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逆行令嬢と転生ヒロイン~緋色の令嬢  作者: 未羊
第二章 ロゼリアとチェリシア

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第15話 視察の終わり

 いよいよ明日には、王都に戻るために出発となる。

 魔法使いたちが作り出した塩は、定期的にお城で買い取ることになり、これで少しはコーラル領の財政は回復しそうである。

 これだけでは不安があるので、王都へと戻る前に、魚を使った保存食の作り方をチェリシアは街の人に教えてた。


「こうやって、身を開いて、内臓を取り出して……」


 器用に包丁を使い、チェリシアは魚を三枚に下ろしていく。

 それを塩水で洗い、さらに塩を振って、板の上に並べていっている。

 外へ出て風通しのいい場所に設置すれば、天日干しの準備が完了である。


「よし、これでよし」


「チェリシア、これは一体?」


「魚の天日干しですよ、ロゼリア様」


 開き身にした魚を外に干し、汗をぬぐうチェリシアにロゼリアは質問をしている。チェリシアからは即答が返ってきた。


「天日干し?」


「そうですよ。塩と太陽と風の力で魚の水分を飛ばし、腐りにくくするんです。こうすれば、すぐ腐ってしまう魚もある程度保存が利くようになって、シェリアの食卓も少しはにぎわうと思うんですよね」


「そ、そうなのね」


 笑顔で話すチェリシアに、ロゼリアは反応に困っているようだった。


「これを焼いてほぐすといいんですよ。そのまま食べてもいいですし、煮物の中に入れてみるのもいいですね。ああ、すぐに食べられないのが残念ですけれどね」


 両頬に手を当てながら、体をくねらせながらチェリシアはいろいろと思い浮かべているようである。

 その姿を見ながら、ロゼリアはなんともいえない表情でその場に立ち尽くしていた。


 そうして、翌日を迎える。

 魚の活用方法と、海水から塩を作るという新たな発見によって、シェリアの街の中は少し賑わいを見せているようである。

 街の人たちの明るい表情を見て、チェリシアはかなり満足そうである。


「これで、コーラル子爵領は少しは安心かしらね」


「そうだといいですね。私としてはまだまだやりたいことがありますし、それに、コーラル子爵領はここだけじゃないですからね」


 安心した表情を見せて話しかけるロゼリアに対して、チェリシアは表情を曇らせていた。

 そう、コーラル子爵領にはまだ他にも土地がある。内陸は不毛な土地となっているために、そちらも改善をしなければならない。そのことがあるので、チェリシアは表情を曇らせてしまったのだ。

 シェリアの改善が行えたことで明るい材料ができたのはいいが、まだまだ問題が多いというわけである。


「そろそろ出発の時間だわ。馬車に乗り込みましょう、チェリシア」


「そうですね、ロゼリア」


 シルヴァノ王子たちが帰るために馬車に乗り込んでいる姿を見て、二人も買えるために馬車に乗り込もうとする。

 ところが、ここにきて思わぬ人物がやってきた。


「わたくしも、王都に参りますわ」


「ぺ、ペシエラ?」


 チェリシアの妹であるペシエラがやって来たのだ。


「ペシエラ、もう大丈夫なのか?」


「ええ、お父様。ご心配をおかけしましたわ」


 父親であるプラウスが問いかけると、しっかりとした表情でペシエラは答えている。

 そうかと思うと、ロゼリアとチェリシアの方へと視線を向けてきた。


「なにやらお姉さまが楽しそうにしていらっしゃいますので、わたくしもご一緒したいのですわ。閉じこもってばかりで退屈ですもの。よろしいかしら、お父様」


「う、うむ……。まあ、姉妹別々に暮らし続けるよりはいいかな。構わんかな、チェリシア」


「はい、お父様」


 ペシエラの強引な物言いに押され、父親もチェリシアも、ペシエラの同行を了承するしかなかった。

 動向を許可されたペシエラはにこりと微笑んでいる。


「さぁ、さっさと出発しますわよ」


 楽しそうに笑顔を浮かべているペシエラだったが、馬車に乗り込む瞬間、ロゼリアへと視線を向けてきた。

 その視線を向けられた瞬間、ロゼリアは思わず寒気を感じてしまった。


(な、なに、今の……)


「どうしたの、ロゼリア」


「な、なんでもないわ。さぁ、戻りましょう」


 きょとんとするチェリシアに対して、ロゼリアは慌ててごまかしている。

 どうしたんだろうと思いつつも、チェリシアも馬車へと乗り込んでいく。


 シェリアの街を出発して、馬車は王都へと向けて進んでいく。

 その間、ロゼリアはずっとペシエラについて考えていた。


(やっぱり、あの子は覚えがないわ。シアンからの報告では、特に問題がないようなんだけど、私に時々向けてくるあの視線……、何か見覚えがあるのよね)


 逆行前のチェリシアには、妹は確かにいなかった。それは裏取りもしたので間違いはなかった。

 だとするなら、あのペシエラという少女は何者なのか。


(はぁ……。いろいろと気になるところはあるけれど、可愛いからチェリシアと一緒にお相手をしてあげませんとね)


 考えてみても分からないので、ロゼリアはとりあえず考えることを放棄したようである。

 それよりも問題は、王都に戻ってからだ。

 今回は国王が同行しなかったので、報告をしなければならない。ロゼリアはそちらに集中することにしたのだった。

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