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冒険の書  作者: siva5880


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52/55

魔物を支配する者

三回戦は――前日よりも、さらに大きな盛り上がりを見せていた。


 それも、そのはずだ。


 今回の対戦相手は――魔物。


 しかも、ただの魔物ではない。


 闘技場に姿を現したのは、漆黒の肌と巨大な角を持つ魔族――アークデーモン。


 その姿を見ただけで、観客席から息を呑む声が漏れる。


「……アークデーモンだ」


「Aランクの魔物……」


 その言葉が広がった瞬間、会場の空気が変わった。


 アークデーモン。


 それだけでも十分に恐ろしい存在だ。


 だが――。


 観客たちが驚いているのは、アークデーモンそのものだけではなかった。


 その背後には――。


 一体のオーガ。


 巨体を誇る、Aランクに近いBランクの魔物。


 さらに、その周囲には六体のブラッドタイガー。


 鋭い牙と爪を持つCランクの魔物だ。


 そして最後に――。


「……あれは……」


 巨大な棍棒を肩に担いだ、一体のサイクロプス。


 その巨体を見ただけで、観客席がざわめく。


「サイクロプス……Aランクだぞ」


「Aランクの魔物まで従えているのか!?」


 そう。


 この場には――。


 Aランクのサイクロプス。


 Aランクに近いBランクのオーガ。


 Cランクのブラッドタイガー六体。


 そして、それらを支配するAランクの魔物――アークデーモン。


 合計九体の魔物が存在していた。


「グルルル……」


 ブラッドタイガーたちが低く唸る。


 その鋭い視線の先には、帝国騎士団。


 オーガは巨大な拳を握りしめ、サイクロプスは棍棒を地面へと叩きつける。


 ドォンッ!!


 闘技場全体に、重い音が響き渡った。


 だが――。


 これほどの魔物たちが揃っているにもかかわらず、一匹として勝手に動くことはない。


 すべてが、中央に立つアークデーモンの命令を待っていた。


「魔物が……完全に従っている……」


「Aランクの魔物まで支配しているのか……?」


 観客たちの間に、恐怖にも似たざわめきが広がっていく。


 対するのは――。


 帝国騎士団。


 将軍ゾディアック。


 副団長ライール。


 そして選抜された八人の騎士。


 合わせて十人。


 帝国が誇る精鋭たちだった。


「……なるほど」


 ゾディアックは目の前の魔物たちを見渡す。


 その表情に、僅かな緊張が浮かんでいた。


「Aランクが二体……か」


 サイクロプス。


 そして――アークデーモン。


 どちらも、一体だけで討伐隊が組まれるほどの存在だ。


 さらに、Aランクに近いオーガと六体のブラッドタイガー。


 決して楽な相手ではない。


 それでも――。


 ゾディアックは剣を抜いた。


「我々は帝国騎士団だ」


 その声に、八人の騎士たちが一斉に武器を構える。


 隣では、ライールも槍を構えていた。


「相手が魔物だろうと――」


 ゾディアックが一歩前へ出る。


「この程度で退くわけにはいかん」


 その言葉に、観客席から大きな歓声が上がった。


 対するアークデーモンは――。


 ゆっくりと口元を歪める。


「……人間というものは」


 低く、不気味な声が響く。


「随分と勇敢だな」


 そして――。


 アークデーモンが右手を上げた。


 その瞬間。


 ブラッドタイガーたちが一斉に姿勢を低くする。


 オーガが巨大な棍棒を握る。


 サイクロプスがゆっくりと棍棒を振り上げた。


 九体の魔物が――一斉に戦闘態勢へ入る。


「行け」


 たった一言。


 アークデーモンが命じた。


「グオオオオオオオッ!!」


 オーガが咆哮する。


「ガアアアアアッ!!」


 六体のブラッドタイガーが、一斉に地面を蹴った。


 そして――。


 サイクロプスが巨大な棍棒を振り上げる。


 ドォンッ!!


 巨体が動き出しただけで、闘技場の地面が震えた。


「来るぞ!!」


 ゾディアックが叫ぶ。


 帝国騎士団十人。


 対するは――。


 Aランクのアークデーモン。


 Aランクのサイクロプス。


 Aランクに近いBランクのオーガ。


 そして六体のCランク、ブラッドタイガー。


 観客たちは息を呑み――。


 三回戦が、始まった。


戦闘開始早々――。


 帝国騎士団は、劣勢を強いられていた。


「オオオオオオッ!!」


 巨大なオーガが咆哮し、拳を振り下ろす。


「くっ!」


 将軍ゾディアックが剣で受け流す。


 ズドンッ!!


 拳が地面を叩き、土煙が舞い上がった。


「なんという力だ……!」


 ゾディアックは距離を取りながら、オーガの動きを見極める。


 その一方では――。


「はあああっ!!」


 副団長ライールが大斧を振り抜いていた。


 ガァンッ!!


