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しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


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服屋の名前と試着

 屋敷に着いて、トリス様に訪ねても問題ないかと確認をすると、今なら問題ないとの事で皆でトリス様の元へ向かう。

 トリス様にドリーが抱きつき、トリス様は抱きついてきたドリーを抱きしめながら声をかけてくる。


「エドどうしました」

「俺が、というかベスが商会について案を出したんですが、俺は迷っていて」


 トリス様はベスに顔を向け尋ねる。


「ベスは、どのような案を出したのです」

「あの商会の建物では、シャンプーとトリートメントだけでは空間が余りすぎますの、エドが作った服を置けば良いと思ったのですわ」

「エドの作った服ですか…」


 トリス様は悩んだ後に


「私か、ベスが着た後なら問題ないでしょう」

「お母様と私ですの?」

「エドが考えたと言っても、エリザベス商会に置くのですから」

「ならポンチョは置けますわ」


 ポンチョを置くのかと俺は思ったが、トリス様の様子を伺うと迷った様子だったが。


「布地が問題になりそうですが、雨具として置くならいいでしょう」

「エド、どうにかなりますの?」


 ベスに布について尋ねられるが、流石に分からないので専門家に任せたい。


「俺も布については分からないので、専門家に任せるか意見を聞けないかな?」

「確かにそうですわね」

「では、お針子を呼びましょう」


 メイドさんにトリス様はお針子を連れてくるように言った後、俺に質問してくる。


「そう言えばエド、以前見た服の案はどうなりましたか」

「意見を聞かれて少し修正していますが、もう少しでできるのでは?」

「来たら確認してみましょう」


 屋敷に居ると稀にであるが意見を聞かれることがあって、仮縫い状態の物を見て意見を言うことがあった。

 トリス様と会話をしていたら、ベスが急に服屋の名前を考え始めた。

「私の名前の商会で、ドリーは薬屋ですから、エドは服屋ですね」

「え?」


 すぐにベスの言った事が理解できなかったが、もしかして俺の名前が服屋になるのか?

 トリス様もベスに同意し始める。


「確かにエドだけ無いのは問題ですし、ベスに服屋を任せるのはちょっと…」

「お母様、それはどう言う事ですの?」

「もう少し衣服に興味を持ってくださいと言う事です」

「私が商会に服を置こうと提案したのですわよ」

「そう言われると、以前より成長しましたねベス」


 親子の言い合いの後に、トリス様はベスの成長に感動しているが、俺の名前は決定のような流れだ。

 恥ずかしいから商会の名前にしたくなかったのに服屋になるとは、どちらが良かったのか。


「あの、俺の名前で決定なんですか?」

「エドは不満ですの?」

「不満というか、恥ずかしいというか」

「私の名前は商会の名前ですわ」

「それを言われると言い返せないな」

「三人の名前があるのが、良いのではないですか」

「そう言われると、確かにそうかも」


 三人で名前があるのは確かに良いかもしれない、一人だと地球の知識から作り出した物という罪悪感の方が強かったが、三人で店をやると思えば問題ない気がする。

 結局は俺の気分の問題なのだし、良いと思えば良いのだろう。


「分かった。服屋は俺の名前でいいよ」

「決まりですわ」


 服屋の名前が決まったところで、丁度お針子が来たようで部屋に入ってくる。


「ベアトリス様、参りました」

「聞きたいことがあったのだけれど、エドが作ったポンチョに丁度良い布地はありませんか」

「ポンチョに、ですか」

「ええ、できれば雨具として売りたいとなったのだけれど」

「雨具ですか、それなら…」


 色々布を教えてくれるが口頭では俺には難しく、トリス様は分かっておられるようで、俺に後で確認するように言われる。


「布地に詳しくないエドには難しそうですね。後で確認して置くといいですよ」

「分かりました」

「後は売り方ですね」


 こちらの世界は古着以外はほぼ全て注文してから作る物なので、作るまで時間がかかる。

 ただポンチョなら地球の売り方のように、大きさを数種類作って陳列して置く事はできないだろうか。


「ポンチョなら大きさをある程度絞って数種類作る事で、陳列して置けませんかね」

「古着のようにですか、雨具としてならそれも良いかもしれませんね」


 トリス様はセオさんに意見を求める。


「セオドアはどう思います」

「古着かと思われるかもしれませんが、雨具であると強調すれば問題ないかと」

「そうですか」

「それと商会の建物の話にはなるのですが、商品が多く見えるのは現状は嬉しいかと」

「今選んでいる建物は、空間が余ることが問題でしたね」

「はい」


 将来的な話になるが、貧民街でポンチョを作れないだろうか?

