第61話。魔王軍9「寝る子は育つ」ぐっすり眠るのです……Zz…Zzz……。
あれから、なんとも言えない時間を過ごして、現在は、おそらく外の日が暮れ始めた頃なんだと思う。
めちゃくちゃ長い時間、愉しまれたヤバイ二人のヤバイ行為も終わり、ヤバい兄弟を含めたヤバイ家族たちが、やっと! 帰ったところだ。
ハンナとかいうヤバイ女も、今はいない。
今頃、誰かとお楽しみ中なんだろう……。多分……。
そして、精霊とかいうヤバい存在たちも、初めの方こそ俺に構ってきたりもしたが、無言を貫く俺には興味がなくなったのか、全部どこかへと飛び去って、今は一匹もいない。
そう、今の俺の周りには、何もいない!
解放された……。やっと解放された! 逃げよう!! 今すぐ逃げよう! 早く、早く! そう思う。本当にそう思っている。だが俺は……
逃げ出せない……。動けない……。怖すぎる……。
今ここで逃げ出したら、もう後には戻れない……。ここから逃げ出すということ……。それは、俺があのヤバイ奴らと、今度は、敵対することを意味する……。
だがその前に、そもそも本当にここから逃げ切れるのか……? あんなヤバい奴らから逃げ切れるのか……? それに、もし捕まれば……今度は間違いなく俺の素性を問われて、暴かれて……そして間違いなく、殺される………。
今の俺は、どうやら被害者として見てくれてるようだから、深く探ったりせず丁寧な扱いを受けているが……今ここで、もし俺が不穏な行動を見せれば、間違いなく素性を探られる……。
俺の素性は言わずもかな……魔王軍四天王……だ……。
殺される……。間違いなく殺される……。
もしも今、本当に逃げ出すというのなら、俺は絶対に、捕まるわけにはいかない……。それに、もし運良く逃げ出せたとしても、そのまま魔王軍に帰ったならば、俺は魔王軍の一員として、あのヤバい奴らの目前に立たなければならなくなる……。
それは、それだけは……絶対に、嫌だ……。
かといって、そんな弱腰な姿を魔王様に見せようものなら……俺は……多分……殺される……。いや、殺されるだけなら、まだましかもしれない……。もしかすると反逆者扱いで、拷問を受けるかもしれない……。いや、おそらく……受けるだろう……。
それも……嫌だ……。
つまりだ、俺はもう魔王領には、帰れない……。
ということは、別の言い方をすれば、今の俺には、運よくここから逃げ切ったところで、その後に、行く当てというものがどこにもない状態、というわけだ……。
そもそもだ……運よく逃げ出せればとは言ってるが、運がよかった程度のことで、あんなヤバい奴らから俺なんかが、本当に逃げ出せるのか?
無理だな……。
それに、そういっている間にも、そろそろあのヤバイ女が帰ってくるんじゃないのか? それと、どこか監視されてるような気もする………。情報もない……。外がどうなっているのかすら、わからない……。
そのうえ、今の俺はこれでもないというほどに、疲弊している……。今日は本当に疲れた……。肉体的にも精神的にも本当に、疲れた……。未だに体が少し、震えている……。生きているのが不思議な感覚だ…………。
「寝よう……」
そうして、疲れ切っている俺は、この場から逃げる絶好のチャンスをどぶに捨て、睡眠に安息を求めて、驚くほどにふかふかなベットに身を預けるという選択を、選んだのだった……。
〇 私の独り言 〇
休むということは、とてもとても大切なことなのですよ。
なにかとすぐにスケジュールを組みたがる地球人は、休むということを軽んじていると思うのです。疎かにしていると思うのです。たくさん動くことばかりに意識が向いて、しっかりと休めてないように思うのです。
そんな感じで、休むことをスケジュールできない人も多いですが、それとは別に、休む時間をしっかりとスケジュールすれば、疲れは取れると勘違いしてる人も多いと思うのです。
休むことをスケジュールして実践しても、本当の疲れは取れないのです。
決まった時間にしっかり寝れば、疲れは取れると思っている人も多いようですが、それだけでは、本当の疲れというのは、なかなか取れるようなものではないのです。
本当の疲れを取ろうと思ったなら、スケジュールでも、時計でも、社会の常識なんかでもなく、まずはあなたの身体に耳を傾けなければなりません。
【あなたが休みたいと思った時が、あなたの絶好の休み時です】
休むということは大切なことなのです。大切なことなのだから、優先するべきなのです。好きな時に休むべきなのです
あなたは、今、休んでもいいのですよ。




