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ガンギマリズム3 日常編  作者: 九空のべる(旧:ジョブfree)
第四章「世界が壊れる音」
53/61

49. 死んでくれ、世の中のために

衝撃波と爆風と熱気が辺り一帯に広がる。それはまさに世界が壊れるような、決定的で取り返しの付かない出来事だった。

武蔵多摩高校の敷地が大地震にでも遭ったかのような揺れを起こし、空気が、そして漆紀と彩那の内臓が振動で揺さぶられる。

「お前……なんてことを! なんてことをしやがったこのクソ野郎!!」

漆紀が蒼白を悪罵するが、それでも蒼白は態度も表情も改めない。それどころか漆紀の発言や態度にうんざりする様子だった。

「辰上が言えた義理かよ。あのなあ、魔法使いなんてのはそうそう居ないんだろ? ならこの前街中で噂になってたアレ……大勢の萩原組組員がワケわかんない死に方した事件もお前がやったんだろ」

「っ!?」

「さっきの依頼の話……読めてきたぞ。お前アレかぁ? お前ん家便利屋だったよな? お前がさっき話してた依頼でオレの爆弾運んだんだろ。それで夜露死苦隊のバックにいるのって萩原組だっただろ? それに因縁付けられて、最終的に萩原組屋敷で組員虐殺か……なかなかじゃねえか。お前も俺と変わらねぇよ辰上ぃ!」

事実だ。漆紀が萩原組事務所を襲撃して回り、最終的に屋敷に襲撃に入って大勢殺したのは事実だ。蒼白の言葉に、彩那は丸くなった目を振るわせて動転しながら漆紀に問いかける。

「りゅ、竜王様……嘘ですよね? あのクズの言ってること……全部、出任せですよね?」

「竜蛇……」

「当たりかぁ。辰上、お前ケッコー殺ってるなぁ。お前にとって、ヤクザはどうでもいい命だったわけだ。そりゃまあ因縁付けてきて襲ってくるなら敵だもんなあァ? 反社だしなあァ!」

「ふざけんな! 烏丸、お前学校のみんながどうでも良いってのかよ!? あんな大爆殺して、平野や下田、ICCの早野とか小島とか、あの連中もいるんだぞ!!」

「以前のオレならまだ迷ってただろうけど、太田の件でわかったんだ。その辺はまあ、死んでも魔法使えないし仕方ないよなって思えるようになった。うん、乗り越えられそうだ! 太田のおかげだな」

もうどれだけ言葉を交わしても無駄なのだろう。これが蒼白の正体であり本性。それが表に出て漆紀を仲間にしたいと同族意識で動いているだけなのだ。

「それに、ウチの学校でもうオレの好きなタイプの子いなさそうだし。もういっかなって」

嫌悪感と怒りでいっぱいな漆紀は、もう一度右手に村雨を取り出して握る。

「……竜蛇、下がってろ。支援頼む」

「竜王様、さっきアイツが言った事は」

「事実だ。俺は……大勢殺してるクソ野郎だよ。その抗争で妹も巻き込んだんだ。真紀が入院してるのは俺のせい……それでも一緒に戦ってくれるか?」

彩那は両肩を震わしながらも、苦汁を飲み込んで頷いた。

「はい……ッ」

「……行くぞ! 烏丸あああぁぁぁぁぁ!!」

漆紀は村雨を持って駆け出し、蒼白は呆れた顔で漆紀を見る。

「オレが何の準備もしてないとでも? お前と戦うかもって想定ぐらいしてんだよ!」

蒼白は足元に置いてあるバッグからゲームソフトを二つ取り出して、向かってくる漆紀へと投げる。

「爆!」

そう唱えた瞬間。漆紀の近くに投げられたそれは爆発を起こし、漆紀は爆炎と爆煙に飲まれ姿を掻き消される。

「建物まで吹っ飛ばせないが、人間一人殺るならこれで充分だろ」

「竜王様!」

彩那が呼びかけると、漆紀は黒煙の中から飛び出す。鬼の角の様にまとめた前髪は解けて雑に乱れていた。爆発で傷ついた上半身が村雨の効果でみるみる治っていく最中、彼は目を点にする。

