↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二階堂一族、鎌倉時代を賑やかに生きる。――亡き父親は転移者!  作者: これってなんだろう
第一部 父がいない、いつもの家 承元二年(1208年)
PR
1/101

第0話 登場人物紹介――二階堂家の人々

挿絵(By みてみん)


承元二年(1208年)、鎌倉。


二階堂家には、母のちよと五人のきょうだい、それぞれの妻や子どもたちが暮らしている。


父の直成は、京で亡くなった。


ところが、父がいなくなってからも、直成を訪ねて人がやってくる。


土地のことを相談する人。


仕事の話を持ってくる人。


昔の直成を知っている人。


そして、ときには歴史に名を残すような人まで。


この物語は、そんな少し騒がしい二階堂家の話である。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ ちよ――五人きょうだいの母

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


四十歳前後。


亡き直成の妻で、宗直、光成、まつ、三郎、あやの母。


家族が何かでもめると、まず一人ずつ話を聞く。


ただし、いつでも落ち着いているわけではない。


子どもたちに呆れたり、夫の昔のことを思い出して笑ったり、知らないことを知らないままにしておけなかったりする。


若いころ、直成へ先に声をかけたのは、ちよの方だった。


直成のことを何でも知っているように見えるが、本人はそうは思っていない。


「知らないことは、本人に聞けばいいでしょう」


というのが、ちよらしい考え方である。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 直成――もういない父

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


二階堂家の父。


物語が始まる直前、仕事で滞在していた京で亡くなった。


背が高く、声が低い。


理屈っぽく、説明が少し長い。


分からないことは分からないと言い、人の話を途中で決めつけず、まず本人へ確かめようとする人だった。


大江広元のもとで文書に関わる仕事をし、源頼朝からも信頼されていた。


頼家や実朝が若かったころには、読み書きや記録、人の話の聞き方などを教える、先生のような立場でもあった。


ただし、家族が知っている父と、外の人が知っている直成は、少しずつ違う。


なぜ京から鎌倉へ来たのか。


もとは何者だったのか。


なぜあれほど「確かめること」にこだわったのか。


家族にも、まだ分からないことが多い。


そして直成には、家族が知らない秘密がある。


この人は、現代からこの時代へ来た転移者だった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 宗直――太郎兄。背負いすぎる長兄

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


五人きょうだいの一番上。


物語開始時は二十一歳ほど。


弟妹からは「太郎兄」と呼ばれている。


責任感が強く、困っている人を見ると、


「俺がやる」


と言ってしまう。


頼りになる兄だが、自分の仕事が増えていることに本人だけが気づかないこともある。


父の死後は、家を支えなければならないという思いがさらに強くなった。


妹や弟のことも気にしている。


気にしていないふりをしているときほど、よく見ている。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ ふみ――宗直の妻

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


宗直の妻。


二階堂家の親族筋につながる家の出身で、宗直とは昔からの知り合い。


宗直の性格をよく知っている。


本人が平気な顔をしていても、疲れていることや、何かを心配していることにはだいたい気づく。


だからといって、何でも先回りして世話をするわけではない。


宗直が自分で言うまで待つこともある。


二人の間には、


忠太、

たか、

小次郎


という三人の子どもがいる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 光成――次郎兄。土地と水を見る次兄

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


宗直の次に生まれた兄。


物語開始時は十九歳ほど。


家では「次郎兄」と呼ばれている。


田、川、水路、土地を見るのが好き。


土地の話になると、紙に書かれた説明より先に、


「実際にどうなっている」


と現場を見に行きたがる。


そのため、帰ってくると足が泥だらけということも珍しくない。


人の田や水路のことにはよく気づくのに、自分の家の用事を忘れることがある。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ おりん――光成の妻

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


光成の妻。


下総方面に縁のある御家人の家から来た。


実家では、田や川、用水などを身近に見て育っている。


光成が「土地や水そのもの」を見るなら、おりんは、


「そこで暮らしている人はどうなるのか」


を見る。


光成が水路のことばかり考えていると、家の用事へ引き戻す役でもある。


夫婦仲はよい。


二人の子どもは、


与一と梅。


与一はまだ幼く、梅は乳児である。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ まつ――家族の変化によく気づく姉

