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72.好きだからこそ…

翌日ブリアは、昨日泣いてしまった為に目が少し腫れていたがどうにか誤魔化しいつも通りの自分を保っていた。


しかし、昨日の今日でロンと顔を合わすのは気持ち的に無理そうだと判断したブリアは、ランチは食堂へは行かず一人で学園の屋上へと訪れていた。

邸からこっそり持ってきたりんごを屋上にあるベンチに座りかぶり付いた。


(はぁ……さすがに今ロン様には会えないわ…会ってしまったら決心も鈍ってしまいそうだしね…昨日は間違いなくロン様を傷つけたもんね…あんなにあたしに正面から向き合って気持ち伝えてくれてたのにね…それを仇で返したんだもんね…どの面下げてって感じよね…)


ブリアは、りんごを頬張りながら考えていた。

そして、珍しくボーッとしていたブリアに後ろから誰かが声をかけた。


「ブリア!」


自分の名前を呼ばれて、恐る恐る振り返るとそこにはキールが居た。


「なんだ…たか兄か…」


ブリアは少し残念そうな安心した様な表情で言った。

キールは屋上に自分達以外は居ないことを確認して、ブリアの座っているベンチまで来て腰掛けた。


「わっ…どうしたその顔…目パンパンじゃん…何かあったのか?何だか今日はロンの様子もおかしかったしな…かおも食堂に現れないしな…」


キールが心配そうに尋ねた。


「そっか…そりぁそうだよね。毎日当たり前にお昼になったら食堂に行くんだもんね…でも…今日はさすがに行く気になれなかったんだよね…」


ブリアは苦笑いしながら応えた。


「何があったんだよ…」


キールが尋ねた。


「実はね…」


ブリアが、キールに一昨日、昨日と起きた出来事をすべて話した。

そして、自分がロンに恋した事に気づいた事、その気づいた恋を自ら手放した事、ロンの命が危なくなるなら自分の気持ちは伏せて大人しく引き下がる事など一部始終隠さず話した。


「なるほどね…そんな事があったのか…しかし、あの手紙はただの脅しのイタズラじゃなかったって事か…ロンは何も言ってこなかった辺り、本当に誰かが手を滑らせてしまったくらいにしか思ってなさげだな…なぁ…手紙の事ロンに正直に話してみたらいいんじゃねぇか?じゃないとお互い想い合ってんのにすれ違う事になんだぞ?時が解決してくれるなんて言うけど本当にそう思えるのか?」


キールは、真剣な表情でブリアに言った。


「沢山考えて出した結論なんだよね…やっぱりさ、自分の好きな相手が自分の行動のせいで命落とすなんて嫌じゃん?初めて好きになった人だからこそロン様には危ない目にあってほしくないからね…大丈夫だよ…あたしは前世で赤毛の鬼って呼ばれてたくらいだよ?大丈夫、きっと時が解決してくれるから……当分、ロン様と顔合わすとお互いぎこちないかもしんないけど、それは慣れてくるよ。明日の休みにライナー様と乗馬をする約束もしてるし、少しは気が紛れると思うしね。だから、心配しないで…それと…ロン様には手紙の事は話さないでね。話すとあの人の事だし、あたしを守ろうとするでしょ?それじゃぁ、あたしが恋を手放した意味なくなるからさ。よろしくね。じゃあ…あたしは先に戻るね。」


ブリアは、から元気な様な表情でキールへ言った。

そして、ブリアは屋上を後にした。


そして、その頃ロンは…

昨日、ブリアに言われたことが相当効いたのか、表情が死んだようになっていた。

皇太子スマイルすらしていない状態だった。


屋上から食堂へ戻ったキールがロンに話しかけた。


「ロン…本当に大丈夫なのか?顔色もあまり良くないみたいだし少し休んだらどうだ?」


キールが心配そうに尋ねた。


「問題ない。大丈夫だ。ただの寝不足だから心配ない…」


ロンは無表情で応えた。


「そうか…」


キールは、ロンの表情を見てそれ以上何か言うのはやめておいた。


一緒に食堂へいた、ロナ、スコット、ローランド、クリス、アーサーもロンの様子がおなしことを心配そうな顔で見ていた。


結局、この日はブリアとロンが顔を合わせる事はないまま一日が終わったのだった。


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