 サイクロプスの巨大な棍棒と、大斧が激しくぶつかり合う。


「ぐっ……!」


 衝撃でライールの身体が後ろへ押し込まれる。


「これが……Aランクの魔物か!」


 ライールは大斧を握り直した。


 ゾディアックとライール。


 二人がオーガとサイクロプスを相手にしている間――。


 残る帝国騎士たちは、六体のブラッドタイガーを相手にしていた。


「来るぞ!」


「囲まれるな!」


 騎士たちは必死に連携を取ろうとする。


 しかし――。


「ガアッ!!」


 一体のブラッドタイガーが地面を蹴った。


「速い!」


 騎士が盾を構える。


 ガキィンッ!!


 鋭い牙が盾に食い込む。


 その瞬間――。


「ギャウッ!!」


 別のブラッドタイガーが横から飛び込んできた。


「ぐあっ!」


 騎士が吹き飛ばされる。


 六体のブラッドタイガーは、互いに連携しながら騎士たちを翻弄していた。


 一体を相手にしていると思えば、別の一体が背後から襲い掛かる。


 騎士たちは次第に隊列を崩されていった。


「負傷者を下げろ!」


「無理だ! こいつらを止められない!」


 そして――。


 その戦況を、少し離れた場所から眺めている者がいた。


 アークデーモン。


 その手には、禍々しい鞭が握られている。


 ビュンッ!!


「ぐあっ!」


 突然、鞭が伸びた。


 騎士の鎧を正確に捉え、その身体を打ち据える。


「なっ……!」


 騎士が膝をつく。


 だが、アークデーモンは追撃することすらない。


 別の騎士へ視線を向け――。


 ビュンッ!!


「がはっ!」


 再び鞭が正確に命中する。


 その一撃一撃が、確実に騎士たちの体力を削っていく。


「くそっ……!」


 騎士の一人が、意を決してアークデーモンへ向かって走り出した。


「こいつを倒さなければ……!」


 剣を構え、距離を詰める。


 しかし――。


「ぐっ……!」


 突然、身体が重くなった。


 アークデーモンの周囲から、禍々しい闇の魔力が溢れ出している。


 近づくだけで、その魔力が身体へまとわりつく。


「なんだ……この魔法は……!」


 一歩。


 また一歩。


 それ以上、足が前へ進まない。


 闇の魔法が、アークデーモンへの接近そのものを阻んでいた。


「近づけない……!」


 騎士が後退する。


 その瞬間――。


 ビュンッ!!


「ぐああっ!」


 鞭が騎士の身体を打ち抜いた。


 アークデーモンは、ただ魔物たちを従えているだけではなかった。


 戦場全体を見渡し、騎士たちの動きを正確に読み――。


 最も効果的な場所へ、最も効果的な攻撃を叩き込んでいる。


 帝国騎士団は、完全に追い詰められていた。


 ゾディアックはオーガ。


 ライールはサイクロプス。


 そして残る騎士たちは、六体のブラッドタイガー。


 さらに、そのすべてを後方から操るアークデーモン。


「……まずい」


 誰かが呟いた。


 帝国騎士団の精鋭たちでさえ――。


 この魔物たちを前に、為す術なく押し込まれていた。


アークデーモンは――不気味に笑っていた。


「ククク……」


 その手に握られた鞭が、ゆっくりと揺れる。


 そして――。


 ビュンッ!!


「ぐあっ!」


 一人の騎士が吹き飛ばされた。


 倒れた騎士は、立ち上がろうとする。


 しかし――。


 ブラッドタイガーが、その前へと立ちはだかった。


「くっ……!」


 騎士は剣を構えることすらできない。


 アークデーモンは、そんな騎士を見ながら笑う。


「ククク……一人」


 そして、別の騎士へ視線を向ける。


 ビュンッ!!


「ぐっ!」


 鞭が鎧を打ち抜く。


「二人……」


 また一人。


 また一人。


 アークデーモンは、騎士たちを確実に戦えなくしていった。


 その攻撃には、無駄がない。


 決して命を奪おうとはしない。


 だが――。


 戦う力だけを、確実に奪っていく。


「くそっ……!」


「近づけない!」


 残された騎士たちは、大盾を構えて必死に身を守るしかなかった。


 ガァンッ!!


 ブラッドタイガーの爪が盾を叩く。


「ぐっ!」


 騎士の腕が痺れる。


 さらに――。


 ビュンッ!!


