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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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ゾウとの戦い

 俺、ベス、ドリー、リオでゴブリンを倒している間もアンはゾウを狙っていたようだが、ゴブリンを大方倒してもまだ元気に暴れ回っている。


「矢の威力はあるけど、大きさが足りてないのかな?」

「かもしれません。暴れてはいるので無意味ではなさそうですが、急所にでも当たらない限りは倒し切るのは無理かもしれません」

「オークが未だにこちらに気付いていないし、それだけでも意味はあるよ」


 というかむしろオークとゴブリンは、ゾウをうまく制御ができていないようだし、ゾウを飼っているのは失敗ではないだろうか? こちらには都合がいいのでオークを雷の魔法で痺れさせて、一体ずつ倒していく。流石に途中でオークに気づかれたが、ゾウに蹴られたのか見た目でも負傷しているのがわかる。オークは魔法格闘術をうまく使えないのか、いつもよりは柔らかく倒し易い。


「オークは倒しきったけど、ゾウは残るんだな」

「随分と弱っておりますがな」

「それでも倒れそうにないのが驚きだけど」


 痛みに弱いのかこっちに襲い掛かってはこないで、その場で暴れている。どうやって倒すか考えていると、フレッドが押さえ込んでみると言うので、俺とベスが両側から急所がありそうな場所を刺してみることに。


「フレッド無理だと思ったら魔法で止めを刺すから、無茶はしなくていいから」

「エド殿、心配ご無用ですな。この大きさなら行けると思いますな」


 俺にそう言うとフレッドはゾウの前に立つと、ゾウの注意を引くように盾を叩いて音を出し始めた。音に気づいたのかゾウがフレッドに突進すると、フレッドはゾウを受け止めきった。俺はゾウの急所になりそうな場所に剣を刺していく。


「力が弱くなりましたな。急所に刺さったかもしれませぬ」

「血も大量に出てるから、もう少しかな」

「こちらもかなり血が出ていますわ」


 ベスが反対側から報告してくれる。ゾウはゆっくりと倒れていき、なんとか倒せたようだ。


「ゾウは大変だったけど、正直ゾウが暴れてたから楽だったな」

「そうですな」

「ゾウを飼ってたのは失敗なんじゃ?」

「いや、エド殿が作った弓がなければ、こうはならなかったと思いますな」

「ゾウが暴れなければ結構強かったか」

「弱っていたゾウを中々倒せませんでしたからな」


 オーク、ゴブリン、ゾウが暴れ回ったと考えると、確かに怖くはある。出口付近に毎回この集団が居るとしたら、荒野を通り抜けるのは大変そうだ。


「ゾウって普通の収納の魔道具に入るのかな?」

「ウシで入りましたし、この大きさなら入ると思いますな」

「確かにウシの大きさで入ったから一回り大きいゾウも入るかも? 入らなかったら大きい収納の魔道具を使ってみよう」


 普通の収納の魔道具を使ってみるとゾウは入った。これ以上大きい魔獣がいるのか、大きさで言うとメガロケロスはこれ以上だが細身なので軽くはあるはずだ。収納の魔道具が大きさと重さどちらで判定しているかは分からないが、どちらにせよこれ以上の魔獣は居るようだ。

 オークやゴブリンなども片付けていく。ゴブリンなどはゾウに踏み潰されたような死体まである。


「オークとゴブリンが混じってるから数はそこまで多くなかったのかな?」

「洞窟内で出会うゴブリンやオークと同数と言ったところですわ」

「そう考えるとオークとゴブリン両方居るから多いのか」

「更にゾウが居たので、戦力としてはかなり多いですわ」


 回収が終わると、消耗した魔力や装備などを皆に確認する。思ったよりは魔力の消耗が少ないが、アンは魔道具の矢が無くなってしまったようだ。同じような戦闘があると厳しいかもしれない。出口が近くのようなので慎重に進んで、出口が見つからないようなら、もう一泊ダンジョンに泊まることになりそうだ。


