第27話 マトーさんの話
「優しいお父さんなんだな」
「そうなんですが、それでも納得しなかった私は市役所に行きました。そしたらお父さんが上司から蹴られ、叩かれている姿がありました。『お父さんの代わりに私が働くから、お父さんを解放してください』と言いました。そしたら、お父さんのことを蹴っていた男がこちらを向いて、『お前のような子どもには何も出来ない、ましてはシクムの血が入ってる。』後もう一人の男が『いや、ボス、ここはこいつを利用して、隣国の情報収集や撹乱をさせたら良いんじゃないか?』『そうだな。そうしたら組長からの評価も上がるかもしれないしな、少年兵のとこにやるのも手だがそいつもありだ。』そのように彼らは薄気味悪い笑いを浮かべていました。」
「それは、何というか、」
「それで僕はお父さんが労働環境の改善は無理だという事を悟りました。トップもグルになってあんな事をしていたんです。その後、私は『私は何でもするから、その代わりお父さんには手出しをしないでください。』と良い、『分かった。あいつは今日からクビだ。』と男は言いました。」
「それで俺達の学部に潜入したって訳だな」
「はい。それで、身寄りの無い人を装ってデューク教国の国籍を取得して、中学校、高校を卒業しました。それでチェン国の学園都市にある桜川大学に入学しました。最初は良かったのですが、週に一回おこなわなければならない調査報告で私は特異点物質の事を話してしまったんです。」
「外では話したら駄目だって言ったのに」
「すみませんでした。それで、その事を話したら特異点物質を盗めと言われたんです」
「まぁそうなるわな」
「それで、私はお昼の実験のときにチェンの軍から支給された2つの空間を繋げる布を実験場に置きっぱなしにして、僕の家にあるもう片方の布から入って盗みました。」
「方法は分かった。でもおかしいな。この星ではその布は作ってないはずなんだが、」
「この星ではって」
「あぁこっちの話だ。気にしないでくれ」
「実は僕の家にも同じような布が代々受け継がれてるんです。昔お父さんから聞いた話によると、お祖父さんの代のときにその布を使って多くの希望を背負って荒廃した。から抜け出して新天地を目指してここに来たそうです。ただ片方しか無いので厳密には違うものかもしれませんし、どうしたら良いか分からないのでただの布切れなんです。」
「なるほどな。そういえば最近流行ってる映画のケッチャマン知ってる?」
「名前くらいなら、映画はあんまり見ないので」
「俺は見ていたんだけど、エンドロールの原案がお前と同じ苗字のシグムトウシだったんだけど知り合いか?」
「それ、お父さんの名前です。そっかあ、お父さんもちゃんと再就職出来たんだあ。でも、あの国だと映画制作すらもままならないと思うんだけど。」
彼女は嬉しい涙を浮かべていた。
「そっかあそっかあ。全てが繋がった。」
「どういうこと?」
「君のご先祖様にトーマっている?」
「はい。確か、自身をバイオ改造して戦ったと聞いています」
「それで、他にも敵の本拠地を教えたりとか、弱点を教えたりとか、いろいろサポートしてた人って聞いてなかった?」
「あぁ、そういえば、場所とか知識ばっかり教えて、実際の戦闘とかは手伝ってくれないけど便利なインテリ野郎って聞いてます」
「はは、酷い言われようだな。実はそれは俺なんだ。」
「なんだって、って本来驚くべきところなんでしょうが、薄々感づいてました。もしかして、デューク教の神様だったりします?」
「そんな所だ。まあ元々この国は、俺が実験するために作ったんだし、いざという時は俺がコントロール出来たら良いなと思ってるんだけど、教皇が優秀過ぎてなんにもする事ないんだよね。良いことなんだけど」
「やっぱりそうだったんですね。私はさっき、デューク先生がこの星デはとか、普通なら会ったこともないようなご先祖様の名前を知ってたりで確信したんですけど、意外と時空科学部のみんなは薄々感づいてるよ。」
「そうなんだな。マトーさんが特別に鋭いわけじゃなかったんだね」
「だって急にポンポン出てくる特異点物質はどうやって説明が付くんだって思ったら顧問というか教授のデューク先生に行き着くわけですよ。」
「それもそうだな。まぁ、これはあそこに持って帰るが、もう二度とそんな事するんじゃないぞ。それに、チェン国の奴らとの縁の切り方は、。先生に考えがあるから、取りあえず明日からお前は特異点物質研究班な。そこでは隠し事は無しだから皆に話せよ。きっと力になってくれるから」
「はい。ありがとうございます」
「俺は今回はお前の境遇に同情したからお咎めは無しだ。次はないからそこのところ忘れるなよ。じゃあな。」
俺はそう言って2階の狭い部屋にある布から桜川大学の実験上にもどって一息ついた。
まさかあいつの子孫がこの星に来ていたなんて、あの映画見たときにまさかとは思ったけど。
ーーーーーー
ここから一人称が中村唯斗に戻ります。
俺は、バイトで精神的に疲れた。なにしろ、覚えることが多すぎて、先輩も怖いし、なにしろ言われたことを1回でうまく出来ずに、同じミスばっかりしてしまって、毎日のように怒られているからだ。
だが俺には、vtuberのコイヌワンちゃんがいるから大丈夫だ。前世にYoutubeで誰かに依存するのは良くないという自己啓発的な動画を見たことあったけど、今はそんなことはどうだって良いんだ。この子で俺の心を充電すると満たされるから。
ということで朝になったのでいつも通り学校に行く。
俺は今日も一番のりかと思ったら、俺よりも先にマトーさんが来ている。
「マトーさんきょうは早いですね」
「今日はちょっと早めに来ちゃいました。実は昨日あんまり眠れなかったので」
「そうなんですね」
そんな会話が終わって、午前中の授業が終わった後、デューク先生がマトーさんの方に手を添えて、
「今日からマトーさんが特異点物質研究班だから、よろしくしてやって」
「よろしく」
「もしかして特異点物質研究班に興味があったから昨日見学したのかな?」
「よろしく」
俺もみんなも歓迎ムードだ。
デューク先生「それで、今日の放課後、10分くらいだけ残れる?」
「はい、僕は大丈夫です」
「私も平気です」
「それじゃあ、重要な話があるからちょっと残っててね」
「分かりました」
その話しがすぎるとデューク先生が向こうへ歩いていった。
ニシカワさんは少し疑問な顔で「重要な話ってなんだろうね」
ヤマダは少しニヤっとしながら
「さぁ、もしかして先生のカミングアウトかな」
俺「なんのカミングアウト?」
ヤマダ「さぁ、なんだろうな。お前も薄々勘付いてるんじゃないか」
ハタハラ「それはあんまり大きい声で言わない約束じゃ」
俺「んんっ」
俺は咳払いをした。
サキ「まあ、タイムリミットまでそんなに長くないんだり鳩電話の完成に向けて頑張ろう」
「それもそうですね」
シクムマトー チェン国出身の女の子。デューク教国ではアカシマトーと名乗っている。ボクっ娘だが、正式な場所では一人称は私。テンパったときには素がでて僕と言ってしまう。
チェン国出身だが、お父さんを守るためのに。諜報活動のため12歳から単身でデューク教国に行き、18歳で養育院を出てきた後にボロい一軒家の賃貸で一人暮らしをしている。。




