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おっさん不思議体験記 黒猫守護霊になる  作者: 元乃 狡六


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おっさん不思議体験記07話 人外パートその1『地獄、報告、おやすみにゃ』


挿絵(By みてみん)

おっさん不思議体験記07話 人外パートその1 




「トキよ、早く行こう青鬼も待ってるぞ」

鬼さんが再度呼び掛けてくる…


「はいはい、やっと黒猫ちゃんが目覚めたのに…せわしないわね

じゃ行きましょうか?詳しいことは閻魔庁に行く途中にでも話すわ

ミィも一緒ね

そうだ白たぬきちゃんはどうする?

地獄を見たいなら一緒に行ってもいいわよ」


「トキ様~わたしはいきません~霊界の管理がわたしの仕事ですから~

わたしはここでお帰りをお待ちしています~」


「あらそうなの?いつ帰るかわからないわよ

先に祠まで帰っていてもいいわよ

でもかなり距離あるわよね…」


トキさん少し考えてるにゃ


「そうだ鬼さん、白たぬきちゃんと荷物持って帰ってくれないかしら?

少し長く土地をあけちゃうかもしれないし鬼さんも早く帰りたがってたからちょうどいいわよね?」


「…えっわし地獄に行けないのか…ここまで来て…閻魔大王ともお話しできて…トキ!なぜ!」


「鬼さんあなた忘れてるの?そもそも地獄を追い出されたんじゃないの?閻魔大王の許しは出たの?」


「…………出て、いない…だがさっき閻魔大王に…『おまえたちが連れてこいと』……」


「そうね、正確には『おまえたちで捕獲して連れてこい』と言っていたわ

赤鬼も一緒にとは言っていないのよ

そもそも閻魔大王と話してるときに鬼さんは割り込んで話しただけなのよ…」


「あ~~なんてことだ、わしはまだ許されていないのか…」


鬼さんは頭を抱えうずくまってしまったにゃ


「あ、そうだもう一度通信機で閻魔大王と話を…」


「今は無理ね

通信機用の霊力結晶もさっき黒猫ちゃんに渡してミィと悪霊を引きはがしたときに使い切ったわ

私の霊力でできないこともないけど地獄は何が起きるかわからない、霊力は温存しておいたほうが良いわ」


「わしの霊力を使って通信を…」


「さっきも言ったように鬼さんに通信機は貸せないの、私が閻魔大王に怒られちゃうでしょ

今回はあきらめなさい」


鬼さんはあきらかに肩をすぼめトボトボと帰り支度を始めてる…


「あ~もう、鬼さん閻魔大王に今回鬼さんが黒猫ちゃんの助けになったことも伝えるわ

もしかしたら地獄に戻ってもいいようになるかもしれない

期待せずに待っていなさい

白たぬきちゃんと荷物のことお願いね」


 トキさんの精一杯の励ましだと思うにゃ


「あ~わかった

白たぬきと荷物のことはまかしてくれ…祠前に置いておく…

期待はせんがたのむ…」


 そういうと白たぬきちゃんを肩に乗せ荷物を両手で抱えすごい速さで走っていったのにゃ



 そうこうしていると青鬼がしびれを切らしたのか地獄門のわきの小さい門(小さい門があったのにゃ見逃してたにゃ)

から出てきて


「十姫武蔵大奈良原地母神トキムサシオオナラノハラノチボシン様お迎えに上がっておりますがまだ時間がかかりそうでしょうか?」


と背筋を伸ばし右手を胸に当て声をかけてきたにゃ


「あ、青鬼さんいつも通りの感じで話していいわ

そのほうが気楽でいい…それと神名はやめて、むずがゆくなるから!」


「わかりましたトキさん、いつものように話させていただきます」


と少し砕けた感じになったにゃ


「そういえば赤鬼はどこへいったんです?「今回一緒にくると思うから」と閻魔大王に言われ大きめの車できたんですが?

