エイリアを保護する
「エイリアか、良い名前だな。それで、君は此処で何をしてるんだ?」
「……それが私にもわからないんだ。気がついたら此処にいたんだ。」
エイリアの話だと、エイリアがいた世界はエルフやら獣人やら様々な種族がいるらしい。
そして、各種族では争いが起こっている。
エイリアはエルフ国の守護騎士らしくてエルフ国の姫を護るのが仕事だそうだ。
ある時、そのエルフ国の姫が視察の為、警備に参加していたのだががけ崩れに遭遇。
丁度崖際の道を移動していたために足を滑らして谷底に落下。
気がついたら森の中にいて歩いていてこの村にやって来た。
明らかに自分の住んでいた町とは違う風景に戸惑いつつこのバス停のベンチにいた、そうだ。
「……て言う事は当然泊まる場所は無いんだよな?」
エイリアはコクリと頷いた。
「お兄ちゃん?」
「わかってる。良かったら俺の家に泊まらないか?」
「……良いのか?」
「あぁ、困った時はお互い様だ。」
「さっすが、お兄ちゃん!」
子供の純真な目で見つめられたら冷たい態度なんて取れないよなぁ……。
「崖から落ちた、て事はどこか怪我はしてないか?」
「いや……、不思議だが怪我はしてないんだ。」
「そっか、じゃあ歩けるか? それとも自転車に乗っていくか?」
「ジテンシャ……? その乗り物の事か?」
「そうだよ。自転車知らないの?」
「少なくとも私は見た事が無い……。」
「乗り心地は悪いかもしれないけど歩くよりはましだと思うぞ。」
俺はエイリアを後ろに乗せて自宅へと向かった。
「私、お母さんに言って食事とか用意してもらってくるね。」
そう言ってサキちゃんは駆け出して行った。
「……あの子はダイチの妹じゃないのか?」
「近所の子供だよ。大丈夫、この村には悪い奴はいないから。」
「そうか……、この村には人間しかいないのか?」
「人間しか、じゃなくて人間だけだよ。エイリアのいた世界とは違って、この世界は人間しかいないんだよ。」
「そうか……、私達はあまり人間とは接点が無いんだ。」
「敵とか?」
「そうではない、ただあまり私達の国は来ないんだ。」
隠れて住んでいるのか、それとも存在を知らないのか……。
まぁ、いきなり色々聞いても仕方が無いよな。
まずはエイリアに村に馴染んでもらうしかないよな。




