19.効力
「何からやる?」
「フェロモンの効力の調整かな」
「今のままだと、下手したら国の動きが止まっちゃうもんね」
全蟲人が寝てしまう。そもそもフェロモンの有効範囲はどの位なんだろうか?
「力が強くて優秀だね」
「何の自覚も無いけどね」
「今は私の魔法で抑えているけど、どうするか。指向性を持たせるか、お休みの時に個人で使って貰える位に薄めるか」
研究者のエルはきっとフェロモンの効能を調べたいのだろうけれど、この国の為を考えて最初は効力についてにしたらしい。それは賛成。私ずっと引き籠っていなきゃいけなくなるからね。折角、来たのだし、観光したいよ。
「効力は強弱で何とかなるだろうけど、範囲はどの位なの?」
「そうだねー・・・。まだはっきりと判明していないけれど、この国にいる蟲人全員が気持ち良くなったみたいだよ」
「え? 気が遠のいちゃったって事?」
随分気を使って好意的に言ってくれたけど、気持ち良く眠りに入っちゃったんでしょう? 拙いよね。この国、全体かー・・・。
「ほぼ全員が感知出来たって」
「凄過ぎない?」
「皆、能力も高いから」
そうだよね。感知能力が優れているからであって、フェロモンが強い訳では無いよね?
「おおー。身体能力って事は五感とかも抜群って事?」
「そうなるね」
「そうなるかー。国の中心って何処なの? 私、国の端っこにいるべき?」
「うーん。ゆうが国に入った所から敏感な人は遠くにいても気が付いていたみたいだし・・・」
「流石だね。じゃあ、この国の何処にいても一緒という事ね」
ふむふむ。
「そうなると、効力だね」
「誰か蟲人さんに頼むの?」
私もエルもフェロモンのフの字も分からないからね。そればっかりは仕方が無い。そこに蟲人さんの協力を仰げるなら有り難いよね。
「それしかないだろうね。ゆうも私もフェロモンは感知出来ないし。絶対、喜んで協力してくれるから大丈夫だよ」
「そう?」
「うん。文字通り飛んで来てくれると思う。蜂だけに」
「蜂?」
「多分ね」