「慎重に進んでオークやゴブリンが集団で居るようなら何処かで一泊しよう」

「分かりましたわ」


 地図を改めて確認して周囲を見回すと、出口だと思われる場所が見える位置にある。俺は指で指して皆に聞いてみる。


「もしかしてあれが出口?」

「そう見えますわ」

「近いとは思ってたけど、本当にすぐそこだったね」


 見える範囲にゴブリンやオークの集団は見えないので、歩いて近寄っていく。地図としても場所が合っているようだし、ここが荒野の出口だったらしい。


「出口の前でゴブリンとオークは待ってたのか。こう言うものなのかな?」

「私にも分かりませんわ」


 出口と言っているが、また洞窟になっており進んでいくと、草原の時にもあった湖が見えてくる。


「ここでまた魔獣を堰き止めているのか」

「そう見たいですわ」

「となると、湖の真ん中にある島がダンジョンをさらに進むための場所か。そうなると何処かに近道する方法がある筈だけど」


 皆で湖の周りを探してみるが、見当たらない。


「もしかして、島にあるのかな?」

「そうかもしれませんわ」

「行ってみよう」


 島に上陸するときは何か魔獣が居ないか注意しながら上がり、島の周囲を探してみる。


「エド殿、これではありませんかな?」


 洞窟のようになっている階段の裏側辺りからフレッドが声をかけてくる。皆でフレッド元に集まるとフレッドが説明してくれる。


「ここに水晶のような物がありましてな」

「本当だ。これを触るのかな?」

「危険があるやもしれぬので、拙者が触ってみますな」

「お願い」


 フレッドが水晶に触った後、フレッドは驚いたように声を出す。何が起きたのだろうか?


「フレッド、どうしたの?」

「階段が現れましたな」


 俺には階段は見えない。フレッドだけ見えているのだろうか?


「私には見えていませんわ」

「ドリーも」

「僕もです」

「私もですね」


 やはり皆見えていないようだ。


「拙者だけ見えているのですかな? 少し階段を上がってみますな」


 止める暇もなくフレッドは階段があるという場所に足を踏み出していく。するとフレッドが石に飲み込まれるように消えた。


「「「「「消えた」」」」」

「拙者はここに居ますぞ」


 石の中からフレッドの声が聞こえてくる。フレッドが石の中から出てきて、実際に登れる階段があると説明してくれる。


「それじゃ水晶みたいなのを触れば通れるようになるのかな?」

「そうだと思いますな」

「触ってみるよ」


 水晶に触れると驚いたことに、石の壁だった所に階段が見えるようになった。


「本当に見えるようになった」

「私も触ってみますわ」


 皆で順番に触っていくと皆見えるようになったようだ。

 階段で下ってきたので、登り階段なのだからこれが近道だと言っていた物なのだろう。警戒しながら皆で階段を登り切ると、湖の島の入り口の裏に出て同じ場所に帰ってきたかのような気分になる。


「これ違う場所に出たんだよね?」

「そうだと思いますわ」


 洞窟の裏側は同じように水晶があって、さらに混乱する。草原とゴブリンの間にあった島であれば水晶は無かったはずだ。皆で船の乗って湖の外側がどうなっているか確認しにくと、草原が広がっている。


「戻ってきたのか」

「全く同じ風景だったので違和感がありましたが、戻って来れたようですわ」


 草原まで来れたのなら出口に向かうのは簡単なので、なるべく敵を避けてダンジョンから出る。ダンジョンの外には馬車が待っていてくれて、御者は俺たちの帰還を喜んでくれた。

 時間が遅くなるようなら、収納の魔道具に入った獲物を解体するのは明日にでもしようと思ったが、まだ早い時間なので解体場でお願いしてしまうことにする。


「すいません、大量に解体して欲しい物があるんですが出して良いですか?」

「大量って貯めたのか?」

「いえ、ダンジョンに泊まったので」


 俺がダンジョンに泊まったと言うと解体場のギルド職員は顔を寄せて小さい声で尋ねてくる。


「荒野か?」

「はい」

「なら解体場の中で出して貰う、ちと匂うが我慢してくれ」

「分かりました」


 職員について解体場まで移動すると、大型の取り出す魔道具があって収納の魔道具を順番に置いていく。大量にあるので、ギルド職員が何人も交代で倒した獲物を運んでいく。ゾウがを出すと驚かれた。


「ゾウを狩ったのか」

「オークとゴブリンの中に居ました」

「単独では無かったのか。よく狩れたな」


 狩った状況を説明するとギルド職員は運が良かったなと言ってくれた。ゾウは出会うことすら珍しく、狩れる人はそう居ないと教えてくれた。ゾウも一応食用にできるらしく少量もらっていく事にする。食用と言えばナーガは食べれるのかとギルド職員に聞くと、迷った様子で俺とフレッドを呼んで小声で教えてくれる。


