表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逆行令嬢と転生ヒロイン~緋色の令嬢  作者: 未羊
第二章 ロゼリアとチェリシア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/57

第17話 女王陛下のお茶会へ

 アイヴォリー王国の王族は、ちょっと特殊だ。

 本来、一国には王が一人存在するものだが、アイヴォリー王国には二人の王が存在する。その理由は、この国の歴史に原因があった。

 アイヴォリー王国も昔は普通に国王もしくは女王という王族の一人が国の頂点に立つ制度だったのだが、なぜか王位に立った者が早死にをするという不可解な状態が続いていた。

 困った重鎮たちが話し合いをした結果、王族とその配偶者の両方に王位につかせるという方法を採ることにしたのだ。その結果、どちらかが早死にするという奇妙な現象がぴたりとやむことになり、以降、その制度が維持されることとなったのだ。

 なので、現在のアイヴォリー王国には、国王と女王が同時に存在するというわけである。


 シアンから伝えられた内容に、ロゼリアは顔を青ざめさせている。

 国王と会ってから間もないというのに、もう女王からも誘いを受けたからだ。

 ただ、逆行前のロゼリアは、ほぼ同じ時期に女王からの誘いは受けていた。今回、その時と違う点がある。シルヴァノ王子が参加するという点である。

 逆行前は女王とのお茶会の中でようやく婚約者候補としての名前が挙がった程度。しかし、今回は既に国王の宣言によって非公開ながらも婚約者候補となっている。とても断われる状況になかった。


(前回は、私のわがままに加えて、お父様もお母様も乗り気でしたものね。慎重だったのお兄様だけだったわ。それに侯爵家の令嬢という立ち位置もあり、それは喜んで受けていたわね)


 逆行前のことを思い出し、いろいろと考えを巡らせるロゼリア。

 目の前には返事を待つシアンがいることもあって、ロゼリアは腹をくくる。


「シアン、すぐに女王陛下にお返事を。参加いたします」


「かしこまりました。それではすぐにお返事をお出しいたします」


 返事を聞いたシアンは、部屋を出ていく。

 扉が閉まると、ロゼリアは大きなため息をついて、窓の外へと視線を向ける。


「絶対に、お茶会の場で婚約者候補として発表されるに決まっているわ。殿下がご参加されるとなればなおさら。はぁ、すぐに王国中に広まるわね」


 机の前に置かれた椅子に座ると、ロゼリアはこの先のことが不安でたまらず、そのまま机の上に突っ伏してしまう。

 参加の返事を出してしまった以上、もう後戻りはできない。

 顔を上げたロゼリアは、そのまま窓から差し込む夕日へと視線を向けたのだった。


 数日が経過し、いよいよ女王陛下主催のお茶会の日がやってきた。

 やって来てみたロゼリアが驚かされたのは、自分以外にも参加者がたくさんいるということだった。

 お茶会の場所として選ばれたのは、普段はなかなか出入りできないお城の奥にある部屋。子どもたちもいるということで、安全のために室内を選んだのだろう。

 時間はお昼を少し回った時間ということで、窓からは外の光が明るく差し込んでいる。

 部屋に集まっているのは、数組の貴族の親子。子どもの面々を確認してみると、ロゼリアと兄カーマイル、チェリシアとペシエラ、それと宰相の息子と王国騎士団副団長の双子の兄妹と思ったより多くはなかった。

 子どもたちならそれだけなのだが、お茶会と称した割には、参加している大人の中にはちょっとばかり似つかわしくない人たちもいる感じだった。


(あー、間違いなく婚約者候補として発表する気だわ。胃が痛いわ、帰りたい……)


 あまりの場の雰囲気に、ロゼリアはダウン寸前になっていた。


 一方のチェリシアの方は、場に集まった子どもたちを見て目をキラキラとさせていた。


(うわぁ……。この場所に、攻略対象が三人もいらっしゃる。子どもなのに顔が整ってらして、なんて美しいのかしら。ああ、眼福眼福……)


 自分が入り込んだ乙女ゲームのことを思い出して、それはとても興奮しているようである。ロゼリアとは対照的に、その心は激しく舞い上がっていた。

 子爵令嬢ということもあって他の参加者とはちょっと離れた位置にはいるものの、今のチェリシアにはそんなことは関係なかった。モニタ越しに見ていたアイドルと直に会えることと似たような状況なので、このくらい興奮するのも無理もないのだろう。

 ミーハーな感じに興奮するチェリシアの横で、妹のペシエラは冷めた感じでその姿を眺めている。その視線は、呆れるというよりは冷笑するような見下した感じの視線だった。しかし、ペシエラからそんな視線を向けられているというのに、当のチェリシアは興奮のし過ぎでまったく気が付いていなかった。


(ああ、そろそろシルヴァノ殿下もいらっしゃるから、攻略対象が四人になるのよね。ああ、選り取り見取りで困っちゃうなぁ)


 まだゲームの始まる前の時間軸ということで、誰の好感度も上がっていない状態だ。そんな状況ゆえに、チェリシアはものすごく興奮しているというわけである。とてもロゼリアのことを悪役令嬢と怖がった女性とは思えなかった。

 チェリシアが浮かれている中、一瞬で場の空気が変化する。あまりにも急激に変わったせいで、チェリシアすらも動きを止めてしまうほどだった。


「うむ。皆の者、よくぞ本日は集まってくれた」


 部屋の出入り口に一斉に視線が集まる。

 そこにいたのは、このアイヴォリー王国の女王であるブランシェード・アイヴォリーだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