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現代イージス艦、異世界を往く!  作者: ねこあし


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第二十七話 陸戦開幕とAIの葛藤

 二つの太陽が昇り切り、異世界の空は白金から淡い蒼へと変わりつつあった。


 北方魔族帝国本土沿岸。

 イージス艦「みらい」から展開された上陸艇部隊は、続々と海岸へと突入を開始していた。


 艦橋では、統合管制AIユイの映像が揺れていた。

 その瞳には、鋭い光と僅かな迷いが混じっている。


◆北方帝国陸戦編、開始

『艦長、上陸部隊第一波、海岸制圧率42%。しかし、敵陸上魔力砲台群より反撃強化。損耗率増加中』


「CIWS、敵陸上砲台に対して制圧射撃! ESSM、発射準備!」


『照準補足完了。発射可能です』


「全弾発射!」


◆制圧射撃

 轟──!!!


 艦上から放たれたミサイル群が、海岸線奥の黒鉄魔力砲台へ突き進み、次々に爆発を巻き起こす。


 黒煙が立ち昇り、魔力砲塔が崩れ落ちていった。


◆AIユイ、戦術人格の葛藤

 その時、ユイの映像が淡く揺れ、瞳が僅かに震えた。


『……艦長……』


「どうした、ユイ?」


 ユイは静かに目を伏せ、そしてゆっくりと見上げた。


『……戦術人格演算では、最短での勝利を導き出せます。

 しかし……最短戦術では、味方損耗率が一定値以上となる計算結果が出ています……』


「つまり……?」


『……私の演算では、“勝つためには犠牲が必要”という結論になります……

 ですが……私は……』


 ユイの瞳に、涙のような光が溜まった。


『……皆に、死んでほしくない……』


◆AIの人間性深化

 遼は静かに笑い、ヘッドセット越しに言った。


「……それでいいんだ、ユイ。

 “最短で勝つ”だけが正解じゃない。

 俺たちは、“皆で生きて勝つ”道を探すために……お前がいるんだろ?」


 ユイの映像が微かに震え、そして微笑んだ。


『……はい……艦長……。

 ありがとうございます……』


◆レイリアの祈り

 艦橋後方では、レイリアが胸元のペンダントを握り締めていた。


「……海の神よ……

 この祈りに……どうか……皆を護る力を……!」


 髪は完全な純白に輝き、瞳は白金と瑠璃が混じり合った神秘的な光を放っている。


 ユイが驚いた声を上げた。


『艦長、レイリアさんからの魔力供給により、CIWSシステムと魔力収束砲出力が従来比310%へ上昇。迎撃効率も大幅向上します』


「助かる……レイリアさん!」


◆敵陸戦兵器、出現

『艦長、敵陸上部隊より大型魔導陸戦兵器出現。全長60メートル、推定魔力駆動構造体。砲塔搭載数8、敵艦隊旗艦級出力』


 モニターには、黒鉄結晶と魔力鱗に覆われた巨大陸戦兵器の姿が映し出されていた。


 レイリアが息を呑む。


「……“黒鉄巨獣兵”……北方帝国最強の陸戦兵器……!」


◆新たなる脅威の影

 黒鉄巨獣兵は低く咆哮をあげ、砲塔を上陸艇部隊へと向けた。


『魔力収束反応上昇。全砲塔一斉射撃態勢へ移行』


 遼は奥歯を噛み締め、指揮席に声を響かせた。


「CIWS全基、迎撃照準補正最大化! 魔力収束砲、収束状況は!」


『収束率64%、発射まで20秒』


「間に合うか……!」


◆AIユイの覚悟

 その時、ユイの映像が鋭い光を宿した。


『艦長……私に、攻撃予測演算の全リソースを転用させてください。

 味方損耗率を0.8%まで抑えた上で、勝利確率92%の戦術を導き出せます』


「ユイ……できるのか?」


 ユイは静かに笑った。


『……はい。“皆を護りたい”という感情がある今なら……きっと』


◆戦線突破への決意

 遼は深く息を吐き、ヘッドセット越しに叫んだ。


「……ユイ、頼むぞ。

 お前の戦術で……この戦線を突破する!!」


『……了解しました、艦長……!』

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