所用でもしに行きましたか?」


僕とトキさんは顔を見合わせてしまったにゃ


「青鬼さんなんでもっと早く言わないのよ

鬼さんは現世に戻したわよ

地獄を追い出されてるしちょうど荷物もあったし…

まぁ仕方ないわね切り替えていきましょう」


鬼さん…間が悪いにゃ…



 僕たちは青鬼さんの運転で地獄を霊動車で走っていたにゃ


「あ~そういうことか、確かに赤鬼のやつ追い出されたってかたちになってますね

実はそういう形にして現世で休養させるのが目的だったんです

確かに仕事で失敗したんですが大したミスじゃなかったんですよ」


運転しながら青鬼さんが話してくれたにゃ




 僕たちは門をくぐってみると確かに大きめの車?が用意されていたのにゃ

トキさん曰く前に来た時は現世のセダンタイプの高級車で

今回はワゴンタイプの高級車、鬼さんが乗っても大丈夫そうだと言っていたにゃ


 トキさんが運転してみたいと言い出したときはびっくりしたけど

運転席に座ってみるとアクセル?に足が届かないので走らせることができないことが分かったのにゃ

トキさんはがっくりしていたけど僕は車を見て

『トキさん僕これ乗って良いのにゃ』とか大はしゃぎしちゃったにゃ




「しかし閻魔大王はその事鬼さんには伝えていないの?

鬼さんまだミスしたこと気にしているのよ」


「俺にはわかりませんけど閻魔大王は赤鬼のこと気には掛けていますよ

ちょこちょこ私に様子を聞くぐらいですから

まぁ俺も現世にそんなに行けるわけでもないので大したこと知りませんけど

この間の宝玉だって黒猫さんを見るためだとか言ってますが赤鬼のことを気に掛けてだと思いますよ」


「閻魔大王も口が足りないわね、にぶちんの鬼さんじゃわからないわね…」


「ところでトキさん眠くはないですか?黒猫さんもミィさんも眠くないですか

このタイプも揺れは保証しますよ」


「そうね、もう少しだけ寝るのは待ってね

黒猫ちゃんにミィと悪霊を引きはがしたときの話したいし青鬼さんにも事情を知ってもらえた方がよさそうだしね」


「わかりました、じゃもう少しの間はゆっくり走行しますね」




「じゃ、黒猫ちゃん悪霊をはがした後のこと話すわね

ミィもちゃんと聞いてね」


「はいにゃ」

「わかりましたトキ様」


「黒猫ちゃんがミィから悪霊をはがすと悪霊は本性を現して暴れだしたのよ

ミィは悪霊がはがれたショックで気を失っちゃうし

黒猫ちゃんは霊力が枯渇して倒れちゃうし…

仕方ないから私と鬼さんで悪霊を退治したわ」


「退治ってどうしたのにゃ?」


「ふふっ、悪霊なんて私の手にかかればあっという間に退治できるわ

ただね…今回は捕縛じゃなく消滅させたの…

私は力加減ができないのよね

封印の壺ももってきていなかったし…」


「もしかしてミィちゃんとトキさんが戦っていたら…」


「間違いなく消滅させていたわね…」


トキさんがすごいまじめそうに言うにゃ


「だから黒猫ちゃんが悪霊をはがしてくれて助かったわ♡」


僕とミィちゃんは目を合わせてうなずき


「僕がんばってよかったのにゃ」

「あたし黒猫に命救われたのね」


トキさん実はすごいヤバい神様なのではないかにゃ…


「トキさん悪霊を消滅させちまったんですね、できれば捕縛してくれると霊力結晶にできるんで助かるんですが…」


……青鬼さんも少し感覚の違う人にゃ…地獄ってやっぱり怖い所なのかもしれないにゃ……


「それとミィが連れていた浮遊霊の動物霊たちはその場で解散してもらったわよ

黒猫ちゃんが言ってたハム君は確認できなかったけど…」


「ハム君成仏したのかにゃ?」


「わからないわ

その場にはいなったわ…」


「そうですか……ハム君……ありがと…」


ミィちゃんすごく寂しそうにゃ


そんなこんなで話も終わりかけるとトキさんが


「黒猫ちゃんとミィ少し私のそばに来て話を聞いて…」


と小声で話しかけてきたにゃ


「はいにゃどうしたにゃ?」

「トキ様どういたしました?」


トキさんは青鬼に聞こえないように僕たちに話すにゃ


「あの青鬼さんはね、今は普通に運転してるけど急変するときがあるの…

寝ていれば気が付かないけど…

だから私は閻魔庁に着くまで眠ることにするけど黒猫ちゃんたちはどうする?