 セオさんに聞いてみる。


「セオさん将来的な話なんですが、ポンチョを貧民街で作れませんか?」

「普通の店が売る雨具としてなら良いかもしれませんが、エリザベス商会の立地だと厳しいかもしれませんね」


 確かにエリザベス商会に置くには品質が足りないかもしれない、だが繰り返し作っていけば、置けるものも出てくると思うのだ。


「それなら将来的に品質が上がればエリザベス商会に置いて、現状は安めに他の店に卸して売ると言うのはどうですか?」

「エリザベス商会で売らないで卸すと言う事ですか」

「俺が作れるくらいにポンチョは真似しやすいので類似品は出ると思うんですよね」

「確かに今までも無かった形かと言われると怪しいですから、シャンプーやトリートメントのように上手く規制は出来ないかも知れません。確かに似たようなものは作られる可能性が高いと思いますね」


 セオさんも同意してくれたが、ポンチョに関してはマントと似ていないこともないし、類似品は出てくるだろう。だったら自ら作ってしまえばいい。

 俺はポンチョで儲けたい訳ではないので安くても良いのだ。


「作られる前に貧民街で量を作ってしまえば、後から参入しにくくなるでしょう。なので貧民街にお金を落とすつもりで安いのを作るのも良いかなと」

「確かに参入はしにくくなるでしょうが、安く作って売る時の販路をどうします?」


 販路については、ギルドに出入りしていて気づいたが、冒険者は装備がしっかりしている人はマントなどを着ていたが、布の服の人もいた。

 安いポンチョを売れば布の服だけよりは防具にもなるし、しっかりしたマントまでの繋ぎにはなりそうだと思う。


「まずは、冒険者に売れないかなと思ってるんですが」

「確かに、それは売れそうですね」


 セオさんも、俺の案に同意してくれた。


「すぐには無理だと思いますが、バーバラさんにも聞いて作れそうな人を探してみます」

「セオさん、お願いします」


 建物の空間が余っている話からズレてしまったが、今後必要な話だと思うので今しておけて良かった。

 俺とセオさんの話が一段落したところで、トリス様が声をかけてくる。


「それでは、ポンチョは子供、大人で、それぞれ種類を用意することにしましょう」

「はい」

「エリザベス商会用のポンチョを作るのについては、見習いを募集して育てましょう。最初は数が作れないでしょうが、売れて足りないようだったら裁縫店に製作依頼を出しましょう」

