第60話。魔王軍8「二の句が継げない」三の句から行くのです!
「本当に、本っ当に、すまない!!!」
その後も、この赤髪の男は、何度も何度も謝り倒してくる……。俺はもう震えたまま固まって、動けなくなってしまった……。
「ぷぷぷ、いつも私に怒ってばっかなのに、ねぇねぇどんな気分? ねぇ、どんな気分なのー?」
金髪のヤバいくらいに綺麗な女が、さっきまで俺を震え上がらせていた、赤髪のヤバい男を挑発してあざ笑っている……。それだけでもハッキリと分かる……この女……まじヤバい……。
「くっそー! こんな時だけいい気になりやがって!」
ちょっ! 急に大声出すなよ! 心臓が……止まるだろ……はぁ…… はぁ……
少し顔を上げると、赤髪のヤバい男が、怒り心頭といった様相で、仁王立ちしている……。その怒りのせいなのか、空気が……苦しい……はぁ…… はぁ……
やめて……。静まって……。お願いだから……。
「あらあら、見事なまでの負け犬っぷりね~」
「遠吠え~」
「赤いぬー」「よしよし~」「いい吠えっぷり」
そんな俺の都合なんてお構いなしに、このヤバい女は挑発し続ける……。さらには、小さな精霊とかいうヤバい奴も、一緒に束になってからかい始めた……。なんか、知らないうちに、精霊……増えてるし……。はぁ…… はぁ……
「ぐぅ……このヤロー!!」
だから止めろって! いえ、あの、お願いです……止めてください……。はぁ…… はぁ…… はぁ……
「ふふふ、そんな可愛そうな負け犬さんは、私が慰めて可愛がってあげるからー、 今夜はー、覚悟してね……」
「お、おぉ……。ありがとう……」
金髪の女は、赤髪の男を散々にからかって噴火させたあと、しばらくは到底収まらないだろうと思えたその怒りを、今度は、一瞬で沈めてみせた。
何なんだよ……。何なんだよ……こいつら……。
「それとも、今からする?」
「あ、あぁ、そうだな……お願いする……」
え……。は、はああぁ? い、今からっ!? え、今から? 今からって言った? な、なにいってんだこいつら!? はぁ…… はぁ…… はぁ……
い、いや、きっと俺の想像している行為とは、多分、違うんだろう……。はぁ……はぁ……。ていうか、もうやめよう……。考えるのは、もうやめよう……。これ以上頭に血が上るのは、さすがにヤバそうだ……。はぁ……はぁ……。
なんにせよだ、ようやく、やっと……解放されそうだ……。今は、つかの間の自由の喜びを、かみしめることに思いをはせるとしよう……。
「では、少し失礼する。それと今回の件、本当に申し訳なかった……」
赤髪の男がそう言って再度、頭を下げた後、顔を上げて後ろに下がっていく。
この瞬間に――解放された――その一見なんでもないようなただの安堵が、疲労困憊の俺に、雪崩のようにどっと押し寄せてくる。
今の俺の目からは、俺の意思に反して、滝のような涙が流れている……。しばらくは止まりそうにもない……。これほど涙を流すのはいつ以来だろう……? いつ以来? いや、初めてだ……。
生きている……。俺は今生きている……。ありがとう……。
「そういうわけだから、ハンナ! 向こうのベット借りるわね!」
「はい、ご自由にどうぞ~ ふふふ」
涙を流している俺をよそに、金髪のヤバイほど綺麗なヤバイ女はそう言って、あの赤髪のヤバイ男を連れて、少し離れたベットに行き、そして………………
セックスを始めた……。
えっ……絶句…………なんだけど……。
涙なんて、一瞬で吹き飛んだんだけど……。
えっ? 本当にするの……? さっきまで俺に必死に謝罪してた人だよね? もしかして反省とかってあんまりしてなかった? ていうか、普通に見えちゃってるけど!? いいの!? 隠さないの!?
いや、めっちゃエロいんだけど……。あの綺麗なおっぱい、めっちゃ触りたいけど……。いやそんなことよりもだ……。
誰も何も言わないのか!!?
「いつものことなんで、気にしないでください」
「ままとぱぱ、仲いい~」
いつの間にか近くにいた、ヤバい少年少女たち……。
俺は再び緊張状態に陥る……が! それよりもだ!
はあぁ!? いつものこと? いつも!? ってことは、あの二人はいつも人目も気にせずしてるってわけなのか……?
いやいやそれって…………ただの変態じゃん……。
俺はさっきまで、あんな変態野郎に怯えていたのか……。それに気にしないくださいって……いやいや流石に無理があるでしょ……。こんなの見せられたら…………めっちゃムラムラするわ……。
にしても……うわぁー、本当に挿れちゃったよ……。正直、ドン引きだよ……。なんなら恐怖すら感じる……。俺、本当に生きてる?
「ねぇゴルト……少しじっとして……」
「ああ、分かった」 ぎゅっ
「あぁ……気持い……」
本当に気持ちよさそうだな……。
おい! 俺への配慮はないのかよ!
いや、あるわけないか……。
「まりー、ありがと……愛してる……」
「もう、今はずるいわ……私もよ……」
何なんだよ……。なんてもん見せつけてくれてんだよ……。
意味わかんねぇ……。どうしてこうなった……。
けど、大胆なことする割にしては、随分と大人しい行為だな……。
さっきから全然動いてない……。
「あぁー、二人を見てると、何だか私もエッチしたくなってきちゃいました~。なんで、ちょっとエッチしてきますね~」
そう言って、ハンナとかいう、最初に俺を看病していたヤバイ女は、部屋をあとにした。
って! おい! どうなってんだ? なんなんだ? っていうか……あいつも変態だったのかよ……。めっちゃ清楚華憐って感じだったのに……。なんなんだよ……ちょっとエッチしてくるって……。なんなんだよ……そのトイレ感覚は……。
意味わかんねぇ……。
「紅葉も、早く黒兄とえっちしたい!」
「僕も紅葉とえっちしたいから、早く大きくなってね」 なでなで なでなで
「うん!」
何なんだよ……こいつら……。何なんだよ……。まじでヤバイ……。
○ 私の独り言 ○
性に関しては、私より地球人の感覚の方が、異常なの。自信あるの。
この作品は、食、寝、性、の全部を平等に扱うの。
やましいことじゃないの。自信あるの。
やましいのは、やましいと思うあなたの心なの。賭けてもいいなの。
【自然なありのままの『性』は、美しい】――なの!




