16.消臭
「おはよー」
「おはよう」
昨日の晩御飯は美味しかったなー。ヨーグルトっぽい物が使われていてあっさりしているけど、潤いがあってどんどん食べれて危険だった。
「エル、消臭剤のような物は無いの?」
「難しいね。匂いも魅力や交流の一部分だから、後ろ暗い所が無い限り隠さないんだよね」
そういう文化もあるのか。悩ましいし難しいね。
「禁止されている事では無いんでしょう?」
「まあね。でも推奨はされないし、そうした道具は極端に少ないね。能力も大っぴらには使わないね」
そうなのか。んん?
「エル。ありがと」
「ふふん。私程の力の持ち主はそれくらい朝飯前よ」
「あ、朝ご飯来た!」
朝ご飯は将軍が持って来てくれたようです。エル、後ろー!
「賢者殿、詳しく聞かせて頂けるか?」
今日も格好良い将軍は、朝から切れ味抜群です。軽々と食事のトレーを二つ持って、音も無く置いてくれる。どうでも良い事だけど、蟲人さん達と食べるものは変わらないのかな? エルが以前からこちらで生活していた事を考えれば、幅広い人が食べられる食事の用意が可能なんだろうけど。そんなことをつらつらと考えていると、エルが追い詰められていた。二人の位置は一切動いていないが、言葉がそんな感じ。
「あ、将軍! ああー。えっと、まだ検証中で・・・。報告出来る事は今の所、彼女が私と一緒にいれば昨日のような事は防げると思われるという事だけです」
エル、キリッとして言っても、残念だよ。現状報告しか出来ていないし、やっぱり私のフェロモンが原因なの? それもまだはっきりしていないよね。困ったなー。エルは救世主だって言ったけど、責任とれって言われたらどうしよう。証拠は匂いだから出ないなんて、責任逃れだろうしな。
「思われる?」
「まだ推測です。結果は上々。ちょっと、効きすぎたかなー。調整が必要です」
「承知」




