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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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ダンジョンでの野宿

 泊まる準備をし終わったところで、夕食として料理をしようと準備をするが、何を食べるか迷ってしまう。


「皆、今日狩った魔獣はゴブリン、オーク、ナーガなんだけど、何か食べる?」

「ナーガは食べれるのですかな?」

「分からない」


 ナーガの上半身はそこまで人に見える見た目ではないので、禁忌感はそこまでないのだが食べる気はしない。下半身はヘビなので食べれそうではあるが、どうなんだろう?


「オークは前回食べるかと聞かれたけど、ナーガは聞かれなかったから止めておく?」

「確かに聞かれませんでしたな」


 俺とフレッドが食べない方向で話していると、ベスが食べてみたいという。


「エド、私は食べてみたいですわ。以前に珍味だと聞いたことがありますわ」

「珍味って美味しいかは分からないのか。毒はないってこと?」

「焼いて食べるだけと聞いたことがありますから、毒はないと思いますわ」

「確証がないなら今日はダンジョンに泊まるし、食べるのは帰って食べ方聞いてからにしない?」

「確かにそうですわね」


 ベスも納得したところで、俺はオークを取り出して食べやすいと言われた部位だけを、食べる分だけ切り取って、また収納の魔道具にしまってしまう。警戒をしてもらいつつ、俺はアンと料理をしながら話をする。


「オークも美味しいけど、捌くのが面倒だから小さい獲物も狩ってくればよかった」

「そうですね。次からは何か狩って来ましょう」


 警戒しながら作った料理を食べていく。ダンジョン内で飲み物は飲んでいたが、何かを食べる事はしないでいたので、ダンジョンで食べる初めての食事だ。魔獣に襲われることも無く無事に食べ終えられた。

 寝る順番を決めて順番に寝る事にする。フレッド、俺、リオが先に見張をして、ベス、アン、ドリーが先に寝る事になった。


「リオ、この後寝るけど、寝れそう?」

「ドラゴンの背中ほど寝やすそうではありませんが、僕は寝れると思います」


 リオは王子なのに一ヶ月の旅で外で泊まることに順応して、随分と逞しくなってしまった気がする。ベスも王女だが既に眠っている。リング王国の王族は皆こんな感じなのだろうか?


「思ったより魔獣が襲って来ませんな」

「フレッド、確かにそうだね。料理中にも来なかったし」

「草原に比べて魔獣の量が少ないのですかな?」

「分からない。もしかしたら一箇所に集まっているのかも」

「ゴブリンやオークは集団でしたから可能性はありますな」


 ナーガとガーゴイルはまだ集団で出会った事はないが、荒野にもゴブリンやオークが居るのなら集団で生活してそうだ。

 見張りを交代して、俺たちは眠りにつく。何事もなかったようで、時間だと起こされた。


「寝れたけど、やっぱり魔力は全部回復してないな」

「皆そのようですわ」

「流石に皆そうか」


 多少回復しただけでも良かった事にしよう。それに荒野だからまだ寝やすかったが、違う地形だったら寝るのも難しかっただろう。


「ベス、疑問なんだけど雨が降っているようなダンジョンもあるの?」

「雨は聞いた事がありませんわ。あったとしたら不人気なダンジョンになりそうですわ」

「拙者は沼地ならあると聞いた事がありますな」

「沼地も不人気になりそうだね」

「人気はないと聞いておりますな」


 もしかしたら珍しい薬草などはあるかもしれないが、寝るのは不可能だろし、戦うのも難しそうだ。

 朝食は携帯食と調味料でスープを作って簡単に済ませた。食べ終わったら、泊まるために広げた魔道具を片付ける。


「それじゃ、進もうか。ドリー、リオ、魔力が足りなくなりそうだと思ったら飛ぶのを止めるんだよ」

「うん!」「分かりました」


 フレッドが前方、ベスが後方を注意し、ドリー、リオが空を飛んで索敵をして、俺とアンが魔獣の痕跡に注意しつつ、地図を確認して進んでいく。

 ガーゴイルを見つけるが、近距離まで近づかないと敵対しないようなので、放置して進んでいく。ナーガの痕跡は見つけるのが難しく、ドリーとリオ頼みだ。


「ナーガは難しいな」

「そうですね。ナーガでない足跡もありますが今のところは姿を見かけませんね」


 敵がナーガくらいしか現れないので、大雑把な地図と地形を見比べて慎重に進んでいく。草原と違って慣れて居ないのもあって、通って来た道などを見失わないように慎重に進むので、中々先に進まない。