「食えるんだが、滋養強壮の効果が強すぎるから年齢的に食べたら鼻血を出す事になる。味は美味しくはないからオススメはしないぞ」


 ベスにはナーガを食べるのは諦めてもらった方が良さそうだ。ベスたちに不審に思われる前に、食べても美味しくはないようだと伝える。ベスは諦めてくれたようで、ナーガはそのまま魔道具の材料になることに。


「後で良いんだが荒野を踏破したとアルバトロス内のギルドに伝えておいてくれ」

「分かりました」

「解体は時間が掛かるから、全て出し終わって確認ができたら帰ってもらって良いぞ」

「はい」


 収納の魔道具に入った獲物を出し終わると、俺たちはギルドへと移動する。ライノを見つけて声をかけ事情を説明すると、別室を用意してくれた。


「もう荒野を踏破したのか」

「オークに苦戦したけどなんとか」

「皆そうだからな。だからあの階層は不人気で人が居ないんだ」

「オークが理由なのか」

「ああ、鉱石を掘るならゴブリンの階層か、荒野の出口側から出て掘っていれば良いしな」

「あれ? 出口はオークとゴブリンが居たけど?」

「そうなのか? それは運が悪かったな」


 更にゾウまで居たと説明すると、ライノは気の毒そうな顔で運が無かったなと言う。よくある事なのかと思ったら、運が悪かっただけなのか。


「それでよく荒野を抜けられたな」


 倒し方を説明すると驚かれて、弓を見せて欲しいと言うので、アンが見せると驚いている。


「これは、以前にレオン様に見せていた弓か」

「そうだよ。致命傷にはならなかったけどね」

「それでも十分だろう。エリザベス商会で売っているのか?」

「売るには作るのが大変だし、レオン様に売るのを止められたから売ってない」

「そう言えば止められていたな」

「ライノの分くらいならレオン様に聞いたら許可が出るかも?」

「最近毎日のように会っているから、私から聞いてみよう」


 レオン様と毎日会うとはライノも忙しそうだ。

 ライノは俺たちが踏破したことを疑っていないようだが、決まりだからと踏破した状況などを説明して欲しいと言うので、俺たちは説明してく。


「やはりエドたちも最短距離を通ってきたんだな」

「さっきも言ったけどオークがね」

「だろな。ところでダンジョンはこれからも進むつもりか?」

「うん」

「なら地図を用意しよう」


 ライノが持ってきてくれた地図は前回と同じように3枚ある。最初の階層で出るのが巨大なサソリだと説明してくれる。


「サソリって毒があるってこと?」

「そこまで強力ではないがあるな。どちらかと言うとハサミの方が怖いぞ」

「そうなのか。一応、解毒剤も用意しておくよ」

「次の階層はコカトリスだ。小さめだけどな」

「コカトリスも毒があるってこと?」

「あるな。強力だから解毒剤はコカトリスに使う事になるだろう」


 次に進むなら解毒剤は多めに持って行った方がいいようだ。相手が毒を使ってくるならオークの方が簡単な気がするのだが違うのだろうか?


「この階層の方がオークより人気なの?」

「あまり群れないからな。サソリとコカトリスは倒し方を覚えれば簡単に狩れるのもあって人気だな」

「なんか意外だな」

「問題がない訳でもないんだが」


 そう言いながらライノは最後の階層の地図を俺に見せてくる。ライノが見せてきたのは白紙のような地図だった。


「なにこれ?」

「最後は砂漠なんだ」

「砂漠…」

「しかもワームが群れている」

「砂漠でダンジョンを諦める人多そうだね」

「実際諦めるのが多いな。諦めなくても準備が大変で足止めされる」


 準備は大変だが砂漠自体は、アルバトロスで取れないような薬草とか鉱石が多いので、高値で売れるのでお金は稼げると教えてくれる。それでも砂漠は行きたがる人が少ないらしいとも教えてくれるが。


「方向を示す特殊な魔道具があるから砂漠に行く場合は、絶対に持っていくように」

「分かった作って持っていくよ」

「迷子になって抜け出せなくなるから絶対に持っていくんだぞ」


 ライノが念を押すほど砂漠は迷子になる地形のようだ。実際砂漠の歩き方なんて俺は知らないし、魔道具がなければ迷子になってしまうだろう。帰ったらジョーに相談して作り方を教えて貰おう。

ゾウの大きさは、子供のゾウくらいにしか大きくならないゾウが居るらしく、それを参考にしています。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。応援してます。
[一言] ナーガは薬用素材って感じやな
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