 鞭が大盾へ叩きつけられる。


「うおおっ!」


 騎士が必死に踏ん張る。


 大盾がなければ、一瞬で倒されていただろう。


 それほどまでに、帝国騎士団は追い詰められていた。


 だが――。


「……そこだ!」


 ゾディアックが叫んだ。


 目の前では、オーガが大きく腕を振り上げている。


 その一瞬――。


 オーガの足元に、僅かな隙が生まれた。


「はああああっ!!」


 ゾディアックが地面を蹴る。


 高く――。


 高く跳び上がった。


 そして空中で剣を構える。


「これで――!」


 重力に身を任せ、一気に落下する。


 ズドンッ!!


「グオオオオオッ!!」


 剣がオーガの身体へ突き刺さった。


 オーガが大きく仰け反る。


「グ……グオッ……!」


 その巨体がよろめき――。


 後退する。


 そして――。


 オーガが後ろへ下がったことで、魔物たちの陣形が崩れた。


「今だ!」


 ゾディアックの目が鋭く光る。


 これまで魔物たちによって押し込まれていた帝国騎士団に、ようやく生まれた突破口。


 だが――。


 その瞬間だった。


 ビュンッ!!


「グオッ!?」


 アークデーモンの鞭が、オーガの背中を打ち抜いた。


 オーガが怯える。


「グ……」


 振り返ることすらしない。


 ただ、その身体を震わせている。


 アークデーモンは笑った。


「何をしている?」


「……グル……」


「戻れ」


 低い声が響く。


 オーガの身体が強張った。


「グ……グオ……」


 恐怖。


 明らかな恐怖だった。


 Aランクに近いBランクの魔物であるオーガが――。


 アークデーモンを恐れている。


「戻れと言っている」


 ビュンッ!!


 再び鞭が振るわれる。


「グオオッ!!」


 オーガが慌てて前へ出る。


 そして――。


 崩れていた魔物たちの陣形を、元通りに立て直した。


「……なっ」


 ゾディアックが目を見開く。


 今、自分が作った唯一の好機が――。


 たった二度の鞭と命令だけで、消された。


 アークデーモンは、不気味な笑みを浮かべる。


「ククク……」


 そして騎士たちを見下ろした。


「私の僕に――勝手な真似をさせるな」


 その言葉と同時に――。


 オーガが再び咆哮した。


「グオオオオオオッ!!」


 魔物たちが、再び帝国騎士団を包囲する。


 ゾディアックは剣を握り直した。


 目の前にいるのは――。


 ただ強い魔物ではない。


 自らの僕を恐怖で完全に支配し、戦場そのものを操る存在。


 アークデーモン。


 その恐ろしさを、帝国騎士団は身をもって思い知らされていた。


観客席。


 カレンは、アークデーモンとオーガのやり取りをじっと見つめていた。


 先ほどまでの戦いに、興奮していたわけではない。


 むしろ――。


 小さな手をぎゅっと握りしめている。


「……どうして」


 カレンが、ぽつりと呟いた。


「どうして、あんな酷いことするの……?」


 その声には、悲しみが混じっていた。


 アークデーモンに鞭で打たれ、怯えながら命令に従うオーガ。


 その姿を見ているうちに――。


 カレンの表情が、少しずつ険しくなっていく。


「……意地悪したら可哀想だよ!」


 小さな拳を握る。


 そして――。


「……カレン、怒ってるからね」


 頬を膨らませながら、闘技場を睨みつける。


 どうやらカレンは――。


 本気で怒っているらしい。


それから――。


 しばらくの間、激しい戦いが続いた。


 だが、状況が覆ることはなかった。


 帝国騎士団には、次々と負傷者が出ていた。


 大盾を構えていた騎士も、もはや立っているのがやっとだ。


 ゾディアックは周囲を見渡した。


 倒れている仲間たち。


 傷を負いながらも、必死に戦い続けるライール。


 そして――。


 未だに傷一つ負った様子のないアークデーモン。


「…………」


 ゾディアックは、静かに剣を下ろした。


 これ以上続ければ――。


 仲間の命が危ない。


「……我々の負けだ」


 ゾディアックは腰に手を伸ばす。


 そして――。


 白旗を高く掲げた。


 その瞬間だった。


 ――ドォンッ!!


 会場の北門が開いた。


 同時に――。


 ――ドォンッ!!


 南門。


 ――ドォンッ!!


 東門。


 ――ドォンッ!!


