第20話「目は口ほどに物を言う」……(。。)…………
黒助「ふぅー、ふぅー、ふぅー」 ブンッ ブンッ ブンッ
どうも黒助です。只今、剣術の稽古中してます。木刀を持って素振りしてます。
最初はこの世界で魔法を極めよう! なんて思ってたけど……母の、とんでもない風魔法を見て考えを改めました。
あれは本当に凄かったです。家や周りの木が根っこごと風に吸い込込まれて、渦を巻いて舞っていました。そんなリアルな竜巻を前にして、僕は想像以上に恐怖を感じました……。はい……怖かったです……。
○
(もしこの力を極めたとしたら、僕はこの力を制御しきれるだろうか?)
少し刺激を与えると爆発する核爆弾みたいな物にすらなりかねない。何でも持てばいいわけじゃない。部相応が良いと思う。
(はたして必要だろうか?)
一個人が核爆弾を所持したいと思うだろうか? もし思うなら、そんな世界で生きるのは僕はごめんだ。必要ない。
(そもそも可能か)
魔法世界初心者な僕がたった50年足らずで魔法を極める? 僕がモーツァルトだったなら考えるよ。
○
うん……ほどほどにしよ……。
そんな訳で、今世での魔法は遊び程度が丁度いいのかなって思いました。それに魔法って便利そうだし、そういう方向で使っていこうと思います。本格的な魔法はもし機会があるなら来世以降で頑張ろうと思います。
。。。
黒助「ふぅー、ふぅー、ふぅー」 ブンッ ブンッ ブンッ
村人G「おー、だいぶ剣筋が良くなってきたな」
僕が素振りに夢中になっていると、隣から声をかけられました。この人は、僕に剣術を教えてくれている? かは分からないけど……僕は師匠だと思っている人です。この人からはそれだけの凄みみたいなのを感じます。仙人みたいな人です。
村人G「うんうん、いい感じだ」
当然です! 魔法を諦めて6年間、木刀を触らない日は無かったのだから! 剣筋の10や20はよくなってもらわないと困ります。でないとまた挫折します!
。。。
そして、ここには最近この村で産まれた、師匠の子供さんもいます。
村人F「すー すー すー」Zzz Zzz Zzz
筋のいい立派な寝姿です。
この子は、僕と年齢が一番近いこともあり僕に懐いていて、揺れ動く青いキツネ耳がとても可愛くて、揺れ動く大きなモフモフした尻尾が、とても魅力的な……僕の弟みたいな子です。ここにいるのも、僕に付いて来たがったからです。
。。。
村人G「 ッ ッ ッ」 シュッ シュッ シュッ
隣で師匠も素振りをする。
無駄のない洗練された素早い動き……。ブレがなく体の中に芯があるようです。それが毎回、同じ動作で安定している……。
すごい……。
素直に、本当にそう思います……。
そして、そんな凄い師匠がこれまで僕にどんなことを教えてくれたかというと……特にありません。ホントにない。
最初から師匠は素振りをしていただけで、僕はそれに習って素振りを始めました。それ以降も、たまに話すけど些細な会話だけ……。間違いの指摘やアドバイスと言ったものはないです。
見て学べと言う事なのでしょうか? それともただの子守り感覚?
いや、そんな考えがないほど師匠は無心で木刀を振っています。
何処か遠くを観ている……そんな眠たそうに半分だけが開かれた目は……とても力強い。
僕も無心になろう………………。
○ 私の独り言 ○
執筆の才能さんはどこですかー。
ユーモアさんはどこにいますかー。
隠れてないで出てきて欲しいのです。
いっぱい可愛がってあげるので出てきて欲しいのです。




