34.逆
「これが要因だ。説明が来る」
将軍さんの確信を込めた言葉が返って来た。それに続くようにエルが顔を出す。
「あ、エル。お帰りー。」
「お待たせー。思っても見ない形でフェロモンが伝わってたよ」
やっぱりフェロモンが樹人を駆り立てたのか・・・。
「蝶々が原因なんだって?」
「そう。最初の蝶々が、戻れなくて彷徨って樹人の所まで辿り着いて、フェロモン振りまいちゃったみたいだよ」
「ええー。蝶々にフェロモンが付いてたの?」
蝶々を出した時の事はあんまり覚えていないんだよね。消臭の外では無かったのかな?
「多分ね。私達には分からないけど。蟲人よりも更に感度が良さそうで、効能が逆みたい」
「逆って?」
「活性化」
不思議。
「蝶々はどうして明後日の方向へ行っちゃったの?」
「最初の蝶々に名前を書き忘れちゃったでしょ?」
「うん。それで急いで、二羽目を飛ばしたよね。二羽目は帰って来たんだよね?」
「そう。だから一羽目が返ってこない事を気にしてなかったんだよね」
「トッド君から返事が来てた、あれね」
私が思い出していると、将軍さんとエルで別の話が進んでいく。二人は私に聞かせる気が無かったのだろう。只の人の聴力では聞こえない位の音量で話していたようだ。
「将軍。今まで以上の警護を」
「了解。樹人はどのくらいで落ち着くか?」
「蟲人と違って、長引く」
「一人だけか?」
「今の所は。蝶々は回収した」
「主張は?」
「フェロモンを寄越せ」
「渡すにしても制限が必要だ」
二人がごにょごにょと相談して、頷き合うと解散した。