 西門。


 闘技場を囲む四つの大門が、一斉に開かれた。


「な、なんだ!?」


 観客席から驚きの声が上がる。


 そこから姿を現したのは――。


 完全武装した魔族の騎士団だった。


 北から。


 南から。


 東から。


 西から。


 それぞれの門より、魔族の騎士たちが一斉に闘技場へと入ってくる。


 そして――。


 アークデーモンと、その魔物たちを取り囲んだ。


「…………」


 アークデーモンが、周囲を見渡す。


 四方を完全に塞がれている。


 魔族騎士団は武器を構えているが、アークデーモンたちへ攻撃することはない。


 その目的は――。


 帝国騎士団を守ることだった。


「負傷者を救護班へ!」


「帝国騎士団をこちらへ!」


 魔族騎士たちが帝国の騎士たちのもとへ駆け寄る。


 倒れている者を助け起こし、戦場から安全な場所へと避難させていく。


「ライール副団長! こちらへ!」


「……分かった」


 ライールは大斧を下ろし、騎士たちの指示に従う。


 ゾディアックも白旗を下ろすと、静かに剣を収めた。


 そして――。


「チッ……」


 アークデーモンが舌打ちした。


 周囲を取り囲む魔族騎士団を睨みつける。


 だが、反抗することはなかった。


「……戻るぞ」


 アークデーモンがそう言うと――。


 オーガも。


 サイクロプスも。


 六体のブラッドタイガーも。


 その後に続く。


 アークデーモンは最後まで不満そうな表情を浮かべながらも、魔族騎士団の指示に従い、闘技場を後にした。


 こうして――。


 三回戦は、帝国騎士団の敗北によって幕を閉じた。


その後も――。


 多くのパーティーがアークデーモンに挑んだ。


 だが、その結果は変わらなかった。


 次々と敗北していく冒険者たち。


 アークデーモンと、その従える魔物たちは、圧倒的な力で勝ち続けていた。


 そして――。


 ついに、俺たちの番がやってきた。


「さあ、次の対戦者は――!」


 実況の声が闘技場へ響き渡る。


「雷鳴の勇者一同です!!」


 その瞬間――。


 会場が大きく沸いた。


「雷鳴の勇者だ!」


「あのパーティーが出るのか!」


「アークデーモン相手に、どう戦うんだ!?」


 俺たちは、ゆっくりと闘技場へ向かって歩き出す。


 レオン、アリス、グリフ、アン。


 そして――カレン。


「…………」


 俺は隣を歩くカレンを見る。


 すると――。


 金色の髪が、ふわりと逆立っていた。


「……ビリッ」


 髪の毛から小さな静電気が弾ける。


「…………」


 まただ。


「ビリビリッ……」


 カレンの髪から、青白い火花が走った。


「カレン……?」


「……怒ってるの」


 カレンは頬を膨らませ、闘技場の奥にいるアークデーモンを睨みつけている。


「だって……オーガさん、可哀想だったもん」


 小さな拳をぎゅっと握る。


「鞭で叩いて……怖がらせて……」


「…………」


「意地悪するの、よくないよ!」


 その瞬間――。


「バチッ!!」


 カレンの髪から、先ほどよりも大きな電気が弾けた。


 グリフが苦笑する。


「……相当怒ってるな」


 アンもカレンを見ながら、小さく笑った。


「これは……アークデーモンのほうが大変かもしれませんね」


 アリスはそんなカレンの姿を見つめ――。


「ふふっ」


 楽しそうに微笑んでいた。


 俺は小さく息を吐く。


「……カレン」


「なあに、お父さん?」


「無茶だけはするなよ」


「うん!」


 カレンは元気よく頷いた。


 だが――。


 その髪は、まだ逆立ったままだった。


「ビリビリッ……!」


 どうやら――。


 怒りは、まだ収まっていないらしい。


そして――。


 戦闘開始の合図が鳴り響いた。


 その瞬間だった。


「いくよ!」


 カレンが腰のポーチへ手を伸ばす。


 アリスの腰に掛けられたポーチ――。


 そこから、カレンが次々と魔法カードを取り出していく。


「みんな、お願い!」


 一枚。


 二枚。


 三枚――。


 カレンは手にした魔法カードを、次々と解き放った。


 次の瞬間――。


 闘技場が、光に包まれた。


 ズンッ!!


 最初に現れたのは――。


「グオオオオオオッ!!」


 五体の巨大なミノタウロス。


 以前とは比べものにならないほど、その身体は大きくなっている。


 それぞれが巨大な武器を手にし、地面を踏み鳴らした。


「な、なんだあれは!?」


 観客席から驚きの声が上がる。


 続いて――。


 ズシンッ!!


