第2話 ワレワレ、歓迎の宴を開かれる。
「なんで?!この人が来るはずじゃ?!」
ユウタが単純な質問をする。
「ああ、この人ですか。であれば仮説が一つあります」
ヨグはそう言って頭につけた半透明のものを外す。
「それは?」
「ワレが作成した他者の意識に接続するための装置です」
彼の説明を聞いてユウタは眉間に皺を寄せる。
「何に接続するって?」
「意識です、本番は全地球人に接続、そのテストとして彼女に接続しました。ワレが彼女の代わりに召喚されたのはそれが理由でしょう。つまりワレと彼女は一体化していた、故にワレも召喚の対象になった」
「それなら彼女も呼ばれるはずじゃ?」
「確かにそれは正しい意見です。ですが結果として彼女はここにはいない。可能性としては彼女の意識が覚醒状態になかったのが大きな要因かと。彼女は現在進行形でお昼寝中です」
ヨグがそう言うとユウタは魔法の鏡を見る。そこに映る彼女はオシャレをして歩いている。
「え?こっちだと街を歩いてるんだけど」
「ああ、それ20時間ほど時差がありますね」
そう言ってヨグは指を動かすと彼の手首から映像が映される。
「こちらの映像が最新です。にしてもこの世界にかなり旧式とはいえパラレルワールド観測装置があるとは、後で観察させてもらっても?」
「待て待て、つまり今までの話をまとめるとお主が原因ということか?」
「左様です」
「左様ですじゃないよ」
とにかく王は二人を歓迎すると言い、気付けば宴の席に二人はついていた。
「そ、その国王様!私達を召喚した理由は?」
ユウタは期待に目を輝かせて国王に質問した。
「魔王を討伐し、この世界を救ってほしい」
「魔王討伐!世界を救う!」
「そうだ冒険者ギルドは?」
「あるぞ、貴殿も後でメンバー登録するとよい」
「奴隷制度」
「ここにいる使用人も全て奴隷です」
「ダンジョンは?」
「あるぞ、とても危険なのがな!腕が鳴りますか!?勇者殿!」
「すごい!わざとらしい程の異世界!」
と何か興奮気味に国王とやり取りするユウタ。
ヨグはそんなユウタの肩を軽くつつく。
「ん?なに?」
「サトウ・ユウタ、あなたは生前は会社員だったみたいですが。私の調べによると地球でも目上の者に敬語を使うという文化があるはずですが。私が思うに国王はあなたから見て目上では?」
ユウタは急に我に返る。
「そ、そうですね。少し興奮しちゃって」
少し恥ずかしそうにするユウタ。
すると騎士が彼のそばに近寄る。
「勇者様、ステータスを拝見させて頂きたく!」
「え、ステータス!……ステータスオープン!」
ユウタが叫ぶと彼の目の前に板状の物が現れる。その板にはステータスと題名が書かれ、彼の能力を数値化したものが記載されていた。
「先ほどから興奮していますね。記録、サトウ・ユウタはステータスという言葉にも興奮するもよう」
突然叫んだユウタの記録をつけつつ、ヨグは次の料理に手を伸ばしていた。
「あ、そうでした、サトウ・ユウタ、現在地球に極めて危険な宇宙人が現れて――」
ヨグの声はユウタに届いていなかった。皆は彼のステータスを見て驚いていた。
「おお!流石は勇者様!素晴らしいステータス!なんと!レベルが9999とは!」
「レベル9999!?歴史上観測された最大レベルではないですか!」
「勇者様のステータスおれも見てみたい、あ、ダメだ文字読めないんだった」
他の者も勇者のステータスを見てたじろいでいる。
(う、うおー!気持ちいい!やっぱりチート能力だ!最初はゴミステータスで後で無双ってパターンもあるけど。最初からこうなるのも悪くないなぁ)
気持ちよくなっているユウタの隣でヨグはデザートに辿り着いていた。
「ふむ、このケーキ、ざらざらした砂糖の食感、恐らくこの時代の文明的に砂糖を細かく精製する技術がないのでしょう。砂糖一つとっても文明レベルが伝わって来る興味深い味です」
「そうだ、鑑定眼のジョブスキルがあるんだ。ヨグさんのステータスも見てあげるよ」
褒められ、上機嫌になったユウタはヨグに視線を向ける。
