30.勉強
まずは生活していく上で必須な事から。次にこの国の事、周辺国。種族についても。
「研究はいつするの!?」
「今、してるよー」
エル、軽いよ。片手を振り振り女王蜂さんへ帰している。
あ、寝ちゃった。座って授業受けていたから、掛け声は無しです。
「え? あれ?」
トッド君の反応が新鮮です。働き蜂さんは起きてる。そんな働き蜂さんは驚きと、感心です。高濃度のフェロモンを実感するのは難しいらしく、目が覚めて熟睡できたという感覚しかないらしい。だからそれを目の当たりにする事なんて、早々無いですからね。エルの魔法の凄さよ。
「トッド君。これは秘密にしておいて欲しいんだけどさ。私のフェロモンの効果はこんな感じなんだけど、トッド君は何か感じる?」
「おいら? うーん・・・」
真剣に考えつつ顔を少し上げ、鼻を上向きになる様にすると匂いを感じ取っているようだった。
「どう?」
「分かんないや」
しょんぼりしたトッド君に申し訳ないけど、もう少し聞かせてね。
「そっか。女王蜂さんか寝る前も後も変わらない感じ?」
「うん」
「それなら良かった」
「いいの?」
俯いていたトッド君の顔が上がる。
「蟲人さん達以外に影響が出るかどうかの検証だから、大丈夫」
「よかったー。おいら、駄目かと思っちゃった」
安心した微笑みが癒しだよ。
「トッドの正直な感想が必要だったら、助かったよ」
「賢者にそう言って貰えて嬉しいです」
エルには随分、畏まるね。




