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妄想的夢は終わりを知らない  作者: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー
18/31

新たに初まる

 笑える日常が戻るまでのタイムラグおよそ7秒。

 

 本当であれば「異常な存在」である少年(その容姿も異常な美少年であるが異常なのは根本的な部分である)に俺は話しかける。

 「なぁ、リアン。神様ってなんだ?」

 リアン・ジェリグ。それが少年の名。

 「それは、この世界ではおよそ7秒くらい前からあなたを示す語ですが?」

 『完璧』の設定を持つリアンは正解しか答えず会話がつながることすら稀なことである。完璧さゆえに会話ではなく答え合わせになってしまうのが彼の難点。

 「お前に聞いた俺が間違いだった」

 「それは残念でしたね」

 機械的発言に対して彼にも感情はある、完璧すぎる愛想笑いとか・・・

 「テルくんいるかーぁ?」

 不意に玄関から聞こえてくるのは本来なら異常な存在と認定されそうな(その元気さと緩すぎる言動も異常かもしれないがこの場合別の意味である)少女の声。

 「おぅ、いるぞー」

 俺の手短な返事より早く少女は既に俺の横に居た。

 「テルくーん、なんかすっごく久しぶりだねっ」

 ここで訂正。髪を結んでいずシャンプーの香りがすることから察するにどうやら少女は玄関ではなくどうしてか風呂からの登場らしい、そして正確には『横に居た』では現在進行形でやたら抱きついてくる・・・例えるなら、生き別れた親子の再開シーン(親の方が一方的に抱きしめるパターン)である。

 「コウ、悪いんだが少し近すぎる」

 悪い気はしないので少し濁すように言ってみるが悲しいくらい効果抜群であったようで一瞬で俺とコウの間に数センチの空間ができてしまう。

 「いや、そもそもなんで俺の家の風呂から当然のように登場してるんだよ(この世界そんな設定だっけ?)」

 「えっとぉ、幼馴染だからじゃないかな?」

 「あ、ソウデシタネ」

 少女の名は星木紅。幼馴染である。


 そう、彼女は『ただの幼馴染』なんだ・・・

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