理想セカイ計画
「ねぇ、テル君、私たちはいつまでこんなに仲良くしてられるかな」
思いつめるような少女の声に少年はわざとらしく明るく答える。
「そんなのわからねーよ」
明るい少年の声に慰められるように少女はぎこちない笑みを浮かべた。
「・・ははっ、そうだよね、わからないよね。」
「でも、ぜってー忘れねぇよ」
慰めか、思わず出て言葉なのか少年は言った。
「え?」
思わず溢れる疑問の声、でも「どういう意味?」とは聞けなかった。
「な、なにもねぇよ」
照れるような素振りの少年を見て今度は本当に笑みがこぼれた。
「たのしそう、だったね」
暗い夜道、一人になった少年は少女の声でつぶやいた。
「んー、まぁほどほどにな」
雑な返事に少女は拗ねているように無口になった。
「なぁ、フィリア」
少年が声かけても返事はない。
「お前を、こっちに出す方法ってあると思うか?」
「え!?」
少年の言葉に堪らず声がでた。
「それってどういう・・・」
少年は問いかけに、珍しく複雑な表情で答えた。
「ほら、やっぱさ、3人で遊べたらなってさ」
「あるよ」
「本当か!?」
予想もしてなかっただけに声が大きくなった。
「ど、どうすればいい?」
隠し事をするように声量を下げて聞く少年に少女ははっきりとした口調で答えた。
「一日だけ、一日でいいから、わたしにからだを貸して」
「いいけど、どうやっ・・・」
言い終わる前に少年の身体が地面に崩れ、すぐに少女が起き上がった。
少女はその幼さに合わない悪い笑みを浮かべて呟く。
「妄想のわたしが理想のセカイを創ってあげるよ」
そう言う少女の中では少年が叫んでいたかもしれない。少女の考えを、自分の中の別のモノの思考を覗いてしまった少年は外に届かない声で叫ぶ。
「やめろ、やめろ、もうからだを返してくれっ」
少年が見たものは少女が望む理想のセカイ。
絶望無き世界から永遠の希望は奪われる。




