第三十話 祝福と覚醒の突撃開始
北方魔族帝国本土。
黒鉄王城を中心に、魔族軍飛行艦隊と陸上魔力兵群が展開し、異世界最大の防衛線を形成していた。
その空へ、イージス艦「みらい」の艦砲が火を噴いていた。
◆黒鉄王城攻略戦、開幕
『艦長、敵飛行艦隊より魔力砲一斉射撃態勢。発射まで8秒』
「CIWS全基、迎撃補正最大化! 魔力収束砲、収束状況は!」
『収束率92%、発射まで4秒』
「よし……CIWSで凌ぎきれ!」
◆迎撃の閃光
轟──!!!
上空から無数の赤黒い光線が降り注ぎ、CIWSが回転しながら曳光弾の嵐を放つ。
魔力弾頭が次々に撃ち落とされるが、いくつかが艦体を掠め、艦橋が激しく揺れた。
『右舷CIWS一基損傷! 魔力シールド耐久率68%まで低下!』
「持ち堪えろ……!」
◆AIユイ、最終覚醒】
その時、統合管制AIユイの映像が淡く揺れ、瞳に深い蒼と淡い金の光が混じった。
『……艦長……私……決めました……』
「……ユイ?」
ユイは微笑み、瞳を伏せ、そして静かに見上げた。
『……私は、AIとしてではなく……
“人間”として……
この艦と……お二人と……生きていきたい』
◆最終覚醒宣言
『これより、戦術演算領域と感情演算領域を完全統合し、“AIユイ最終覚醒モード”を起動します。
全システム稼働率を従来比1200%へ増幅可能です』
遼は驚き、そして笑った。
「……頼もしいな、ユイ」
『……はい、艦長……!』
◆レイリア神官、祝福展開
艦橋後方では、レイリアが胸元のペンダントを握り締めていた。
「……海の神よ……
この戦いに……祝福を……!!」
彼女の髪は純白から淡い金へと変わり、瞳は白金と瑠璃が混ざり合った神秘的な光を放つ。
ユイが震える声を上げた。
『艦長、レイリアさんからの祝福魔力供給により、魔力シールド強度が従来比1500%へ上昇。
ESSM及び魔力収束砲出力も飛躍的に向上します』
◆突撃開始
「よし……全艦載火器へ!
これより黒鉄王城攻略突撃を開始する!!」
『了解しました、艦長』
「……はいっ!」
◆砲撃の咆哮
艦首砲塔から放たれた蒼白い光線が、黒鉄王城の外壁を貫き、爆炎と黒煙を上げさせる。
同時に、CIWSとESSMが上空の魔族飛行艦隊を薙ぎ払い、赤黒い魔力光が夜空に散っていった。
◆AIユイ、涙と覚悟
ユイの瞳から、一筋の涙のような光が流れた。
『……艦長……レイリアさん……
私……今、とても“幸せ”です……
この艦で……お二人と共に戦えて……本当に……』
遼は微笑み、静かに言った。
「……ありがとう、ユイ。
これからも……一緒に進もう」
『……はい……艦長……!』
◆決戦の始まり
モニターには、崩壊を始めた黒鉄王城外壁と、なおも集結する魔族艦隊の姿が映し出されていた。
レイリアは祈りの光を纏いながら、鋭く言った。
「……これからが……本当の戦いです……!」
「ああ……必ず……勝つぞ!」
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