第36話「風が吹けば桶屋が儲かる」そうなのですか?
引き続き療養中です。
せっかくなので、この村の人達が普段どんなものを食べているのか、紹介したいと思います。
まず初めに、この村では農業というものがありません。農耕という概念がありません。驚きましたか? 僕も初めは驚きました。けれどそれにはしっかりとした理由があります。
。。。
黒助「そんちょー!」
村長「どうした、くろいのー」
黒助「どうして、この村は農業をしないの?」
村長「ほほ、それはの……農業をすれば村が滅んでしまうからじゃよ」
黒助「え、滅ぶ? なんで!」
村長「畑を耕して種を植え作物を育てると生活が豊かになる。するとどうなると思うかの?」
黒助「豊かになって、沢山食べ物があったら……人が増えるかな?」
村長「そうじゃ、沢山の人が生まれ、また沢山の畑が耕されるじゃろうな、そしてますます豊かになり」
黒助「また人が増えるんだね!」
村長「そうじゃ、そうしてこの村は、いずれ立派な国になるじゃろうな。ところでの、その沢山の人達の豊かな生活を支えてるのはなんじゃろう?」
黒助「えっと、畑から取れる作物と、それを育てる人達かな?」
村長「うむ、そのとうりじゃ、沢山の人を支えるのに沢山の作物が育てられるじゃろう」
黒助「うん、うん、それで」
村長「そして沢山の作物に支えられて、沢山の人達が豊かな生活をするようになるじゃろう。
だがの……。
『沢山の安全な作物を毎年、安定して収穫し続ける』これは本当に可能かの?」
黒助「え、うーん? 無理かな? 水害とか干害とか、なんか他にもいっぱいあるし」
村長「そうじゃな、おそらく難しいじゃろうな。するとどうなるかの?」
黒助「えっと、作物が育たなくて飢饉になるんだよね?」
村長「うむ、そして、沢山の人を支えている沢山の作物が取れなくなると、どうなるかの?」
黒助「人が飢えて、餓死しちゃう?」
村長「そうじゃな。そういった人も出てきてしまうじゃろうな。しかしじゃ、その土地を収めておるものは、それを大人しく見ておるだけかのう?」
黒助「あ! それって、よくある戦争の原因だよね! 他の国から奪い出すんだよね!」
他の国を略奪して「なぜこんな非道なことができるんだ!」って言われて「民が苦しむのを黙って見過ごせというのか!」とか訳分かんないこと言って、自分達を正当化してるクズ達の記憶がある。
村長「そうじゃな。どんな形にせよ、十中八九は戦争になるじゃろうのう。だがそうなれば、戦争に行く兵士を支える作物はどうするのかのう? 兵士が死んで足りなくなったら誰が兵士をするのかのう? 農民かの? それに、もし仮に戦争に勝利して作物を奪ったとして、本当に戦争を始める前より豊かになっておるかのう? 被害や維持費の方が多くないのう? 農民も沢山死んでしまって作物が作れなくなるかもしれんのう」
黒助「うん……。農耕。ダメ! 絶対!」
○ 私の独り言 ○
農耕はハイリスクハイリターン。ドラッグよりも怖いのですよ。
では地球で農業が出来るのは、何故なのでしょう?
答えは簡単なの。そう計画的に作られたからなの。
農業の神様ありがとうなの! 土の神様ありがとうなの!




