18.働き者
「本当に? 失礼な事しちゃって無い?」
「ないない。大丈夫」
もう、軽いなー。でもエルはそういう所はしっかり言ってくれるから、気にしないでおこう。いずれ説明してくれるだろうし。
朝食から品数多め。盛りは少なめだから、色々食べられて嬉しい。
「朝食から豪華だね」
「蟲人は働き者だから」
「そう言ってたね」
食事を運んで来てくれるのが少ない蟲人以外の人を選んでくれている所からも、様々な事に気を配って貰っているのが分かる。それに蟲人さんが近付いて、うっかりフェロモンが効いてしまったら困るので、エルがお願いしてくれたっていう事もある。まだまだ分からない事も多いのです。
「本当に昼夜関係なく働くから、一緒に働いている蟲人以外が身体を壊す」
「ああ」
目に浮かぶ。
「真面目で優しいから、休んでって言ってくれるんだー」
「休みづらい」
「そこよ。この国にはズルする人がいないから、居た堪れなくなっちゃうんだよね」
「それは・・・」
親切が辛い。
「そこで、ゆうの出番!」
「強制的にお休みって事? 良いの?」
「平気、平気。それぐらいしないと休まないからさ。何していいか分からないんだって」
「休むのも下手なのかー」
勿体無い。
「上手く、力を抜けないんだよね。体力もあるし、身体も丈夫だから睡眠も私達から見たら、仮眠位短くて良いみたい」
「超人!」
エルが深く頷いた。実感が籠っている。
「うん。国民ほぼ皆そうだからね。好戦的じゃなくて、穏やかな働き者が多いから素晴らしいよね」
「素敵だね」
「そんな蟲人の人達を守りたいって思ったの」
エルが輝くような笑顔を浮かべる。そんな上手く身体や気を休めることが出来ない蟲人を、エルはとても心配していたから、一入だろう。
「そっか。私が役に立つなら良かったよ」
「フェロモン研究させてね」
「良し来た!」
私は力強く請け負った。