爆煙から出た正面、先程までの場所に蒼白がいない。漆紀が真横を見ると、爆煙を横を通り抜けて彩那の方へと向かっていた。

「カラダは惜しいが先に死ね宗教女!」

蒼白が彩那へとゲームソフトを投げつけるが、蒼白が起爆する前に突如として手すりの方から飛び出してきた水がそれを屋上の外へと押しのけてしまう。

「なに!?」

彩那の魔法で学校の水道管を破裂させて地上に噴出させ、それを操作してこの場まで水を持って来たのだ。

「らあああぁぁぁ!!」

漆紀が駆けつけてくるが、これに応戦すべく即座に蒼白はゲームソフトをポケット懐から取り出して漆紀へと投げる。

(中途半端な距離じゃ殺せねえなら……爆弾との至近距離で起爆してやる。そいつは90年代のやばいクソゲーだ、希少価値も高いから派手に吹き飛ぶぜ!)

蒼白は目論見通り、ゲームソフトが漆紀のすぐ手前まで迫った瞬間に唱えた。

「ば」

「ふん!」

蒼白が唱え終えるより早く、漆紀がゲームソフトを村雨で一刀両断した。

「く……てめえ、斬りやがったなオレのとっておきを!」

一刀両断されたゲームソフトは爆発しなかった。否、蒼白は起爆できなかったという方が正しいだろう。

なぜゲームソフトが爆発しなかったのか、漆紀は何となくその理由をこれまでの情報と直感で理解できた。

(爆発する前に斬っちまえば価値が無くなって爆発しねえってトコか)

漆紀が斬ったゲームソフトは小さい火と僅かな白煙を漏らすだけである。

「辰上ぃ!!」

「お前の魔法の弱点がわかったぜ。まだやる気か烏丸!!」

「大人しくゲームソフト全部捨てなさい!」

漆紀と彩那が蒼白を下し伏せようとそう言い切るが、蒼白は辰上に向けてゲームソフトを投げつけ、漆紀の村雨が届かないギリギリの距離で唱えようとするが。

「させません!」

彩那が操る水柱がゲームソフトを飲み込み。

「爆!」

水柱が一気に四方八方に霧散して、漆紀と彩那は思わず目元を腕で守ってしまう。

蒼白にとっては思わぬ好機であった。

ゲームソフトを漆紀と彩那の足元に投げつける。

漆紀は腕を顔から退けると、彩那の足元にあるゲームソフトに目がいく。彼女はまだ足元のそれに気付いていない。

(まずい竜蛇が吹き飛ばされる!)

「竜蛇! 足元!」

「えっ?」

漆紀は村雨を槍投げの要領で彩那の足元にあるゲームソフトへと投げつける。村雨は見事に彩那の足元にあるゲームソフトに突き刺さり、ゲームソフトの総合的価値を大きく落とさせる。

これまた好機と見た蒼白は手元に武器が無くなった漆紀の顔面へと殴りかかる。

「ぶぐっ!?」

「オレが爆弾だけの一発屋だと思ったかあァ! 拳があんだろ拳がよぉ!」

「それは俺も同じだ!」

蒼白の顔面を殴り返すと、そのまま右足で蒼白の腹に蹴りを入れて押し返す。

漆紀はもう一度村雨を取り出すと怒りに滾り、大きく上段から蒼白へと斬りかかる。だが怒り任せのこれが良くなかった。

蒼白は素人ながら見切って避け、そのまま漆紀から走り去って距離を取る。

蒼白が再びゲームソフトを漆紀に投げつけるが、手すりの方から再び水の柱が飛び出してゲームソフトが爆発する前に押し流してしまう。

「そのまま攻めて下さい竜王様!」

「ああ!」

漆紀は蒼白に斬りかかるが、怒りのせいで予備動作が大きくなってしまい避けられてしまう。蒼白は真横に飛びのき、走って距離を取ってポケットから小さいゲームカセットを取り出して漆紀に投げつける。そして彩那の操作する水が払い落とす前に蒼白は唱える。

「爆!」

漆紀は再び爆発に飲み込まれたことで激しい痛みに襲われるが、癒え切らぬ体のまま間を置かずに爆煙を飛び出して蒼白へと襲い掛かる。

(刀身全体で斬る必要なんかない、切っ先から数センチだけで、人は致命傷になる!)