 慎重に進んでいると、明らかに大量の足跡があり足の大きさからするとゴブリンのように思える。


「荒野でゴブリンは戦うのが難しそうだ」

「オークよりは良いのでは?」

「今後はオークも出て来そうで怖いな。ゴブリンも避けれるなら避けて通ろう」

「分かりました」


 ゴブリンの痕跡を注意しながら地図を頼りに進んでいくと、どう考えても地図の先にゴブリンが居るようで困ってしまう。


「ドリー、今はゴブリンは見えてない?」

「見えてないよ」

「どうしようかな。地図の道から離れるのも問題があるし」


 それに道から外れたところでゴブリン以外の集団がいる可能性もある。皆で相談して、そう戦っていないのだし、消耗覚悟で道通りに進む事に決めた。進んでいくとドリーが声を上げた。


「にーちゃ、ゴブリンだよ」

「ゴブリンはこっちに来てる?」

「まだ気づいてないみたい」


 ドリーとリオからゴブリンの規模や戦わないで通り抜けれそうかと尋ねると、洞窟で戦った二十匹以上は居そうで、通り抜けるのは難しそうだと言うので戦う事にする。

 皆で話し合って作戦を決める。大きな音を出しても洞窟のように響かないと思うので、音を出したところで混乱はしないと予想し、奇襲して数を減らすことに。運よくゴブリンが混乱してくれれば良いなと思いながら慎重に進んで行く。

 ドリーとリオは視野に入らないほど上まで飛んでいき、俺たちはフレッドを先頭に進んでいく。


「見晴らしが良すぎて気付かれそうだ」

「気付かれたら仕方ないですな」

「最悪ドリーとリオに奇襲は任せるしかないか」


 なんとか奇襲ができる位置まで移動できたので、俺、ベス、アンで倒すゴブリンを決めて奇襲する。奇襲は上手くいってゴブリンが倒れる。ゴブリンたちも気づいたようで大量に出てくる。


「思った以上に多いな。それに混乱した様子もない」


 ゴブリンは魔法を使うので遠距離で戦う事になり、フレッドが盾となって俺たちで倒してく。ドリーとリオも上空から魔法を打ち始めると、ゴブリンたちは混乱したのか魔法を撃つのが乱れた。このまま倒し切れるかと思ったところで、ゴブリンの群れから何かが飛び出してくる。飛び出してきた何かをフレッドが受け止めて剣で攻撃している。


「ゴブリンがオオカミに乗って居ますな!」

「ゴブリンの大きさならオオカミに乗れるだろうけど、ダンジョンのオオカミを飼い慣らせるのか!」


 オオカミに乗ったゴブリンはまだ居たようで、ゴブリンの群れの中から出てくるが、直接突っ込んだら倒されると分かったのか、横から回ろうとしてくる。だが、ドリーとリオがオオカミの行動を見ていたのか、上空から魔法を使って倒している。徐々にゴブリンは減っていき全てを倒し切ったようだ。


「ゴブリンがオオカミに乗って出てくるとは思わなかった。それに、思ったよりゴブリンの数が多かった」

「そうですな。しかし、オオカミには驚きましたな」


 あまり時間もかけられないと、ゴブリンの死体を皆で回収するとオオカミを合わせて四十匹近くいた。


「魔法を打ってないで全体で突撃された方が危なかった気がするんだけど」

「そうですな。そう言うところがダンジョンの魔獣なのですかな?」


 フレッドの言う通りダンジョンの魔獣だからなのかもしれないが、オオカミに乗っていたのはダンジョンの中と外で関係なく乗るのだろうか?


「フレッドはゴブリンがオオカミに乗るって知ってた?」

「知りませんでしたな。そう考えると変ではありますな」


 ベスやリオにも聞いてみるが、聞いたことはないと言う。ゴブリンとオオカミが一緒にリスポーンでもする可能性もあるが、運よくゴブリンがオオカミを飼い慣らしただけな気もする。

