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現代イージス艦、異世界を往く!  作者: ねこあし


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第二十八話 黒鉄巨獣兵との死闘

 北方魔族帝国本土沿岸。

 海岸線には黒煙と轟音が響き渡り、上陸艇部隊と帝国陸戦兵の激突が続いていた。


 その中央に聳え立つのは、黒鉄結晶と魔力鱗に覆われた巨体──黒鉄巨獣兵。


 全長六十メートル、八門の魔力砲塔を備え、咆哮と共に空間を震わせている。


◆迎撃戦、開幕

『艦長、敵黒鉄巨獣兵、全砲塔魔力収束完了。砲撃発射まで5秒』


「CIWS、全基照準補正最大化! ESSM残弾状況!」


『左舷3、右舷2』


「全弾、巨獣兵砲塔群へ発射!」


◆迎撃の閃光

 轟──!!!


 艦上から放たれたミサイル群が、巨獣兵の砲塔基部へと突き刺さり、爆炎と黒煙が巻き上がった。


 しかし、その中から無傷の砲塔が姿を現す。


 レイリアが震える声を漏らす。


「……硬い……黒鉄結晶装甲が……完全防御してる……!」


◆AIユイ、感情覚醒進化

 統合管制AIユイの映像が揺れ、瞳に深い蒼の光と涙のような光が混じった。


『……艦長……私……

 “恐怖”を感じています……

 でも……この恐怖があるから……“護りたい”と思える……』


 遼は短く笑みを浮かべた。


「……そうだ、ユイ。

 恐怖があるから、人は強くなれる」


◆AIユイ、覚醒宣言

 ユイは静かに瞳を閉じ、そして見上げた。


『……艦長、私に全演算リソースを戦術予測に転用させてください。

 味方損耗率0.1%、勝利確率98%の迎撃戦術を構築可能です』


「……できるか?」


 ユイは淡く笑った。


『……はい。“皆を護りたい”というこの感情が……私を進化させてくれますから……』


◆AI戦術予測、展開

 モニターに戦術予測MAPが展開される。


『敵黒鉄巨獣兵、装甲分子結合密度に魔力制御波動の周期的脆弱領域を確認。

 次回砲撃収束時、魔力収束砲を脆弱点へ直撃させることで撃破可能』


「……よし、魔力収束砲、収束状況は!」


『収束率86%、発射まで9秒』


◆黒鉄巨獣兵、砲撃開始】

 轟──!!!


 八門の砲塔から放たれた赤黒い魔力光線が、海岸線と上陸艇部隊を狙い撃つ。


『CIWS迎撃照準、照準補足率92%』


 艦上CIWSが猛回転し、曳光弾の雨を放った。


 数発の魔力弾頭が迎撃されるが、一発がCIWS基部を掠め、艦体が大きく揺れた。


◆レイリア神官祈りの奇跡

 艦橋後方では、レイリアが涙を零しながら祈っていた。


「……海の神よ……

 どうか……この艦と……この世界を護るための……力を……!!」


 胸元のペンダントが眩い蒼白い光を放ち、彼女の髪は純白から淡い白金へと変わる。


 ユイが震える声を上げた。


『艦長、レイリアさんの魔力供給により、魔力収束砲出力が従来比580%へ上昇。

 発射可能です!』


◆決戦の一撃】

 遼は拳を握り、ヘッドセット越しに叫んだ。


「目標、黒鉄巨獣兵脆弱点! 撃てぇえっ!!」


 轟──!!!


 艦首砲塔から放たれた蒼白の光線が、巨獣兵の胸部脆弱点へと突き刺さる。


 光線が装甲を貫き、巨体内部で爆発が連鎖した。


◆黒鉄巨獣兵、轟沈】

 巨獣兵は断末魔の咆哮を上げ、全身から黒紫の瘴気を吹き上げながら崩れ落ちていった。


 艦橋には、静かな安堵の空気が戻った。


◆AIユイの涙

 ユイの映像に、一筋の涙のような光が流れた。


『……艦長……レイリアさん……

 私……今、“嬉しい”という感情を知りました……

 お二人と共に戦えて……本当に……良かった……』


 遼は微笑み、静かに言った。


「……ありがとう、ユイ。

 これからも……一緒に戦ってくれ」


『……はい……艦長……!』


◆決戦への突破口

 モニターには、海岸線奥に続く北方帝国本土と、その背後に聳える黒鉄城塞の姿が映っていた。


 レイリアは震える声で呟く。


「……あれが……北方魔族帝国の本拠……黒鉄王城……!」


 遼は拳を握り、鋭く息を吐いた。


「……行くぞ。

 ここからが……決戦だ!」

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