 四体のゴーレムが出現した。


 巨体を誇る身体が地面へ着地するたび、闘技場が震える。


 そして――。


「グルルル……!」


 大きいクマさん――ジャイアントグリズリー。


 その隣には、普通のクマさん――ワイルドベア。


 二体のクマが並んで姿を現す。


 さらに――。


「キィィィィッ!」


 グリフォンが翼を大きく広げた。


 観客席からは、次々と歓声が上がる。


 だが――。


 その程度では終わらなかった。


 闘技場へ巨大な影が差し込む。


「……ん?」


 俺は空を見上げた。


「…………」


 思わず、言葉を失う。


 巨大な翼が――。


 闘技場の上空を覆っていた。


「グオオオオオオオオオオッ!!」


 凄まじい咆哮が轟く。


 その声だけで、観客席が震える。


 上空を旋回していたのは――。


「……シードラゴン?」


 以前、俺たちと共に戦ったシードラゴンだった。


 だが――。


「……あんなに大きかったか?」


 俺は思わず呟いた。


 巨大すぎる。


 以前とは明らかに違う。


 その全長は――。


 すでに三十メートルほどに達していた。


 巨大な闘技場ですら、その身体が小さく感じるほどだ。


 翼を広げ、会場の遥か上空を悠々と旋回している。


「ドラゴンさん!」


 カレンが嬉しそうに空を見上げる。


「大きくなったの!」


 満面の笑みだった。


 だが――。


 驚いているのは、カレン以外の全員だった。


「……進化したのか?」


 グリフが呆然と呟く。


 アリスも空を見上げながら目を細める。


「どうやら……そうみたいね」


 そして、俺は闘技場を見渡した。


 巨大なミノタウロス五体。


 ゴーレム四体。


 ジャイアントグリズリー。


 ワイルドベア。


 グリフォン。


 そして――。


 三十メートル級のシードラゴン。


 どの魔物も――。


 以前、カレンが使役していた姿とは明らかに違っていた。


 進化した者。


 身体が大きくなった者。


 力を増した者。


 カレンと共に戦い続けてきた魔物たちは――。


 いつの間にか、以前とは比べものにならないほど成長していた。


 観客席から、これまで以上の歓声が巻き起こる。


「なんだ、あの魔物たちは!?」


「ミノタウロスが五体だぞ!」


「ゴーレムまで……!」


「それより、あのドラゴンは何だ!?」


 闘技場の上空では――。


 三十メートルにも及ぶシードラゴンが、大きな翼を広げて旋回している。


 その姿は――。


 まるで、この闘技場そのものを支配しているかのようだった。


 そしてカレンは――。


「えへへっ」


 嬉しそうに笑っていた。


「みんな、大きくなったね!」


 その言葉に応えるように――。


 魔物たちが、一斉に咆哮を上げた。


 そして――。


 カレンの髪から。


「バチッ……!」


 小さな雷が弾けた。


 その表情からは――。


 先ほどまでの怒りが、少しだけ消えていた。


 だが――。


 アークデーモンを見つめるカレンの目は、まだ怒っている。


「……オーガさん、助けてあげるからね」


 小さな声だった。


 その言葉と同時に――。


 闘技場の空気が、再び張り詰めた。


カレンはすぐに――。


「カニさん!」


 巨大なカニさんの背中へ飛び乗った。


 巨大な甲羅の上に立ち、真っ直ぐにアークデーモンを睨みつける。


「…………」


 その目には――。


 まだ怒りが残っていた。


「オーガさんをいじめたら……ダメなんだからね!」


 カレンが叫んだ。


 その瞬間だった。


 上空を旋回していたシードラゴンが、大きく口を開く。


「グオオオオオオッ!!」


 轟音とともに――。


 大量の水が空から降り注いだ。


 ただの水ではない。


 魔力を帯びた、巨大な水の奔流。


「なっ……!」


 アークデーモンが空を見上げる。


「――障壁!」


 ドォォォン!!


 アークデーモンの前方に、禍々しい障壁が展開される。


 水の魔法が障壁へ激突した。


 轟音が闘技場を包み込む。


「ぐっ……!」


 アークデーモンが歯を食いしばる。


 障壁は耐えている。


 だが――。


 少しずつ。


 確実に。


 その魔力が削られていく。


「くっ……!」


 アークデーモンは必死に魔力を注ぎ込む。


 それでも――。


 水の奔流は止まらない。


「グオオオオオッ!!」


 シードラゴンがさらに魔力を込める。


 障壁に亀裂が走った。


「馬鹿な……!」


 アークデーモンの表情から、初めて余裕が消えた。


 そして――。


「……あの小娘だ!」


 アークデーモンがカレンを睨みつける。


「全員――あの小娘を倒せ!」


 命令が響き渡った。


 魔物たちが一斉にカレンへ向かおうとする。


「グオオオッ!!」


 オーガが走り出す。


 だが――。


「グオッ!?」


 その前に、巨大なミノタウロスが立ちはだかった。


「グオオオオオッ!!」


 巨大な斧を構えたミノタウロスが咆哮する。


 オーガが拳を振り上げる。


 だが、ミノタウロスがそれを受け止める。


「グオオッ!!」


 別のミノタウロスが横から入り込み、オーガの進路を塞ぐ。


 一体。


 二体。


 次々とミノタウロスが集まり――。


 オーガを完全に足止めした。


「グオオオオオッ!!」


 オーガは必死に前へ進もうとする。


 だが――。


 カレンのもとへ辿り着くことはできない。


 そして――。


「ガルルル……」


 六体のブラッドタイガーが、別の方向からカレンへ向かおうとする。


 その前に立ちはだかったのは――。


「グルルル……」


 大きいクマさんだった。


 ジャイアントグリズリー。


 以前とは比べものにならないほど巨大になった身体を、ブラッドタイガーたちの前へ堂々と晒している。


「ガルッ!」


 一体のブラッドタイガーが飛び掛かる。


 ガブッ!!


