第26話 コソ泥の犯人は?
俺こと中村唯斗がバイト先で先輩にしごかれている頃、
学校ではヤバい事が起きていた。
ここからは創造神の先輩であり、時空科学部の教授、デューク視点で話が進みます。
俺はこの世界の創造神デューク。今はその正体を隠して俺が異世界同士を3次元的にもつなげる研究のために旧友と作った国、デューク教国の首都サランにある大学で他の職員とお茶を飲んでいるところだった。
なぜデュークと名前を変えずにやってるかというと、この国にはデュークという名前はよくある名前だからそんなに目立たないことと、なるべく嘘はつきたくないからだ。
20時になったから教室の鍵を締めに第一研究室に向かう。
「あれ、奥から気配が感じるな」
創造神になったことで、周囲の気配をその気になれば鮮明に感じることが出来るが、今は護身用程度にゆるく感じれるようにしている。
「奥にある実証実験場からか?、ユイトたちが実験したあとは鍵をかけたと思うんだけどなぁ、やはりあいつか?急に入りたいっていった、マートか?でも怪しかったけど普段真面目にやってる子だしなぁ」
俺は勘付かれないように音を立てずに実証試験場に入ることにした。(具体的には神核だけの状態になって、実証試験場に入り、そこで体を再生成する。)
「おい、そこで何やってるんだ!」
俺が声を出すとすぐさま人影は布の中にはいっていったのを追いかける。
「こら、待て」
俺も布の中に入ったら、狭い4畳部屋、彼の拠点だろうか?
「ここは、どこだ?」
おしりの後ろにはさっき通ってきた布がひらっとある。どうやら二つの場所をつなげる布のようだ。これもしかして俺が前作った星、ルーゲ星で作った布じゃないか?でもこの布は広まるとヤバいからこの世界では俺の財布以外、そもそもないはず。なんで不法侵入した不審者は持ってるんだ?
こうしちゃいけない。不審者を追いかけないと。さっき階段をいそいそと降りていく音が聞こえたからそれを追いかけて1階に降りる。
1階のもう閉店してしまったのであろう商店だろうか、下がコンクリートで所々に段ボールが乱雑に置かれている。構わず急いで俺は逃げる侵入者を追いかける。
「おい待て」
俺は逃げる女の黒い服の後ろを掴んだ。
「お前、あそこで何やってたんだ、ってお前、マートじゃないか!なんでこんなことやってるんだ?俺に頼めば使わせてやるのに、そういった事が信用を無くすんだ。とりあえず話して貰おうか」
俺が少し強めの口調で言うと、目の前のマートは泣いてしまった。
「ぐずんぐずん、ひっく」
俺は泣いてるのには弱いから少し声のトーンを抑えて続ける。
「とりあえず、落ち着いてから話せ」
「はい、すみません。」
「取り敢えずここに座って、それで、何であんな時間に忍び込んでいたんだ?」
俺は近くにあった箱の上に座るように言った。そして俺も座った。
「私は、お父さんを助けたくで、でも、もう限界で、これ以上もう、耐えきれなくて、」
「どうしなんだ、そんなに耐えきれないなんて、胸のうちにあるもの、全部吐いてしまいな。私がたすけてやるから」
「僕は、スパイなんです。チェン国の、でも、全部話します、今までやってきたこと、もう限界なんです。誰かを騙しながら生活するの、だから、あの石を盗んだときも誰かに捕まらないかなと考える自分がどこかにいました。」
「ちょっと待て、あの石って、特異点物質か?それは駄目だ、何やってくれてんだ!」
「すみません」
「謝罪はいい、とにかくどこにやったか言え、」
「私のズボンのポケットの中に一つあります」
俺は、急いで今、段ボールの積み上がってる影にいたが、目の前にいる生徒のポケットに手を入れた。端から見たら性加害をしているおっさんのように見えるかもしれないが今はそんなことは言ってられない。
「これだけなんだな、他には盗んでないんだな」
「はい」
「分かった。俺はお前の言葉を信じる。それで、どんな経緯なのなもっと、詳しく話してくれないか」
「実は私はチェン国出身なんです」
「それで?」
「ある日、お父さんがボロボロの姿で家に帰ってきたんです。それから毎日、新しい痣がお父さんには増えるんです。それで私はどうして毎日ボロボロになって帰って来るの?って聞きました。」
「お父さんはどんな職業についてるんだ?まさかヤクザとか反社会的なもの?」
「いやその反対というか、でも言われてみればそうかもしれません。お父さんは地方の市役所の職員をやってるんです。」
「でも、それだとそんなボコボコにされるようなことは無いと思うんだけど」
「お父さんは安定を目指して公務員を目指したみたいなんですが、私が中学生になったときに上司が変わったらしくてそれから一気に状況が悪くなったみたいなんです。今までの市長は上からの圧力を部下に押し付けないようにクッションのような役割をしていたんだったんだとお父さんが後から語ってくれました。」
「チェン国の内部事情は大変なんだな。でも、それと、これ、俺達の大事なものを持ち出すのは違うだろ?」
「それは本当に申し訳ありませんでした」
「謝罪は良いんだ、続きを聞かせてくれ」
「はい。それで日に日に悪化していき、しばらくしたらお父さんの腕に、シクムはクソだと火傷で字が書かれていました。」
「お父さんの名前か?」
「いいえ名字です。それで私は、このままだとお父さんが死んでしまうと思って、何か対策はないかとお父さんの労働環境を調べる為に録音機をお父さんのカバンの中に忍び込ませました。それで、僕は知ってしまったんです。お父さんが新しく来た上司とそのまた上司がまとめて殴って罵ってお父さんを虐めていることに。」
「それは大変だな」
「それでもお父さんは家族を養うために、毎日休みもせずに働きに出てくれていました。それで、僕ははひっそりと録音機を入れていた事を明かすことにしました。」
「おいおいそんなに泣くな。」
「ずみまぜん。それで、僕はまだ、働けないしお母さんは病弱で働けないし、それで、お父さんに本当はもう職場から逃げてほしかったけど、そういう事をしたら、公務員意外のほとんどの人が、ホームレスとか、それではないとしてもかなりの貧しい暮らしだったし、、お母さんの為の薬も買えなくなるしで、お父さんの労働環境を変えるためにその録音を証拠にして訴えようと考えたんです。
『マトーそんな事しなくて良いんだよ。』
『でも、このままだったらお父さんが死んじゃうよ』
『お父さんは大丈夫だ。お前は弟とお母さんを助けてやって』こんな感じでお父さんは大丈夫の一点張りでした。」