 考えていても仕方ないので、地図を確認すると、地図通りに進んでいれば今日中には荒野を抜けられそうなので、皆の怪我を確認した後に進み始める。

 どうやら荒野は中心に近いほど魔獣が多いようで、痕跡をよく見かけるようになった。ハイエナやスカンクなど、草原で見かけなかったような動物なども見かけるようになった。


「食べるか困るような動物が多いな。というか、荒野の動物と魔獣で一番恐怖を感じたのがスカンクなんだけど」

「エド殿はよくスカンクを知っていましたな」

「知ってはいたけど荒野に居るとは思わなかったよ」

「拙者はもう少しで近付くところでした。助かりましたな」


 まさかそんな動物が居るとは思わなかったが、気付いてフレッドを止められてよかった。アンによって一撃で倒し匂いを出す前に倒し切れたので、一応回収してきたがスカンクなんてどうすれば良いのだろうか。

 少し変わった動物を倒して回収しながら進んでいくと、オークの足跡らしきものが俺たちが進む予定の先に向かって進んでいることを発見する。


「今度はオークか。荒野でオークは苦労しそうだ」

「アン殿に近づかれないように注意しなければなりませんな」

「それなら、フレッドはアンと一緒に居て、俺とベスで前に出てオークを引き付けるよ」

「オークに関しては魔法格闘術を使っていれば、そう痛くないのでそれで良いですな」

「ドリーとリオはフレッドとアンを手伝って欲しい」

「うん!」「分かりました」


 オークの巣はやはり通り道にあるようで、ドリーとリオがオークを発見する。ゴブリンと同じように奇襲しようとするが、オークはこちらに気付いて走ってくる。俺とベスが前に出て戦うが、頑丈で中々倒せないため囲まれて殴られるが、そこまで痛くはないので無視して相手を逆に斬って出血させていく。

 囲まれているので周りがどうなっているか見えないが、時々ドリーやリオが雷の魔法でオークを麻痺させてくれているのは分かる。オークに囲まれながらも倒し切ると周りがどうなっていたか見えてくる。

 オークは俺とベスを狙っていたのか、周囲にはオークの死体が多い。殴られ続けたので一応俺は魔法で治療をしておく。


「俺は殴られながら戦ったんだけど、ベスとフレッドは?」

「私は最初は避けていましたが、囲まれてからは殴られていましたわ」

「拙者は盾で受け止めていましたな。二人がオークを引き付けてくれたお陰で、アン殿までオークは辿り着きませんでしたな」


 俺とベスがオークを引き付ける作戦は成功したようだ。ベスにも魔法での治療をした。アンにも話を聞くと矢の消費は抑えられたと言ってくれる。

 倒したオークを回収して地図を頼りに進んでいく。目的の荒野の出口が近いと思ったらオークとゴブリンの足跡を発見する。


「今度はオークとゴブリンが混ざっているのか」

「オークが前衛、ゴブリンが後衛をするとなると、倒すのが大変そうですな」

「出口も近いみたいだけど、魔力や矢を全部使って良いか迷うな」

「全部使わないで多少は残した方がいいと思いますな」

「そうしよう」


 再び出口に向かって歩いていると、オークでもゴブリンでもない大きな足跡を発見する。


「なんか大きな足跡があるんだけど」

「これなら拙者でも分かりますな」

「こんな大きな足跡の動物見たことないんだけど」

「オオカミのように飼われているのですかな?」

「そうだったら怖いんだけど」


 オークと一緒に大きな足跡の動物が居ないと良いなと思いなが進んでいくと、明らかに足跡の主だと思われる動物がオークと共にいる。


「あれはゾウか」

「拙者もゾウは知っていますな」

「流石に一匹だし、ちょっと小さい?」

「確かにオークより少し大きい程度ですから、メガロケロスより小さそうですな」

「小さいけど全体的に太いから重くはあるかも?」


 作戦を考えるが、ゾウがどう考えても一番厄介なので、アンに魔道具の矢を使ってゾウを狙ってもらう事にする。一撃で倒せればいいが、距離も遠くから狙う事になりそうなので、アンにはゾウを狙い続けてもらう事にする。ドリーとリオにはゴブリンを倒してもらい。俺、ベス、フレッドは前回同様にアンを守りながら戦う事にする。


「ゾウに矢が刺さったら戦い始めよう」


 アンが弓で狙えるところからゾウに射ると、ゾウに当たったようで痛がって暴れている。痛がったゾウがオークやらゴブリンやらを跳ね飛ばしている。この状況は予想外だが、オークとゴブリンが跳ね飛ばされて混乱しているうちに、後衛になるであろうゴブリンを倒そうと声をかける。


「ベス、混乱してるようだから、ゴブリンを先に倒そう」

「分かりましたわ」

「アンはそのままゾウを狙って」

「はい」

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