 鋭い牙が、大きいクマさんの身体へ食い込む――。


 はずだった。


「…………」


 大きいクマさんは、微動だにしない。


「ガル……?」


 ブラッドタイガーが怯えたように後退する。


 傷すら――。


 ついていない。


「グルルルル……」


 大きいクマさんが低く唸る。


 六体のブラッドタイガーが、一斉に身を低くした。


 明らかに――。


 恐怖している。


「……どうしたの?」


 カレンが首を傾げる。


 巨大なカニさんの背中から、戦場を見渡す。


 目の前では――。


 ミノタウロスたちがオーガを止めている。


 大きいクマさんがブラッドタイガーたちを圧倒している。


 そして上空では――。


 三十メートルにも及ぶシードラゴンが、アークデーモンへ水の魔法を浴びせ続けている。


 カレンは小さく笑った。


「みんな……ありがとう!」


 その声に応えるように――。


「グオオオオオオッ!!」


 魔物たちが一斉に咆哮した。


 アークデーモンの表情が、初めて大きく歪む。


「……馬鹿な」


 自分が恐怖によって支配していた魔物たち。


 その魔物たちを――。


 目の前の少女は、まるで家族のように従えている。


 アークデーモンにとって、それは理解しがたい光景だった。


サイクロプスが、巨大な棍棒を振り上げた。


「うおおおおおっ!!」


 その巨体から繰り出される一撃が、アリスへと迫る。


 だが――。


 ガキィィィン!!


 巨大なハサミが、棍棒を軽々と受け止めた。


「……なっ!?」


 サイクロプスが目を見開く。


 アリスの前に立ちはだかったのは――巨大なカニさんだった。


 その巨体と巨大なハサミで、アリスを完全に守っている。


 そして、その瞬間だった。


「チクッ」


「……?」


 サイクロプスの身体に、小さな何かが触れた。


 次の瞬間――。


「ぐ……!?」


 サイクロプスの巨体が大きく揺れる。


 ドォォン!!


 そのまま地面へと倒れ込んだ。


「サイクロプス!?」


 アークデーモンが叫ぶ。


 だが、それだけではなかった。


「な……なんだ……」


 オーガの身体も、ぐらりと揺れる。


 ドォン!!


 オーガもまた、その場に倒れた。


 その周囲を飛んでいたのは――小さな蜂。


 魔法によって小さくなっていた、女王キラービーだった。


 身体は小さくなっている。


 しかし――その毒までは、小さくなっていなかった。


 たった一刺し。


 それだけで、二体の巨大な魔物を動けなくしていた。


「すごい……」


 俺は思わず呟く。


 だが――。


「貴様らぁぁぁ!!」


 アークデーモンが怒り狂った。


 手に持っていた禍々しい鞭を振り上げる。


 その先端が向かったのは――地面に倒れたサイクロプス。


「立てぇぇぇ!!」


 動けないサイクロプスへ、鞭を振り下ろそうとする。


 その瞬間。


「叩かないで……!」


 カレンの声が響いた。


 カレンは巨大なカニさんの背中に乗ったまま、アークデーモンを睨みつけていた。


「その子……動けないだけなの……」


 小さな手が、ぎゅっと握られる。


「叩かないで……!」


 その声に応えるように――。


 ズズズズズッ!!


