21.刺激
女王蜂さんは可愛らしい感じで目を覚ました。
「ふわっ。良く寝た」
ぐっと腕と体を伸ばして、はっとした。目もぱっちり開きます。
「おはよー」
私は怖くて声を掛けられないよ。目がこれでもかっていう位に開いているけれど・・・。威嚇なのかな。
「なにを!」
「協力して貰ったんだよ。ちょっと、段階を考え」
「賢者殿!」
うわっ。思わず顔を庇う。将軍が駆け込んで来た勢いが疾風の様だよ。エルの言葉も止まったが、将軍へ向き直る。
「将軍。影響出ちゃった?」
「直ぐに目覚めたようだが、頻繁ならば、皆に休みを通達す」
冷静に告げる将軍は尤もな事を言ってくれる。度々、仕事が中断されるより始めから休みにした方が良いかもね。
「気を付けまーす。だけど、全く影響が出ないとは言い切れないかも」
「かも、では困りますわよ!」
「それを含めた検証に協力を頂くように要請したんだけど?」
落ち着いて。女王蜂さんとエルは喧嘩友達なの?
「蜂の女王殿」
「分かっていますわよっ!」
女王蜂さんを取り成そうと声を掛けた将軍にも噛み付いた。
「じゃあ、次。はい」
「ちょ、ほいっ」
エルとの連携は間に合った。すうっと眠りに入ってしまった女王蜂さんの身体が落ちる先へソファを差し込む。将軍は私達の行動に、疑問顔からはっと気が付いた。
「賢者殿」
「将軍は、皆の様子を見て来て」
エル、将軍を使いっ走りにするなんて・・・。音も無く確認に行ってくれる将軍。有り難い。私は迷う事、必須だからね。
「エル。今回はどんな感じで?」
「さっきまでの消臭範囲を広げたんだ」
「国は大丈夫なんだよね?」
「大丈夫、大丈夫。ほらっ」
エルが胸を張った先に将軍が戻って来て、状況を報告してくれる。
「皆、変わらず、働いている」
ほっとしたような将軍に、エルが勝ち誇り、私が安心する。
「ね?」
「良かった」
「将軍。暫く、この範囲の消臭は必ずかけておくから、お休みにしなくても大丈夫なはず」
「余り刺激なさらぬ様」
「気を付けまーす」
エル・・・。安請け合いし過ぎ。将軍がいる前では突っ込めないけどさ。