冷静に考えると漆紀は素早く小さく蒼白の真横を切り抜けた。この時漆紀は刃が当たる感触を確かに覚えた。衝撃は軽く、恐らくは目論見通り切っ先から数センチの刀身だけで切り抜けたのだろう。

「ぐっ……痛ぇえああああ!! なにすんだよ辰上ぃ!! オレは、お前に仲間になって欲しくて、本音で話したのによおぉォ!!」

脇腹の当たりを切ったようで、蒼白は苦悶の表情を浮かべて叫びながら傷口を左手で押さえて膝をつく。

「テメェは生き汚いクソ野郎なんだ。死にたくはないだろ? 大人しく爆弾全部捨てろよ。そうすりゃ俺はお前を殺さない」

「いつでも殺せるような言い方だな辰上……っ!」

「別に手段さえ選ばなけりゃ俺だってお前を殺れる。爆弾食らっちまったのは俺がキレてるからだ。爆弾食らったからちょっと落ち着いたし、テメェを殺るなら別のやり方でも良いと思えてきた。なあ、もうやめろよ」

「……」

「……」

沈黙。漆紀も蒼白も、お互い睨み合って沈黙する。

「……」

「……っ!」

蒼白は走り出そうと駆け出すが、即座に漆紀が蒼白の腹へと膝蹴りを入れる。

「ぐうっ!」

「お前の魔法は俺の魔法と相性が悪いんだよ。爆発を受けても俺は傷が治るし。水も出せるから爆発を和らげられる。一方お前はどうだ? 爆発だけだ。それに自分の怪我は治せないし、こうも俺が近くにいたんじゃ爆破出来ねえときた」

