表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーリング  作者: Yua
59/91

第59話。魔王軍7「九死に一生を得る」よかったですねー

そのあと、このヤバイ赤髪の男は、ことの経緯と謝罪を述べてきた。俺はただ大人しく聞いているしかなかった……。だって怖いし……。



その話によると……。


どうやら俺は、このヤバイ男の魔法に巻き込まれて危うく死にかけたんだと……。その後、この精霊? とかいう小さなヤバい奴が、瀕死の俺を発見して教会に運ばれ、そして、このヤバイ女に治療されて、今に至るんだと……。


はああー!? ざけんなよ! てめー! 魔物の餌にすっぞ! ああー!?




あ、ごめんなさい……。何でもないです……。何でもないんです……。だから、お願いだから、そんなに睨まないで……。お願い、睨まないで……。


「本っ当に、本っ当に、すまない!」


蛇に睨まれたカエルのような状態の俺に、このヤバイ男は、鋭い目線を向けながら、何度も何度も謝り、土下座してくる……。


止めてくれ……。あんたが声を上げるたびに、俺の小さな小さな心臓が停止しそうなんだ……。今なら、ノミの方が大きいんじゃないか……? 

 

お願いだ……開放してくれ! 頼む! もう魔王軍なんて辞めるから! ただの一般魔族になるから!


あれ? でも、一般魔族だと、どうなるんだ? どんな扱いされるんだっけ……?


あれ? もしかしてこれって、詰んでない? 絶体絶命っていうやつなんじゃ…………。ヤバい……怖い……怖すぎる……。



そうして、俺は恐怖で黙りこくった状態で固まっていると、またしばらくして、このヤバイ男の家族なのか知らないけど、金髪のヤバイほど綺麗なヤバイ女と、黒髪のヤバイ少年に、赤髪のヤバイ少女までやって来た……。


この中の一人だけだったとしても、俺なんかでは到底敵わないような、逃げ切れるかすら分からないといったレベルなのに……。右も左も上も下も……囲まれている……。四面楚歌……。孤立無援……。


怖すぎるよ……。過剰戦力すぎるよ……。やめてよ……。




「うちの父がごめんなさい」

「ごめんなさい」


黒髪の少年と、赤髪の少女が謝ってくる。父が、ということはこのヤバい赤髪の男の、子供なのだろう。どちらも見た目は普通の子供だ……なのに……


なんなんだ! この魔力は!? こんな小さな体に入っていい魔力量なんかじゃないだろ! というか、これ……本当にちゃんと制御できてるのか……? 俺が見た感じだと、今にも破裂して暴発しそうなんだが……? やめろよ……。本当にやめろよ……。こんな魔力食らったら、俺なんて……ひとたまりもないぞ……。


なんていうかヤバさ的にはだな、この二人の子供が、この部屋の数多のヤバい奴らの中でも今一番ヤバいんじゃないか……? 


だって、子供だぞ? 何しでかすかなんて、本当にわかんないだろ? なんなら、今からすぐに魔法を打ち合って、はしゃぎだしてもおかしくないよな……。もしそんなことにでもなったら……大惨事だぞ……。


なのに! なんで他の奴らはそんなに平気そうなんだよ!?




あー……そうか……。たとえもし、この二人の魔力が暴発したところで、このヤバい奴らならそんなに被害を受けることもないのか……。なんなら、もし好き勝手に暴れまわったとしても、それほど問題なさそうだし、取り押さえるのも容易そうだ……。


って、俺はどうなるんだ!? もしそんなことになったら、俺はどうなるんだよ!? どうなるんだよ!? やめろ! 二人とも、こっちを見るな! 近づくな! 離れろ!! 今すぐ離れろ!!



「うわー、すごい怯えよう……。もしかして、トラウマにでもなっちゃいました? まぁ、全身こんがり焼かれて死にかけたんだし、無理もないですよねー。まぁでも、うちの父って悪い人なんかでは決してないですから、そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ?」


違う! いや、違わないけど、違う! たしかにお前の父とかいう奴も十分に怖いけども、今、最も怖いのは! 黒髪の少年……つまりお前だ! だから来るなって! 近づくなってば! 離れろってば! お願いだから……こないでください……。


「かわいそう……。ぱぱー、もっとちゃんと謝る!」

「うーん、それより今は、そっとしておく方がいいんじゃない?」


「そうなの?」


「うん、そう。だって怖い時ってさ、なにされても怖いんだよ。親切なこととかも、疑って見ちゃうし。あぁ、あれって親切だったんだなぁ……とかってさ、後にならないと気付かないから。だから、余裕ができるまでは、そっとしておく方がお互いのためかな?」


「そうなんだー」


この黒髪の少年……いいこと言う! そうだぞ! お願いだから! お願いだから……もうそっとしておいてくれ……。たのむから……。



そういった俺の願いも通じたのか、黒髪の少年と赤髪の少女は、少しずつ俺からは離れていって、向こうの方で、俺のことなんてどうでもいいといった感じで、二人で楽しそうに話し始めた。


よかった……。ひとまずは、助かった……。




「本当に、本っ当に、すまない!!!」


お前はあの少年の何を聞いてたんだ!? もうそっとしておいてくれよ! もうわかったって! わかったってば……。許すから! いくらでも許すから……。お願いだから、もうそっとしておいてよ…………。




 〇 私の独り言 〇


同じもの、同じことでも、人によって見え方、とらえ方が違うのです。


相手の立場に立って考えるということは、簡単なようで難しくて、出来てるようで出来てないことの方が多いものです……。


 あなたは自分が絶対に正しいと思うこと、周りに押し付けてませんか?


見え方、とらえ方が、人それぞれで変わるのですから、『絶対』なんてものはありません。どんなに正しいと思うことでも、見え方、とらえ方を変えてしまえば、間違ったことになってしまいます。逆のことにもいえます。


人を殺めるのが正しいと思われていた、少し前の戦時中の日本。テレビやメディアが間違ったことを言うはずがない、絶対的な情報源だと信じていた、ほんの少し前までの一般庶民。


まぁ、そんなの挙げ始めたら、きりなんてないですね。やめときます。



まぁそんな感じで、物事の正負善悪なんて、見え方、とらえ方で、簡単に変わってしまうようなものです。



 あなたは絶対に正しいと思われている常識を、周りから押し付けられていませんか?


大切なのは周りの常識ではありません。あなたがどのように物事を見て、とらえて、そして、掴むかです。


あなたの見え方、とらえ方で、あなたの世界の正負善悪が変わるのです。

あなたが見て、とらえ、掴んだ世界が、あなたの目の前に現れるのです。


あなたは、あなたのこれからの世界を、どのように見て、とらえますか?




うっきうきなの! 楽しみでしょうがないなの!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