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


五人きょうだいの真ん中。


物語開始時は十五歳。


宗直と光成の妹で、三郎とあやの姉。


家族の小さな変化によく気づく。


宗直が何かを隠していることも。


光成が話を聞きながら別のことを考えていることも。


三郎が紙に夢中になっていることも。


だいたい分かる。


兄たちが難しい顔で話していると、


「それで、自分の用事は終わったの?」


と普通に聞く。


現在、京の藤原季成という若者との縁談が持ち上がっている。


ただし、まつはまだ季成本人をほとんど知らない。


「自分が夫婦になる人なのだから、まずその人を知りたい」


と考えているところである。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 三郎――紙を持って走る弟

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


物語開始時は十二歳。


この物語で、二階堂家を見る中心人物の一人。


人の名前や話を書き留めるのが好き。


何か問題が起こると、


「まず紙に書けば整理できる」


と思う。


ところが、紙の上では筋が通っていても、人の気持ちはそれだけでは片づかない。


兄姉や母に指摘されながら、少しずつそれを覚えている。


父・直成の仕事にも強い関心を持っている。


最近では大人の仕事を手伝う機会も増えてきた。


しかし本人としては、


「仕事はさせるのに、どうして大事な話では子ども扱いされるのだろう」


という不満もある。


まだ三郎である。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ あや――物と暮らしを見る末妹

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


五人きょうだいの末っ子。


物語開始時は九歳。


大人たちが難しい話をしていても、あやが気になるのは別のことだったりする。


「それ、誰が運ぶの?」


「いくらなの?」


「うちの米は足りるの?」


物の数。


値段。


どこから来たのか。


誰が持ってきたのか。


暮らしに足りるのか。


そういうことが気になる。


本人は鋭いことを言おうとしているわけではない。


分からないと困るから、聞いているだけである。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 二階堂家へやってくる人々

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


二階堂家の周りには、鎌倉の政を担う人々もいる。



■ 源実朝


鎌倉幕府の将軍。


まだ若い。


将軍という大きな肩書を持っているが、その中にいるのは一人の若者でもある。


直成を知っていた。



■ 北条政子


源頼朝の妻で、実朝の母。


大きな政治的影響力を持つ女性だが、二階堂家では母親としての顔を見せることもある。


ちよとは、子どもを持つ母親同士として言葉を交わす。



■ 北条義時


鎌倉幕府の中心で政務を担う人物。


役目が重く、簡単には弱音を吐けない。


二階堂家へ来ても、必ず大事件が起こるわけではない。


白湯を飲んで、少し座って帰ることもある。



■ 大江広元


鎌倉幕府の文書や政務を支える文官。


亡き直成をよく知っている人物の一人。


三郎が父のことを尋ねても、全部を一度には話してくれない。


直成の仕事ぶりについては、家族の知らないことをいくつも知っている。



■ 和田義盛


鎌倉の有力御家人。


声が大きく、身体も大きい。


二階堂家へ来ると、いつもの家が少し狭く見える。


豪快な人物だが、それだけではない。



■ 藤原季成


京に暮らす若い公家。


創作人物。


藤原北家・日野流につながる家の出身で、現在は文章生として学んでいる。


まつより五、六歳ほど年上。


北条政子を通じて、まつとの縁談が持ち上がった。


ただし、まつも季成も、まだ互いのことをほとんど知らない。


二人の話は、ここから始まる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━


二階堂家の人々は、同じものを見ていない。


宗直は、人と責任を見る。


光成は、土地と水を見る。


まつは、人と人との間を見る。


三郎は、言葉と記録を見る。


あやは、物と暮らしを見る。


ふみとおりんも、それぞれの家から夫たちを見る。


そして、ちよは皆の話を聞く。



意見がそろうことは、あまりない。


誰かが何かを決めようとすると、別の誰かが口を出す。


仕事の話をしていたはずなのに、いつの間にか夕飯の話になっていることもある。



父の直成はもういない。



それでも父が残したものと、


今を生きている家族の考えが混ざりながら、


二階堂家の毎日は続いている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。