表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代イージス艦、異世界を往く!  作者: ねこあし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
96/141

第九十五話 未来を賭けた砲火

◆臨界の光

 深海を震わせ、暗黒を切り裂くほどの光が《アーク・ノワール》の艦首に収束していた。

 魔導炉と主砲が直結し、海中に膨大な魔力が渦を巻く。

 「……撃ってきます、艦長」

 ユイの声は冷静だったが、瞳の奥には揺るぎない決意が宿っていた。


 遼は艦橋全員に告げる。

 「いいか、これは最後の試練だ。全員、ここで怯むな!」


 レイリアが息を呑む。

 「もし直撃したら……!」

 「直撃はさせない。俺たち〈みらい〉は、未来を守る艦だ!」


◆咆哮

 次の瞬間、黒き旗艦が海を割り裂く咆哮を放った。

 紅蓮の奔流が一直線に走り、〈みらい〉を飲み込もうと迫る。


 「全力回避――ユイ!」

 「了解!」


 〈みらい〉は信じられないほどの旋回で急速回避を行い、光刃の直撃をかわした。

 だが衝撃波だけで艦体が軋み、艦内の照明が一瞬揺れる。


 「装甲表面に亀裂! ですがまだ……耐えられます!」

 ユイが報告する。


◆勝機を探せ

 遼は瞬時に状況を分析した。

 「奴の砲撃は確かに絶大だが――あの規模を撃てば必ず“隙”が生まれるはずだ」


 ユイも即座に同調する。

 「はい、砲撃後は魔導炉が過負荷状態に移行。出力を安定させるために補助導管を再稼働させます」


 「そこを突く……!」

 遼は強く頷いた。

 「ユイ、敵艦が撃った直後に接近。全砲門、雷撃、同時斉射だ!」


 レイリアが不安げに言う。

 「でも、それって……一歩間違えば本当に飲み込まれるわ!」

 遼は静かに答えた。

 「だからこそ、俺たちにしかできない戦いだ」


◆決断の一撃

 再び、黒き旗艦が光を放つ。

 深海全体が震え、海流が逆巻き、無数の気泡が艦を包む。


 「来る……!」

 ユイが操縦桿を握り締め、遼が叫ぶ。

 「全員、衝撃に備えろ!」


 轟音が走り、再び光刃が海を切り裂いた。

 〈みらい〉はその隙間を縫うように加速し、敵艦の懐へと突入する。


 「今だ――撃てぇぇぇ!」

 遼の号令と共に、〈みらい〉の全砲門が一斉に火を噴いた。


◆轟沈の兆し

 雷撃が敵艦の補助導管を直撃。

 爆発が連鎖し、《アーク・ノワール》の艦体を揺るがせた。

 黒き装甲に亀裂が走り、赤黒い光が漏れ出す。


 ユイが叫ぶ。

 「成功! 敵艦の魔導炉が制御不能に陥っています!」


 レイリアが目を見開く。

 「やった……本当にやったのね!」


◆旗艦の断末魔

 スクリーンに映るヴェルナーの顔は怒りと驚愕に歪んでいた。

 『ば、馬鹿な……この我が旗艦が……!』


 次の瞬間、魔導炉の暴走が臨界に達し、旗艦アーク・ノワールは深海を震わせる爆発を起こした。

 光が収束し、暗黒の海に無数の残骸が散っていく。


◆未来を信じて

 静寂の中、〈みらい〉は無傷ではなかったが、確かに生き残った。

 艦内に歓声が響く。子供たちが泣きながら互いに抱き合い、レイリアが涙ぐみながらユイを見つめる。


 「……本当に、未来を掴んだのね」


 遼は深く息を吐き、艦橋に告げた。

 「いや……まだ終わってはいない。だが、道は確かに開いた」


 ユイの瞳が柔らかく輝いた。

 「ええ、艦長。私たちは――未来を守る艦ですから」


 〈みらい〉は深海を静かに進み、次なる戦いへと歩みを続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