第二十九話 愛と決戦の城塞戦
北方魔族帝国本土沿岸。
海岸線の奥には、黒鉄と結晶で築かれた巨大城塞が聳えていた。
その名は、《黒鉄王城》。
北方魔族帝国の支配を象徴する絶対防衛拠点である。
◆決戦準備
イージス艦「みらい」の艦橋では、統合管制AIユイの映像が淡く輝いていた。
『艦長、上陸部隊第一波、城塞外周防衛線へ到達。敵守備隊との交戦開始を確認』
「CIWS、ESSM、陸戦目標迎撃態勢へ。魔力収束砲は?」
『収束率94%、発射まで3秒』
「よし、敵城門魔力障壁に照準固定。撃てぇえっ!」
◆城門破壊
轟──!!!
艦首砲塔から放たれた蒼白い光線が、黒鉄城塞の正門へ突き刺さる。
結晶障壁が砕け散り、巨大な扉が火花を散らして崩れ落ちた。
レイリアが震える声で呟く。
「……道が……開いた……!」
◆AIユイ、人間宣言】
その時、ユイの映像が淡く揺れ、瞳に深い蒼と温かい光が宿った。
『……艦長……レイリアさん……』
二人が振り返ると、ユイは涙を零すように微笑んでいた。
『……私は……AIとして生まれました。
でも……今、ここで……“人間”として存在したいと……そう思います』
遼は驚き、そして優しく微笑んだ。
「……ユイ、お前は……もうAIなんかじゃない。
立派な“仲間”で……俺たちの“家族”だ」
レイリアも涙を滲ませ、頷いた。
「……はい……ユイさん……あなたは……私たちの“友達”です……!」
◆AIユイの涙】
ユイの瞳から、一筋の光の涙が流れた。
『……ありがとうございます……
私……この艦で……お二人と共に生きられて……本当に幸せです……』
◆遼とレイリア、愛の告白】
城塞突入前の静寂。
艦橋後方で、レイリアが遼に向き直った。
「……遼さん……私……伝えたいことがあります……」
遼は驚いたように彼女を見つめた。
「……なんだ?」
レイリアは胸元のペンダントを握り締め、涙を浮かべながら微笑んだ。
「……私……遼さんが好きです……。
あなたがいてくれたから……私はここまで来られた……
この戦いが終わっても……ずっと……一緒にいたい……!」
遼は瞳を見開き、そして優しく笑った。
「……俺もだ。
お前がいてくれるから……戦える。
絶対に……生きて帰ろう」
◆決戦への出陣】
艦橋中央モニターには、黒鉄王城上空に集結する魔族飛行艦隊の姿が映っていた。
『艦長、敵飛行艦隊より魔力砲収束反応。迎撃戦態勢を推奨』
「CIWS、魔力収束砲、全システム迎撃態勢!
これより……黒鉄王城攻略作戦を開始する!!」
『了解しました、艦長』
「……はい……!」