「分かりました」


 お針子にそのことをトリス様は改めて伝えると、次に俺が考えた服がどうなっているかお針子に聞く。


「エドが考えた服はどうなっていますか」

「もう少しで仕上がります」

「一度見たいので持って来れるかしら?」

「少しお時間を頂ければ」

「構いません」


 トリス様の了承を聞いたお針子は、急いで服を取りに部屋を出て行った。

 それを見届けたトリス様は、俺に服の確認をする。


「エドは、ベスが選んだ服は出来ましたか」

「はい、今着ているのもそうです」

「エド、またベスと服を作ってくださいね」

「分かりました」


 ベスとまた服を作るようにとの催促だと俺は理解する、今度また頼むべきなのだろう。

 お針子が戻ってくるまで時間が空いたので、大人しくしていたドリーとトリス様が会話をしていると、お針子が服を持って帰ってきた。


「お待たせしました」


 そういうと服を広げてくれる。


「私のものとベスのものですか、良い出来ですね」

「はい」

「今の状態で着れるのですか?」

「上着なら前をボタンで止めないでピンで止め、激しく動かなければ着ることは可能です」

「では、着てみましょう」


 お針子さんが手に取ったのはトレンチコートぽく仕上げた上着だった。

 メイドさんたちによって衝立が用意され、トリス様が移動して用意された上着を着る。


「どうでしょうか」

「今の時期だと少し暑いですが、夜会などに着ていくのなら問題ないかもしれませんね」

「可能かと、こちらは薄手の布地で作っておりますので」

「この上着は男性にも合いそうですね」

「はい、辺境伯様の大きさでも製作中です」

「分かりました」


 トリス様が戻ってきて俺に声をかける。


「エド、思った以上に良いですね」

「良かったです」

「先ほども言った通り、私かベスが着た後に売ることになります」

「はい」


 トリス様がベスの大きさの上着も着れるか聞くと、着れるとお針子が言うので、ベスも着ることになりトリス様と衝立の奥に消える。


「ポンチョみたいで良いですわ」

「ベスはその形が好きなようですね」

「そのようですわ」


 ベスに用意されたコートはケープコートで、ポンチョのように末広がりになっている。


「ですが、暑いですわ」

「まだ冬ではありませんからね」

「ここまで完成しているのならば、冬には着れると言うことですわ」


 ベスとトリス様は戻ってきて、俺に感想を言う。


「エド、ベスの上着も良かったですよ」

「はい」

「あちらも同じように商会に出すのは、ベスが着た後になりますが、置いて問題ないでしょう」

「分かりました」


 大方服について決まったところで、お針子さんは服を持って部屋を出ていた。

 俺たちは商会の建物に話が戻る、俺は皆に尋ねる。


「服を置くのが決まりましたが、商会の建物はどうしますか」

「あの建物で問題ないと思いますわ」

「なら決まりですかね、セオさんは何かありますか」


 俺がセオさんに尋ねると問題はないという。


「急ぎ商会を開くとなると、あの場所しかありませんから、問題はないでしょう」

「そう言えば、建てるつもりだったと言ってましたね」

「最初はそうですね」


 一応何故そんなに急ぐのか、トリス様に確認する。


「トリス様、そこまで急ぐ必要があったんですか?」

「シャンプーとトリートメントの作り方が、そう難しくないと言っていたのと、大量に素材を発注しましたから、素材を調べ作り出そうとする者が出る前に、辺境伯が後ろ盾であることを、早めに知らしめる必要がありました」

「確かに、薬師などは素材から分かってしまうかもしれません」

「商品として出回っていないシャンプーとトリートメントを、先に商品として出されると、辺境伯としては非常に面倒なことになります」

「早く紹介して、シャンプーとトリートメントを売ろうとする理由はわかりました」


 確かに素材を薬師組合経由で買っている為に、組合がどう売っているか知っている人なら、素材が分かってしまいそうだ。

 組合は辺境伯の後ろ盾があると知っている為、普通に素材を注文すれば止めるだろうが、混ぜて買った場合は分からないので作れてしまうだろう。

 トリス様は、セオさんに急ぐことをお願いしている。


「急がせてしまって悪いのだけれど、セオドアには頑張って貰うわ」

「かしこまりました、水車の二基目もすぐ稼働させますので」

「頼みます」


 そして商会の建物についても、トリス様とセオさんがやっておいてくれるらしい。


「商会の建物については私の方から言っておきますので、セオドアは内装を注文しておいてください」

「かしこまりました」


 色々準備を進めてくれる、トリス様とセオさんにお礼を言っておく。


「トリス様、セオさん、ありがとうございます」

「エド、私にもっと頼ってくれて良いのですよ」

「商人として充実していますので、気にしないでください」


 トリス様はもっと甘えてほしいみたいな言い方だが、俺としては十分以上に頼っているつもりだ。

 だがトリス様の隣に座って甘えているドリーに比べたら全然だ。

 最近のドリーは当たり前のようにトリス様の隣にいるので、違和感がなくなってきた。


 セオさんは商人として楽しそうなのは良いのだが、倒れないか心配だ。

 今度薬でも渡すべきだろうか、だが薬に頼りすぎもダメだしと考えさせられる。


 トリス様が、今日の水車の見学はどうだったか聞いてくる。


「商会の建物については終わりましたから、水車はどうでしたか、見に行ったのですよね」

「水車は凄いですね、思った以上に量を作れていました」

「屋敷に運ばれてくる量も、結構な量があると聞いています」


 売りに出すはいいが、そんなに作って余らないのだろうか。


「トリス様、そんなに作って余りませんか?」

「輸出も考えているので問題ありませんよ、輸出しても多すぎるようなら減らせば良いのです」

「輸出ですか、水物なので重くありませんか?」

「魔道具というか、魔法薬に近い分類なので売れる可能性が高いのです」

「どういうことですか?」

「リング王国は魔法使いが多いので、主要な輸出品は魔道具や魔法薬なのです」

「リング王国は魔法使い多いんですか?」

「多いですね。他の国と比べると、倍以上いると言われています」


 魔法使いは少ないとは聞いていたが、リング王国基準で考えていた。

 実際は、俺が思っている以上に魔法使いは少ないらしく驚く。


「そんなに違うんですか」

「実際のところは、才能があっても発見されてないだけの可能性もあります。魔法使いを排除している国もあるので、よく分からないのです」

「魔法使いを排除ですか?」

「ええ、魔法使いが悪人になった場合どうなると思いますか」


 魔法使いが魔法を悪用した場合は酷い被害が出るだろう、確かにその場合はどうするのだろうか?


「被害が凄い事になると思います」

「その通りで、過去に被害があった国が、魔法使いを排除している場合もあるのです」

「分からなくもないですが、魔法使いを全て同一視するんですか?」

「残念ながらそうなっています」

「そんな…」

「我が国は国の成り立ち上、そのような事にはならないので安心してください。成り立ちについては、今話すには長くなりますし、貴族の知識として教えられると思います」

「わかりました」


 シャンプーやトリートメントは魔法で作る素材が多いため、輸出品としても価値があることは分かった。

 だがそれ以上に、魔法使いの立場が国で違うことに驚いた。

 トリス様は本日は解散として、俺には布地を見にいくよう言われ、解散した後にお針子の元に行って確認をした。

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