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逆行令嬢と転生ヒロイン~緋色の令嬢  作者: 未羊
第三章 学園一年目

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第92話 旅行の成果

 無事にアイリスとニーズヘッグの契約が終わったのだが、ペシエラは気になっていることがあった。


「そういえば、厄災の暗龍からは魔石が取れましたけれど、どうしてニーズヘッグは存在してられますの?」


 そう、幻獣といいながら、魔物と同じように魔石を持っていたことが気になるのだ。


「それは、ボクから説明するよ」


 ここで口を挟んだのはレイニだった。

 レイニが推測するには、ニーズヘッグが瘴気に侵されたことが大きく関係しているらしい。その時点で、幻獣ニーズヘッグは一時的に消滅し、魔物である厄災の暗龍となってしまった。そのため、魔石が生成されたのだと感がられる。

 そして、元に戻れたのはペシエラの光魔法でとどめを刺されたことも大きかったのだという。


「つまり、わたくしの魔法で浄化されたことで、本来の幻獣の部分が目を覚まして、このように復活できたというわけですか」


「そういうことだね。その時よりも姿が縮んでいるのは、そのせいなんだよ。多くの魔力を失ったからね」


「なるほど、すべて納得がいきましたわ」


 疑問がすべて解決して、ペシエラはようやくすっきりした表情を見せている。

 だが、ニーズヘッグはなんともしまらない顔をしている。


「本来ならば、今すぐにでもついて行きたいところだが、今すぐ出ていっても驚かせるだけだろう。すまないが、残りの二人にはお前から話をしてもらえないだろうか」


「しょうがありませんわね。とりあえず貸しですからね。あとできちんと返してもらいますわよ」


「分かった」


 ニーズヘッグとの話を終わらせて、ペシエラとアイリスはみんなのところへと戻っていくことになる。

 レイニが送っていこうかと提案してきたものの、ペシエラは丁重に断っておいた。

 そんなわけで、エアリアルソーサーに乗って、ペシエラたちはロゼリアたちのところに戻ってくる。

 二人が戻ってきた時、暇を持て余していたのか、村へと水を引いている灌漑設備について話を聞いている真っ最中のようだった。

 ペシエラたち戻ってきたことに気がついたロゼリアは、説明をチェリシアに任せて、ペシエラたちに近付いてくる。


「よかった、無事だったのね。どんな話をしてきたのかしら」


「ええ、なんと言いますかね……。とりあえず、話し相手がロゼリアで助かりましたわ」


 声をかけたロゼリアは、ペシエラから返ってきた言葉を聞いて反応に困っている。一体どういうことなのか、話がまったく見えてこない。

 なので、とりあえずレイニに呼ばれた後のことをすべて説明してもらった。その内容を聞いたロゼリアは、二人の態度がおかしい理由がはっきり分かった。


「なるほど……。確かにそれは、私が最初に聞いて正解だったわね。まさか厄災の暗龍が幻獣だったとはね……」


「わたくしも言われて信じられませんでしたわ。でも、アイリスと契約をした現場を見てしまった以上、私は信じるしかありませんわ」


 ペシエラの視線が、アイリスの着けているネックレスに向く。同時にロゼリアの視線も向いたことで、アイリスはぎゅっとペンダントを握りしめている。

 そうかと思うと、ロゼリアはため息をついてしまうう。


「はあ、またお城に行く案件ができてしまったのというのは、困ったものだわね」


「わたくしもそう思いますわ」


「えっ?」


 ロゼリアとペシエラの態度を見て、アイリスは困惑してしまう。どうも城に行かなければならない理由というのがいまいちわからないようなのだ。


「アイリス、神獣使いとベル・フラウアードという人物、それと新たな幻獣の存在が確認されたのですよ? これを王家に報告しないわけにはいかないでしょう?」


「それに、このすべてがアイリス絡みなのよね。私やコーラル伯爵家の二人なら大した問題にはならないですけれど、侍女であるあなたも連れていかないといけないということは、少々問題があるのよ」


「さらにいえば、二種類の宝珠を今回使用したこと、それに、アイリスが神獣使いの血筋であることを踏まえれば、パープリア男爵は神獣使いについて何かしらの情報をつかんでいる可能性がありますのよ。大いなる懸念として、報告せざるを得ないのですわ」


「た、確かに……」


 ロゼリアとペシエラから代わる代わる話を聞かされて、アイリスはお城に行かなければならないという話にようやく納得がいったのである。

 ここでの話し合いを通じて、二人としては、アイリス絡みの情報はとにかく秘匿にすべきという結論に至った。

 なので、プラティナたちには適当な嘘でごまかすことにすることになった。


 こうして、令嬢だらけの長い旅は終わりを告げた。

 他家の領地ではあるものの、同行した三人はかなり満足していたようだ。特にドール商会のブラッサは、自分のところで商品を扱えないかマゼンダ商会と交渉する気満々である。

 当然ながら、一番の関心ごとは、チェリシアとペシエラの二人が使ったエアリアルソーサーだ。速い揺れない心地よいと、いいことだらけの乗り物なのだ。どうすれば使えるようになるのか、チェリシアとペシエラに聞きまくっていた。

 ちなみに、エアリアルソーサーはロゼリアも使える。だが、今回は披露していないので声をかけられなかったことで、ちょっとした疎外感を覚えていた。

 帰り道もそろって話に花を咲かせ、ロゼリアたちは無事に王都に戻ってこれたのだった。

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