当たり前の質問
門をくぐるより先に、晶が声をかけてきた。
「眠れたか?」
「ああ」
「昨日話したこと、考えたか?」
「……残念ながら」
彼はにやりとまではしなかったが、その表情は、その答えを予想していたと語っていた。「彼女とは話したのか?」
「何について」
「お前が避けてることについて」
その問いには返す言葉がなかった。それこそが、彼が正しいと分かる理由なのだと、私は理解しつつあった。
---
一限の前、自動販売機の近くで涼が見つけてきた。いつも通りの、まったく普通の様子で。「今日、シフト入ってる?」
「入ってる」私はそう答えた。何の抵抗もなく。そのとき中庭の向こうから哲也が彼女の名前を呼び、私は決めたわけでもないのに半歩後ずさった——大げさでも、目立つほどでもなく、ただ、さっきまで立っていた場所から少し離れる程度に。
彼女はそれに気づいた。私にはそれが伝わった——一瞬の戸惑いが浮かび、すぐに取り繕われるのが。
「また後でね」彼女は、さっきより一拍遅れてそう言い、私が作り出し、どう直せばいいのか分からずにいる、どこか困ったような表情を残して哲也のほうへ歩いていった。
*私、何かした?*と彼女が思っているのを想像する。正直な答えは*した*であり、もっと正直な答えは*何をしたのか、自分でもよく分かっていない*だった。
---
晶は練習中、誰も気づいていないほど長く延びた休憩の合間に、私をきちんと問い詰めてきた。
「なんで普通に聞かないんだ?」
「何を聞くんだ」
「哲也について」
沈黙。それ自体が、もう一つの告白になるくらい長い沈黙だった。
「何を聞けばいいのか分からない」ようやく私はそう言った。
「なら、当たり前のことから聞けばいい」
「それは?」
「あいつが何者か」
私はそれを検討した。「それは、踏み込みすぎに思える」
晶は本当に笑った——驚いたような、本物の笑いだった。「軌道力学の計算は平気でできるのに、女の子に友達が誰なのか聞くのは踏み込みすぎだって?」
「そう言われると、理不尽に聞こえるな」
「実際、理不尽なんだよ」彼はボールを、わざと強めに私へ投げてよこした。「お前が苛立ってるのは、哲也がそこにいるからじゃない」
「なら、なぜ苛立ってるんだ」
「あいつが彼女にとってどういう存在なのか、お前が知らないからだ」
その言葉は、すぐには答えを見つけられない場所に落ちた。それは事実で、この一週間分の気の散り方が、一つの、居心地の悪い焦点へと一気に絞り込まれるほどの真実だった。私はずっと観察し、記録し、理論を組み立ててきた——実際に物事を解決する、たった一つの行動を除いて。
「聞けばいいだけだろ」晶はもう一度、今度は少し優しく言った。まるで、その気づきが訪れる瞬間を急がせたくないとでもいうように。
---
授業のあと、佳奈恵が腕を組んで待っていた。すでに答えを知っている質問を口にする人間特有の忍耐強さで、私を見つめながら。
「まだ考えてるの?」
「ああ」
「涼のこと?」
私は彼女を見た。誰かが涼の名前を、私のこの問題に直接結びつけて、はぐらかすことなく口にしたのは、これが初めてだった。私はそれを否定しなかった。
佳奈恵の表情に、何かが和らいだ。悲しみというより、もう争わないと決めた何かに、静かに扉を閉じるような感じだった。
「なら、話してみたら」彼女は言った。
「晶と同じことを言うんだな」
「それは残念ね」彼女はそう言い、少しだけ笑い、あとに残る小さな痛みに私が対処法を見つける前に、立ち去っていった。
---
その晩、ピザ・ハウスで、大地さんは私が同じ棚を二度並べ直すのを見てから、ようやく口を開いた。
「前より、気が散ってなさそうだな」
「誰かに聞きたいことがあるんです」
「それは不穏だな」
私はそれ以上説明しなかった。彼もそれ以上は聞いてこなかった。それをありがたく思う。何しろ、声に出しても筋の通る説明を、まだ自分でも持っていなかったから。
*明日、*とカウンターを三度目に拭きながら決める。*涼に、哲也のことを聞こう。*
告白ではない。追及でもない。ただの質問だ——一週間前に聞いておくべきだった、それをこれほど大きく、抱えきれないものに育ててしまう前に聞いておくべきだった、その種類の質問。
---
その夜、机の前で、正しい言葉を探した。それは、今学期取り組んだどの方程式よりも難しい作業だった。
*哲也って誰?*——直接的すぎる。尋問のようだ。
*哲也とはいつから知り合い?*——なぜかは分からないが、踏み込みすぎに感じる。
*哲也とはどういう関係?*
その一文を、しばらくじっと見つめた。
*それは、はるかに悪い響きだ、*と思い、すぐに消した。
最後に:*哲也って誰?*
単純だ。それを書き留め、その四語を、目を離した隙にもっと複雑な何かへと姿を変えるのではないかとでもいうように見つめ続けた。
*これくらい、難しいはずがない、*と思う。
それでも、難しく感じた。
---
翌日の午後、中庭の噴水のそばで、一人でいる彼女を見つけた。教科書を膝の上に開いたまま、何一つ気にする様子もなく座っていた。
私が何も言わないうちから、彼女は顔を上げた。私の立ち姿の何かが、すでに何かを語っていたらしい。
「湊?」
「聞きたいことがある」
「うん……」彼女は教科書を閉じ、こちらに完全に意識を向けた。それが、かえってこれを難しくした。
質問に必要な時間より、まる一秒よけいにためらった。
「哲也のこと、知ってる?」
彼女は瞬きした。前置きも文脈もなく、その名前だけが差し出されるとは思っていなかったのだろう。
「彼が何?」
「うん。私にとって、特別な人」
彼女はそう言った。