 地面が大きく揺れた。


 サイクロプスの周囲に、四体のゴーレムが立ち上がる。


 巨大な身体を盾にするように並び、サイクロプスを守る。


「な……!?」


 アークデーモンが驚愕する。


 さらに――。


 オーガの周囲にも、五体のミノタウロスが集まった。


 巨大な斧を構え、オーガを守るように立ちはだかる。


 動けなくなった仲間を――。


 誰一人として見捨てない。


 その光景を見て、俺は思わず息を呑んだ。


「……仲間を守ってるんだ」


 アリスが静かに呟く。


「うん……」


 カレンはカニさんの背中の上から、倒れているサイクロプスとオーガを見つめていた。


 そして――。


「みんな、カレンのお友達だもん……」


 小さな声だった。


 だが、その声は確かに闘技場へ響いた。


 アークデーモンが鞭を握りしめる。


「なぜだ……!?」


 理解できない。


 自分なら、動けなくなった魔物には鞭を打つ。


 恐怖を与え、命令に従わせる。


 それが当然だと思っていた。


 しかし――。


 カレンの魔物たちは違った。


 命令されたからでもない。


 罰を恐れているからでもない。


 ただ――。


 仲間を守るために、そこに立っている。


 サイクロプスの前にはゴーレム。


 オーガの前にはミノタウロス。


 そして――。


 巨大なカニさんの背中には、カレンがいる。


 その頭上では、巨大なシードラゴンがアークデーモンを見下ろしていた。


 アークデーモンは初めて理解した。


 目の前の少女は――。


 ただ魔物を使役しているのではない。


 魔物たちにとって、カレンは――。


 守るべき、大切な仲間なのだ。


闘技場の中央。


 六体のブラッドタイガーは、すでに戦える状態ではなかった。


 ポーチさんから伸びた闇の手に捕らえられ、身動き一つ取れずにいる。


 その一方で――。


 サイクロプスは地面に倒れ、オーガも動けない。


 アークデーモンは、そんな魔物たちを睨みつけていた。


「役立たずが……!」


 そして――。


 再び鞭を振り上げる。


「立てぇぇぇ!!」


 動けないサイクロプスへ、鞭を振り下ろそうとした。


「叩かないで……!」


 カレンの声が響いた。


 カレンは巨大なカニさんの背中に乗ったまま、アークデーモンを睨みつけている。


「もう……叩かないで……」


 その声には、怒りだけではなく悲しみも混じっていた。


「みんな……怖がってるよ」


「黙れ、小娘!」


 アークデーモンが怒鳴る。


「こいつらは私の命令に従うための魔物だ!」


「違うよ」


 カレンは首を横に振った。


「みんなは……カレンのお友達だもん」


 その瞬間だった。


 カレンの首元に刻まれたルーンが――。


 淡い光を放ち始めた。


「……え?」


 俺は思わず目を見開く。


 首元のルーンから溢れ出した光が、カレンの身体を包み込んでいく。


 そして――。


 その光が、闘技場いっぱいに広がった。


 サイクロプスへ。


 オーガへ。


 そして――。


 闇の手に捕らえられている六体のブラッドタイガーへ。


 さらに、カレンの周囲にいる全ての魔物たちへ。


「な……!?」


 アークデーモンの顔が引きつった。


 魔物たちの身体から、禍々しい魔力が抜けていく。


 まるで――。


 目に見えない鎖が、一本ずつ断ち切られていくようだった。


「やめろ……!」


 アークデーモンが叫ぶ。


「私の支配を……解除するなぁぁぁ!!」


 だが――。


 止まらない。


 サイクロプスを縛っていた支配が消える。


 オーガを縛っていた支配も消える。


 そして、六体のブラッドタイガーからも――。


 完全にアークデーモンの支配が消え去った。


「……グルル」


 一体のブラッドタイガーが、小さく唸る。


 もう、その瞳に恐怖はない。


 アークデーモンの命令を待つ必要もない。


 鞭を恐れる必要もない。


 カレンは巨大なカニさんの背中から、そんな魔物たちを見つめる。


 そして――。


 優しく微笑んだ。


「もう大丈夫だよ」


 カレンは小さな手を伸ばす。


「怖くないからね」


 ブラッドタイガーが、ゆっくりとカレンを見る。


「これからは――」


 カレンは嬉しそうに笑った。


「カレンのお友達だよ!」


 その言葉に――。


 闘技場が静まり返った。


 誰もが目の前の光景を見つめている。


 敵だった魔物たち。


 カレンを殺そうとしていた魔物たち。


 その全てを――。


 カレンは倒すのではなく、救った。


 アークデーモンは、震えながら呟く。


「……私の……魔物が……」


 違う。


 もう、アークデーモンの魔物ではない。


 恐怖によって縛られた存在でもない。


 今、そこにいるのは――。


 自分の意思を取り戻した魔物たち。


 そして、その魔物たちを――。


 「お友達」と呼ぶ少女だった。


カレンは、アークデーモンをじっと見つめていた。


 そして――。


 小さく首を傾げる。


「……悪いアークデーモンさん」


 その声に、アークデーモンが顔を上げる。


「みんなをいじめるの……もうやめよう?」


「……ふざけるな」


 アークデーモンは、震える手で鞭を握り直した。


 だが――。


 カレンは、もう一度口を開いた。


「それじゃあ……」


