43.ちょっと
植物がわさわさしていて、自分が揺れているような錯覚を起こします。風も吹いていないのにと認識も怪しくなってきています。地面自体は動いていないはず。
「わわわ」
「ゆう、落ち着いて。私達から離れないでね」
「うん。よろしく。将軍さんもお願いします」
エルが私の側に立ち、庇うような位置の将軍さんは油断なく周りを警戒しながら、頷いてくれます。
「これはほとんどの人が起きちゃった感じ?」
「だろうね」
「そもそも、樹人さん達は動けないの? 動きたくないとは思えないんだけど・・・」
「皆、生き生きしているもんねー」
段々とこの状況に慣れてくると、周りがただ喜んで浮き浮きしている事だけが分かる。誰かに害をなそうとかそういうことではなさそうだ。嬉しい、楽しい、動ける喜びのみが伝わってくる。
「良かったねーと言いたい所だけど、大きさと動きが」
「どれくらいで冷静になれるかね」
難しそうだ。フェロモンが無くなれば落ち着くかね。
「フェロモン回収する?」
「そうしよう。ちょっと、はしゃぎすぎだね。はい」
「ほい?」
あれ、蟲人さんと違って直ぐに効果が出ないんだったね。暫し待つ。
「えー・・・。加減が難しいよ」
一面の沈黙。皆、静かにお休みなりました。フェロモンが全くないと駄目なのね。エルのフェロモン量の調整に掛かっているから、大変だ。
「ええっと、応援しか出来ないけど。頑張って」
「うーん。は」
「ほ」
どうかな? ちょびっとだけ動いてる! 成功じゃない? ちなみに私の掛け声は合いの手なような物で何の効力もありません。




