44.二つの効能
「会話、出来そう? 樹人」
『・・・』
エルが語り掛けた後、何か聞こえるような・・・。葉擦れと言われればそうともとれるような。邪魔をすると困るので、私は沈黙を保つよ。
「将軍、全部聞き取れた?」
「動くための養分が少なくてすむと」
「ええ!? そんな事になってるの? フェロモン凄いな。それで、動きはもう少し抑えて貰うように説得は出来そう?」
「試みるが」
「こちらの要望は伝えて」
私は頷いているだけです。将軍さんがエルに細かい所まで伝えている。将軍さんやっぱり凄いな。これは波長なの? 聴力? 後で聞いてみよう。
『・・・。・・』
良いって? 何て? 話しているんだろうなとは思うんだけど。
「ええー」
「仕方が無い」
今度はエルもしっかり聞こえたらしい。将軍さんは若干諦め気味だ。
「ゆう、樹人は初めての経験で抑えきれないってさ。後、定期的にフェロモンは欲しいらしいよ。樹人に対するフェロモンの効能は活性化に伴う省エネだね」
「省エネ? 燃費が良いって事?」
「それと、摂取する栄養が少なくて良いって」
「それも凄いね。匂いだけで」
「本当にね」
「副作用とかは大丈夫なの?」
「忘れてた。それもね。将軍、お願い」
エルに頼まれた将軍さんの言葉が、羽音と重なる様に樹人に語り掛けている。さっきから気になっていたんだけど、こんな二重音声にしないと言葉が伝わらないの? しかも将軍さん、その羽音は何処から? 将軍さんは大きな虫になれる人? ちょっとワクワクしてきた。今度、見せて貰えるかなー。私、虫、平気何で!