「それよりもですね。現在地球には極めて――」
「ちょっと静かにしてて集中してるから」
彼が目に意識を集中させる。
ヨグの隣に青色の板が現れる。それがヨグのステータスのようだ。
「……なんだ?変な模様が並んでいて読めない」
すると突然彼が見ているヨグのステータス画面が赤く点滅する。
「ブロック!」
「あれ、なんか今聞こえたような、もう一回!」
「ブロック!」
「ん?なんの!」
「ブロック!」
「くそ!鑑定眼最大出力!」
全力で目を見開くユウタ。
「不正なアクセスを検知!対処します!」
ステータスが突起状に変化。
先端部分がユウタの目に刺さる。
「ギャァァァ!目がぁッ!」
「ワレのセキュリティソフトが作動しましたね。500年プランで個人情報を盗み見ようとしたものに反撃する仕組みになっています」
ケーキを食べつつヨグは説明をした。
「ファンタジー世界にそんなシステマチックなもの持ち込むな!」
「ステータス、能力の数値化、十分〝システマチック〟かと思いますが」
ヨグはケーキ後の紅茶を飲む。
「そもそもなんですかジョブスキルって、サトウ・ユウタは勇者では?なんの職歴もないのにジョブのスキルがあるなんて矛盾しています」
「うるさい、職歴ならある。ブラック企業だったけど」
椅子に座り息を整えるサトウ・ユウタ。
「そう言えばさっき、何かを警告するって言ってたけど、それって」
「その話ですね、実はあなたの母星には極めて危険な宇宙――」
ヨグが話をしようとすると突然兵士が会場に飛び込んできた。
「た、大変です!魔王幹部のヘッドレスがここに!」
「ヘッドレス、頭ないの?!」
「頭が無い種族ですか、興味がありますね」
そんな話をしていると城の外で大きな爆発が起きる。
ヨグはデザートの皿を片手に窓からその光景をみていた。
彼の視線の先には大きな車輪をつけた砦が。
「ガハハハ!」
笑い声が轟く。
「国王よ!今日が貴様の命日だ!」
頭のない大男が砦の屋上で高らかに笑っていた。
「なんで?!この人が来るはずじゃ?!」
ユウタが単純な質問をする。
「ああ、この人ですか。であれば仮説が一つあります」
ヨグはそう言って頭につけた半透明のものを外す。
「それは?」
「ワレが作成した他者の意識に接続するための装置です」
彼の説明を聞いてユウタは眉間に皺を寄せる。
「何に接続するって?」
「意識です、本番は全地球人に接続、そのテストとして彼女に接続しました。ワレが彼女の代わりに召喚されたのはそれが理由でしょう。つまりワレと彼女は一体化していた、故にワレも召喚の対象になった」
「それなら彼女も呼ばれるはずじゃ?」
「確かにそれは正しい意見です。ですが結果として彼女はここにはいない。可能性としては彼女の意識が覚醒状態になかったのが大きな要因かと。彼女は現在進行形でお昼寝中です」
ヨグがそう言うとユウタは魔法の鏡を見る。そこに映る彼女はオシャレをして歩いている。
「え?こっちだと街を歩いてるんだけど」
「ああ、それ20時間ほど時差がありますね」
そう言ってヨグは指を動かすと彼の手首から映像が映される。
「こちらの映像が最新です。にしてもこの世界にかなり旧式とはいえパラレルワールド観測装置があるとは、後で観察させてもらっても?」
「待て待て、つまり今までの話をまとめるとお主が原因ということか?」
「左様です」
「左様ですじゃないよ」
とにかく王は二人を歓迎すると言い、気付けば宴の席に二人はついていた。
「そ、その国王様!私達を召喚した理由は?」
ユウタは期待に目を輝かせて国王に質問した。
「魔王を討伐し、この世界を救ってほしい」
「魔王討伐!世界を救う!」
「そうだ冒険者ギルドは?」
「あるぞ、貴殿も後でメンバー登録するとよい」
「奴隷制度」
「ここにいる使用人も全て奴隷です」
「ダンジョンは?」
「あるぞ、とても危険なのがな!腕が鳴りますか!?勇者殿!」
「すごい!わざとらしい程の異世界!」
と何か興奮気味に国王とやり取りするユウタ。
ヨグはそんなユウタの肩を軽くつつく。
「ん?なに?」
