第52話「石に立つ矢」それ、刺さってませんか?
まりー「結局あなたはどうしたいの? 帰りたいの? 帰りたくないの?」
ミリア「私は……帰りたく…… ない……」
まりー「そうなの? 以外ねー。てっきり帰りたいって言うと思ったわ」
(嵐のまりー冒険譚、海底都市ヨナ救済編! が始まるのかと思ったわ)――と、まりーは内心で付け加える。
まりー「けどあなたって確か王女とかだったわよね? 本当に帰りたくないの?」
ミリア「うんざり……してたんです……」
まりー「ん?」
ミリア「正直……うんざり……してたんです……」
まりー「ん??」
ミリア「ほんま! うんざりしてたっちゅーねん!」
まりー「えーっ!?」
ミリア「やれ礼儀だ……作法だ……品格だ……貴族付き合いだ……常識だ……その他にもようわからんこと、えらっそーーーにいっぱい押し付けてきやがるに! あいつら!! で! 普段は散々偉そーにしてたくせに、自分らが苦しなったら見っ苦しい責任の擦り付け合い! 民衆は踊らされやがって好き放題言いやがるし! 挙句の果てには内戦!? アホかっちゅーねん! そんなもん……やってられっかっちゅーねん!」
まりー「そ、そうね……流石にそれは、やってられないわね……」
ミリア「私はあの国を出て、自由になって気づいたんです……。夢も希望もなくなって、住む場所も行き場もなくて、夜も眠れず、食べる物にも困って、ただただ彷徨って……私は気付いたんです……。
私が居た場所は、あの海底都市は、ただの生簀だったって……。私はただ誰かに食べられるのを待つだけに、安全に飼われていた魚だったんだって……気付いたんです……。
確かに今の私は……辛いです……。苦しいです……。淋しいです……。でも! だからといってあの生簀にまた戻ろうという気は起きないです。私は海を、時には街を、彷徨って思ったんです。心の底から思ったんです……。
『私は自由に生きたい! その上で幸せになりたい!』」
まりー「素晴らしい! 素晴らしいわ! ミリア! あなた最高ね!!」
そう言って、まりーは、ミリアをギュッと強く抱きしめる。
驚いた表情を見せたミリアだったが、その表情は徐々にゆっくりと崩れ始め……大粒の涙が零れ始めると……ミリアもまた、まりーに強く抱きすがった。
。。。
まりー「ミリア! 私達の村に住みなさいよ! あなたならみんな歓迎するわ!」
ミリア「ぅ……でも……私……長く、陸には居られなくて……」
まりー「そうね……なら! この海も私達の村にしちゃいましょう! そしてミリアがここに住む。これであなたも私達の村の住人よ!」
ミリア「そ、そんな事……出来るんですか?」
まりー「出来るか? じゃないわ、『やるのよ!』」
○ 私の独り言 ○
「海底都市ヨナ救済編! が始まるのかと思ったわ」
これは私の感想なのです。なんでこうなったなの?
私ってとっても自由人なのー。