私は寝ることをお勧めするわよ…」


というとトキさんは少し青い顔をしているのにゃ

何か隠しているみたいにゃ


「僕はもう少し景色とか見ていたいにゃ」


僕は大きな声で返事したら青鬼さんがこう言ってきたにゃ


「それなら助手席に来ますかい?良く見えるし面白いですよ」


「じゃ僕助手席に行くにゃ青鬼さんよろしくにゃ」


「黒猫ちゃん、本当に良いの?後悔先に立たずなのよ…」


「大丈夫にゃ後悔なんてしないにゃ」


「あたしはトキ様と一緒に寝ます、なんか久しぶりに心がすっきりしていますの

よく眠れそう」


「わかったにゃ

トキさん、ミィちゃんおやすみにゃ」


「黒猫ちゃん本当に眠らないでいいのね…頑張ってGOOD LUCK!」


トキさんはそういうと目をつむり眠るのにゃ




 数分後一柱の神と一匹の化け猫の寝息が聞こえるようになると青鬼さんが


「黒猫さん一応シートベルトをしてください、バリバリ飛ばしていきますんで!」


「わかったにゃ」


パチンとシートベルトを締めた音と同時に


「飛ばすぜ!ヒャッハー、むぅワゴンタイプは加速がどんくさいな…」


とか言いながら今までの速度と違う速さで走り出したにゃ


「あにゃにゃにゃにゃぁ速いにゃすごいくるくる景色が変わるにゃぁおもしろいにゃぁ」


「おぉ黒猫さんはこちら側のねこでしたか楽しいでしょうもっと飛ばしますぜ!」


僕はすごい速く走るこの車に興味津々で騒ぎまくってたにゃ


あっという間に中央について閻魔庁の前まできちゃったにゃ


「お疲れ様、閻魔庁に着きましたぜ

シートベルトを外して良いぜ」


「もう終わりなのにゃ?もう少し乗っていたかったにゃ」


「じゃ黒猫さんお二方を起こしてください、駐車スペースに車を置いてこないといけないんで…」


「わかったにゃ

トキさん、ミィちゃん起きてにゃ

もう着いたにゃ」


二人?を起こして車から降りてもらうと青鬼は「じゃ停めてくる」と言い残し車をギャギャっと運転していってしまったにゃ


「今回もお出迎えなしなのね…まぁすぐに青鬼が来るでしょ

少し待ちましょう」


そういうトキさんの視線が妙に僕に刺さるのにゃ


「何かにゃトキさん僕何か変?」


「変というより…黒猫ちゃん大丈夫?気持ち悪くない?」


「何のことにゃ?僕は元気にゃ」


「あら、そう

ならいいわ、何でもないの…」


なんかトキさん遠い目をして空をみているにゃどうしたのかにゃ?



 少し待っていると青鬼さんがきて閻魔庁に案内してくれたにゃ

お客さん用の待合室に通され青鬼さんが手際よくお茶とお菓子を出してくれたけど…

僕は熱そうだったから飲まなかったにゃ

ミィちゃんはなめていたけどやっぱり熱かったみたい…舌を前足で触っているにゃ

部屋の中はきれいなものがいっぱいあったけどさわると怒られそうだったから何もしないで座っていたにゃ


「黒猫ちゃん、もうすぐ閻魔大王に合えるわね

その首飾り実は閻魔大王がくれたのよ

黒猫ちゃんに似合うだろうからってね

『首飾りありがとう』とだけ言ってあげてね

それ以上は話さなくてもいいからね…」


「お礼は必ず言うにゃ

でもそれ以上は話さなくてもいいのにゃ?」


「いいわよぉ

面白そうだし…ねっ♡」


「トキ様あたしはどうなるんでしょう?化け猫がこの場にいても良いのでしょうか?」


「そうねぇ、妖怪の類は束ねているものが別にいるけど気にすることもないわ

ミィの場合変化したてだし閻魔大王も妖怪とも仲のいい人はいるもの

ミィは聞かれたことを素直に言えば良いだけよ」




しばらく待つと青鬼さんが


「トキ様、黒猫様、ミィ様、閻魔大王がお会いになります

敬語は不要とのことですが節度をわきまえた会話を心がけてください

特にトキ様よろしくお願いいたします」


トキさんは素知らぬ顔をしているけど青鬼さんはトキさんをキッと見ているにゃ


青鬼さん軽く会釈をし閻魔大王のいる部屋へ案内してくれたにゃ




 閻魔大王ってどんな人なんだろう…僕は会うの楽しみで少しドキドキしてるのにゃ

首飾りのお礼もしないといけないにゃ





 おっさん不思議体験記07話 人外パートその1 終 その2へつづく…





人外パート地獄編になります 番外編のトキさん地獄へ を読んでいるともっと楽しめると思います

感想書いてくれるとモチベも上がるのでよろしくお願いします

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