「サトウ・ユウタ、あなたは生前は会社員だったみたいですが。私の調べによると地球でも目上の者に敬語を使うという文化があるはずですが。私が思うに国王はあなたから見て目上では?」
ユウタは急に我に返る。
「そ、そうですね。少し興奮しちゃって」
少し恥ずかしそうにするユウタ。
すると騎士が彼のそばに近寄る。
「勇者様、ステータスを拝見させて頂きたく!」
「え、ステータス!……ステータスオープン!」
ユウタが叫ぶと彼の目の前に板状の物が現れる。その板にはステータスと題名が書かれ、彼の能力を数値化したものが記載されていた。
「先ほどから興奮していますね。記録、サトウ・ユウタはステータスという言葉にも興奮するもよう」
突然叫んだユウタの記録をつけつつ、ヨグは次の料理に手を伸ばしていた。
「あ、そうでした、サトウ・ユウタ、現在地球に極めて危険な宇宙人が現れて――」
ヨグの声はユウタに届いていなかった。皆は彼のステータスを見て驚いていた。
「おお!流石は勇者様!素晴らしいステータス!なんと!レベルが9999とは!」
「レベル9999!?歴史上観測された最大レベルではないですか!」
「勇者様のステータスおれも見てみたい、あ、ダメだ文字読めないんだった」
他の者も勇者のステータスを見てたじろいでいる。
(う、うおー!気持ちいい!やっぱりチート能力だ!最初はゴミステータスで後で無双ってパターンもあるけど。最初からこうなるのも悪くないなぁ)
気持ちよくなっているユウタの隣でヨグはデザートに辿り着いていた。
「ふむ、このケーキ、ざらざらした砂糖の食感、恐らくこの時代の文明的に砂糖を細かく精製する技術がないのでしょう。砂糖一つとっても文明レベルが伝わって来る興味深い味です」
「そうだ、鑑定眼のジョブスキルがあるんだ。ヨグさんのステータスも見てあげるよ」
褒められ、上機嫌になったユウタはヨグに視線を向ける。
「それよりもですね。現在地球には極めて――」
「ちょっと静かにしてて集中してるから」
彼が目に意識を集中させる。
ヨグの隣に青色の板が現れる。それがヨグのステータスのようだ。
「……なんだ?変な模様が並んでいて読めない」
すると突然彼が見ているヨグのステータス画面が赤く点滅する。
「ブロック!」
「あれ、なんか今聞こえたような、もう一回!」
「ブロック!」
「ん?なんの!」
「ブロック!」
「くそ!鑑定眼最大出力!」
全力で目を見開くユウタ。
「不正なアクセスを検知!対処します!」
ステータスが突起状に変化。
先端部分がユウタの目に刺さる。
「ギャァァァ!目がぁッ!」
「ワレのセキュリティソフトが作動しましたね。500年プランで個人情報を盗み見ようとしたものに反撃する仕組みになっています」
ケーキを食べつつヨグは説明をした。
「ファンタジー世界にそんなシステマチックなもの持ち込むな!」
「ステータス、能力の数値化、十分〝システマチック〟かと思いますが」
ヨグはケーキ後の紅茶を飲む。
「そもそもなんですかジョブスキルって、サトウ・ユウタは勇者では?なんの職歴もないのにジョブのスキルがあるなんて矛盾しています」
「うるさい、職歴ならある。ブラック企業だったけど」
椅子に座り息を整えるサトウ・ユウタ。
「そう言えばさっき、何かを警告するって言ってたけど、それって」
「その話ですね、実はあなたの母星には極めて危険な宇宙――」
ヨグが話をしようとすると突然兵士が会場に飛び込んできた。
「た、大変です!魔王幹部のヘッドレスがここに!」
「ヘッドレス、頭ないの?!」
「頭が無い種族ですか、興味がありますね」
そんな話をしていると城の外で大きな爆発が起きる。
ヨグはデザートの皿を片手に窓からその光景をみていた。
彼の視線の先には大きな車輪をつけた砦が。
「ガハハハ!」
笑い声が轟く。
「国王よ!今日が貴様の命日だ!」
頭のない大男が砦の屋上で高らかに笑っていた。
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