最初の理想
俺は知っている、目の前の人物を誰よりも。
身長は140㎝前後の金髪碧眼の少女、フィリア。
・・・それ以外の設定はどうした?
「ねぇ、おにぃちゃん、わたしのこと覚えてないの?」
ゆったりとした調子の声、肩にかかるくらいの金髪を揺らすように首を傾ける、その言動の全てが不思議なくらい遅く、それでいてはっきりと目に映る。
「リアン、リアン!どうなってる!?」
この世界では唯一絶対の存在であるはずなのに目の前の現象が理解できない、故に完璧な人間の名を叫ぶように呼ぶ、それはまるで神は万能でないという証明だった。
しかし、完璧なはずの少年はいない。
「リアン君は、もういないよ?。もちろんコウ姉ちゃんも、ね」
「フィリア、お前なにしやがった」
少女は恐怖する神を嘲笑うように、優雅に歌うように
「消したよ?」
わざとらしい疑問形な一言。さらに、自らそれに答えるように続ける
「おにぃちゃん、私の設定は『不安定』なんだよ?覚えてないかもしれないけど、私はおにぃちゃんが一番最初に生み出した『理想』なの」
「不安定?・・・・ッ!?」
「ははっ、思い出したの?」
突如、エラー表示されていたデスクトップ型PCが爆発を起こす。
「ここは不安定なものが多いよねぇ」
最初の理想フィリア、その『不安定』は神をも滅ぼす予測不能な可能性・・・