 巨大なカニさんの背中から、カレンが指を向ける。


「悪いアークデーモンさん、みんなでやっつけよう……!」


 その瞬間だった。


 闘技場の空気が変わった。


 サイクロプスが――。


 ゆっくりと立ち上がる。


 オーガも――。


 身体を起こす。


 六体のブラッドタイガーも、ポーチさんの闇の手から解放されると、一斉に地面へ降り立った。


 そして――。


 全ての魔物が、アークデーモンを見つめた。


 ゴーレムが。


 ミノタウロスが。


 巨大なカニさんが。


 ジャイアントグリズリーが。


 ワイルドベアが。


 グリフォンが。


 シードラゴンが。


 そして――。


 今までアークデーモンに支配されていた魔物たちまでもが。


 一斉に、その瞳をアークデーモンへ向ける。


「……な」


 アークデーモンの喉が鳴った。


 一歩。


 後ずさる。


「待て……」


 さらに一歩。


「来るな……!」


 魔物たちが、ゆっくりと距離を詰めてくる。


 アークデーモンの手から、鞭が滑り落ちた。


 カラン――。


「なぜだ……」


 身体が震えている。


 心臓が激しく脈打つ。


 息が苦しい。


 逃げなければならない。


 そう思っているのに――。


 足が動かない。


「これが……」


 アークデーモンは、初めて理解した。


「これが……恐怖……?」


 今まで、自分が魔物たちに与えてきたもの。


 鞭を振るい。


 怒鳴り。


 逆らえば罰を与え。


 恐怖によって、魔物たちを縛りつけてきた。


 その恐怖を――。


 今、自分自身が感じている。


「いや……」


 アークデーモンが後ずさる。


「嫌だ……来るなぁぁぁ!!」


 だが――。


 もう誰も止まらない。


 サイクロプスが巨大な棍棒を振り上げる。


 オーガが拳を握りしめる。


 ブラッドタイガーたちが地面を蹴る。


 ミノタウロスたちが一斉に駆け出す。


 ゴーレムが大地を揺らしながら迫る。


 そして――。


 空からシードラゴンが咆哮を轟かせた。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


 アークデーモンの叫び声が、闘技場に響き渡る。


 次の瞬間――。


 ドゴォォォン!!


 巨大な棍棒が叩き込まれる。


 ズガァァン!!


 ミノタウロスの斧が大地を砕く。


 グルァァァ!!


 ブラッドタイガーたちが一斉に飛び掛かる。


 そして――。


 巨大な魔物たちの猛攻が、アークデーモンを飲み込んでいった。


 最後に――。


 ドォォォン!!


 大きな音と共に、アークデーモンの身体が地面へと叩きつけられた。


 静寂。


 やがて――。


 アークデーモンは、二度と立ち上がることはなかった。


 恐怖で魔物たちを支配していた者は――。


 最後には、その魔物たちによって倒された。


 カレンは巨大なカニさんの背中から、倒れたアークデーモンを見つめる。


 そして――。


「……もう、いじめちゃダメだからね」


 そう小さく呟いた。


 その周りには――。


 カレンが救った、たくさんの「お友達」がいた。


しばらくの間――。


 闘技場には、静寂が広がっていた。


 誰もが目の前の光景に言葉を失っている。


 倒れたアークデーモン。


 そして、その周囲に立つ数多くの魔物たち。


 サイクロプスも。


 オーガも。


 六体のブラッドタイガーも。


 もう、誰一人としてアークデーモンに従ってはいない。


 そんな魔物たちの中心に――。


 巨大なカニさんの背中に乗ったカレンがいた。


「……すごい」


 誰かが、ぽつりと呟いた。


 すると――。


「多くの魔物を……恐怖から解放したぞ!」


「しかも、あれほどの魔物を優しく従えている……!」


「まさか……!」


 観客席から、次々と声が上がっていく。


 そして――。


 一人の魔族が、震える声で叫んだ。


「多くの魔物を恐怖から解放し――!」


 その声が、闘技場中へ響き渡る。


「優しく使役するその姿こそ――!」


 魔族は拳を握りしめた。


「まさに英雄王ジーク様の力だ……!」


「――――!!」


 その言葉をきっかけに――。


 会場が爆発した。


「うおおおおおおおお!!」


「小さな勇者だ!!」


「雷鳴の勇者だぁぁぁ!!」


「すげぇぞ!!」


「魔物を救ったぞ!!」


 割れんばかりの歓声が、闘技場を包み込む。


 カレンは何が起きているのか分からない様子で、巨大なカニさんの背中から観客席を見渡していた。


「……?」


 そして――。


「お父さん……?」


 カレンが振り返る。


 俺は思わず笑った。


「どうした?」


「みんな……すごく喜んでるの」


「ああ」


 俺は頷く。


「カレンが頑張ったからな」


「えへへ……」


 カレンが嬉しそうに笑う。


 その周囲には――。


 カレンのお友達となった魔物たち。


 そして、そのさらに上空には巨大なシードラゴン。


 小さな少女と、数多くの魔物たち。


 その姿を見た観客たちは、さらに大きな歓声を上げる。


 ――雷鳴の勇者一同。


 その名が、魔族領に広がっていく。

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