表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/63

就職祝い

コンコンコン

「兄ちゃん、いい?」

「春か、入れよ」

「兄ちゃん、戦バニしよう」

「やってくれんの? 俺、GWは戦バニに専念しようと思ってたんだよ」

「全然できなかったしね」

「海凪もやってくれるよな?」

「はい、やりたいです」


龍臣さんがコントローラーの準備をする。

「じゃ、各自ログインして」

「待って、兄ちゃん」

「え? やんねえの?」

龍臣さんがウズウズしてる。

戦バニの禁断症状のようだ。


廊下に置いていた荷物を龍臣さんの部屋に運び入れる。

「なにこれ? 春に貸す漫画だろ? 春の部屋に置いとけよ」


春臣と頷きあう。


龍臣さんの前に一つ段ボールを置く。

ロンさんが目印を付けてくれている。


「兄ちゃん、これ開けてみて」

「なんで? ここで読むのか?」

「早く!」

「なんでここで?」

「早く!!」

「わかった、わかった! お前はいつも強引だな」

龍臣さんが春臣に呆れながらも段ボールを開ける。


「え……なにこれ……」


出てきたのはケースに入った甲冑JINさんと黒レオタードMIOのフィギュアだ。


春臣が、

「めっちゃ綺麗! すげえかっこいい!」

と大絶賛するのも良くわかる。

「すげえ……」

俺もその言葉しか出ない。

ロンさんが会心の出来と言ったのも納得だ。

甲冑が本物の金属にしか見えない。

ニーハイやロンググローブの革の質感もリアルだ。

ハイグレード塗装がここまですごいとは……


龍臣さんが言葉を失っている。 


「……なに? なんで?」


「兄ちゃんの就職祝いだよ」

春臣が満面の笑みで答える。

「え?」

「俺さ、小さい頃からずっと兄ちゃん頼ってばかりで、兄ちゃんの後ついてれば大丈夫、怖くないって思ってた。今でも思ってる。

戦バニもずっと一緒にやってくれてありがとう。

これからも俺とMIOをよろしくお願いします」


やばい……俺が泣きそう。


「待ってくれ……」

龍臣さん、号泣。

泣いて言葉にならなくて、しばらく龍臣さんが落ち着くのを待つ。


「……ごめん、うまく喋れない……」

「喜んでもらえた?」

「当たり前だろ……めっちゃ嬉しい……」

「良かった」

春臣が俺を見てホッとした顔をする。

いい顔してる。


やっと泣き止んだ龍臣さんが、

「……なあ、これ、甲冑どうしたんだ?」

そこ気づくよね。

「買った」

「買った!?」

龍臣さんが叫ぶ。

「買ったって……春が?」

「うん」

「お前、これいくらするかわかってんのか!?」

「うん、320万」

ことなげもなく、さらりと言う。


「そんな大金……」

「溜まってたバニーコインで買ったんだ」

「ほぼ全額じゃないか!」

「使い道ないもん。兄ちゃんが欲しいものに使えて良かった」

お前、そんなこと言ったらまた龍臣さんが泣いちゃうぞ。

あーあ、ほら、泣いちゃった。

「ごめん……金使わせてごめん……」

「なんで謝るの? 見てよ、これ。めっちゃかっこいいじゃん。

MIOに似合わないからダメって言ったけど、俺が間違ってた。

JINに似合う、買って正解」

「ごめん……ありがとう……ごめん……」

龍臣さんが謝ってるのか、感謝してるのかわからなくて、春臣と笑ってしまった。

どっちもだよな、きっと。



「これは?」

MIOを指差す。

「これは初期に兄ちゃんがMIOに着せようとして却下したやつを着せてみた」

「これ、めちゃくちゃエロかわいくて良くないですかっ!?」

俺が食い気味に言う。

「だろ? いいよな? なのに春がどうしても嫌だって……」

「嫌だよ! 俺男だぞ! MIOも男だからな!」

そこは龍臣さんと猛反発する。

「いーや、MIOは男じゃない」

「そう、MIOはかわいい女の子」

「勝手に設定変えんな、男だよ!」

MIOはオスだと言い張っているが、バニーちゃんに性別はないのだ。

だからどっちもありなのだが、

MIOはかわいい女の子だ、異論は認めない


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