミツに嫉妬……?
「でも僕の見立てじゃ、君だって負けていないさ。 そう落ち込むことなんてないと思うよ」
「え?」
「君達みたいな年頃の子は、他人と差を見せつけられるとすぐに尻込みしてしまう。 けどね、それを覆せるかは自分次第さ。 君とあの子にそれほど差はないよ」
父さんが良く言っていた言葉と似た事を、彼は口から放った。
俺によく言っていたんだ【最後まで諦めるな】って。
心のどこかで、俺はあいつに絶対に敵わないって思っていた。
それを精一杯気付かないふりをしてきた。
でも、ちゃんと受け止めて認めたうえで、現在地を把握しないと覆すこともできない……。
きっと、そう言う事をこの人は俺に伝えたいんだ。
そしてそれを覆すために、諦めたらダメなんだ……。
「べ、勉強になりました……!!」
「エキシビションという名の頂で待っているよ。 頑張って」
かっけぇ……。
俺も将来、ああいう大人になりたいな……。
「ありがとうございます!! Lupinusさん!!」
あ。
「え? Lupinusさん!?」「Lupinus? どこだ!?」
Lupinusさんの走る姿、激レアだぜ!!