「お前バカだろ……魔法使いはな、勝手しても許されんだよ。現にオレは捕まってねえだろうがよ! お前もオレと同じように好き放題出来るんだぞ! おい!」

「……やっぱお前、クソゲーのやりすぎで脳みそ壊れてるよ」

漆紀は断固として蒼白の意見を受け入れない。蒼白の倫理観が皆無の意見は受け入れられるはずがないのだ。あまりに理不尽で身勝手で、不条理極まりない破綻した考え。

「いいのか? オレにこんな事をして……オレの爆弾が、この場にあるものだけだと、本気で思ってるのか?」

「どういう意味だ?」

「竜王様なにやってるんですか! そんなヤツ早く斬りましょうよ!」

村雨を蒼白に向けたまま止まっている漆紀に痺れを切らした彩那がそう勧めるが、蒼白はその動揺せずに意地悪な笑みを浮かべる。

「街の至る所に、爆弾を仕掛けてある。この辺の街にも仕掛けてる。お前……この意味はわかるな?」

「ふざけんなよ、このクソや……」

「いいから退けってんだよ! 街の連中全員爆殺すんぞ!!」

今までの蒼白の身勝手さを鑑みれば、保身のために人質を取れるよう爆弾を街に仕掛けるくらいはやりかねないと漆紀は信じざるを得ない。

「クソっ!」

「へへへっ……お前はヤクザを大勢殺してるくせに、ヤケに他人に対して人情があるみてぇだな……ほらオレの邪魔したら街の関係ない人達爆殺しちゃうよオラオラ!」

「嘘ですよ竜王様! ソイツのさっきの言動の数々から見るに、ソイツはケチです! わざわざ街に爆弾しかけるなんて余計な金の掛かる事なんかしないですよ!!」

彩那はこれまでの蒼白の発言から垣間見る身勝手さや金の使い方の話を鑑みて、蒼白の語った〝依頼〟以外で余計に爆弾を仕掛けるなど考えられないと推理した。

「でもよ、本当だったら取り返しがつかないぞ竜蛇! 俺はこれ以上人を死なせたくない!」

「ならばこそ、そいつを斬ってください! 全部ハッタリです!」

「オイオイ爆破するぞ! なあ!」

蒼白はそう脅しながら、ゲームソフトの入ったカバンを持って屋上の出入口へと着々と歩いて近付いていく。

漆紀は負けじと蒼白に刀を向けたまま、牽制するような形でいつでも斬りかかれる距離だけは保ち続ける。間合いの感覚が分からないのか、蒼白はこれに関しては一切言及しない。

「竜王様、ソイツ逃げちゃいますよ! 逃がしたらまた爆破の犠牲者が出ます! 斬ってください!」

「でも、街の人達が……本当に街に爆弾があったら、俺が殺すようなものじゃないか!」

「お願いします! 斬って下さい!」

「斬るなよ、掛かって来るんじゃねえぞ! 爆破するぞ! 何千人と死ぬぞぉ!!」

蒼白は屋上出入口の扉に遂に差し掛かり、その境目を跨ごうとした瞬間。


パンっ、とスリッパで床を軽く叩いたような乾いた音が鳴り響いた。


「え?」

蒼白は自身の体に違和感を感じる。決定的違和感を感じる箇所は胸だ。蒼白が見下ろすと、自身の右胸に直径1cmほどの穴が開いていた。

パンっ、パンっ、と今度は二回同じ音が響く。

蒼白の鎖骨辺りと胸の中心にまた穴が開いた。

「かはっ……」

蒼白は屋上出入口の境目を越えることなく、そのまま屋上に倒れた。

「な……誰だ? おぶっ!」

蒼白は吐血し、名前通り無様な顔面蒼白の有様となる。

「誰だ、誰が殺った?」

漆紀はそう疑問の言葉を思わず口にした。彩那も蒼白の顔色や胸部の穴を見て、もう助からないだろうと確信を持つ。

屋上出入口から、漆紀が良く見知った同級生が姿を見せた。

「拙者が不意打ちをしたでござるよ」

そう言って小太郎は平野家お手製の消音器付き自作拳銃を構え直して蒼白へと向ける。

この場面で小太郎が出て来る事に、漆紀だけでなく彩那も虚を突かれた様子で固まってしまう。

「平野? お前、生きてたのか! よかっ……でも、なんでお前……銃……」

漆紀にとって小太郎が生きていた事は非常に嬉しく喜ばしい事だが、彼が持っている拳銃と、彼が蒼白を撃ったという事実に戸惑いを隠せなかった。

「最初からこの入口に隠れて聞き耳してたでござるよ。拙者は……拙者の家系は魔法使いを狩り殺す家系なのでござる。それにしても見損ないましたぞ烏丸氏。畜生という言葉すら生温い所業を嬉々として語るとは。生かしておけぬでござるよ」

「ごふっ……げぶっ!」

吐血を繰り返し、とても唱えられる状態ではない蒼白を漆紀と彩那は見下ろす。

「で、どうする気だ平野。お前の事も驚きだけど……魔法使いを狩るって? こいつを殺して……足がつくんじゃねえのか」

「心配するとこそこなんでござるか。まあ……これは拙者の家系が自作した銃と弾ゆえ、鉄砲火薬店などの足はつきませぬ。薬莢もこの通り回収すれば問題なしでござる」

問題ないと言い張る小太郎だが、その表情は険しい。どれほど見損なっても、先程の昼休みまでは蒼白と友達関係でいたのだ。全く躊躇いがないはずはなかった。

「コイツは生かしてちゃダメだ……あとは俺がやる。今の状況といい平野には聞きたいことが色々あるけど、それは後だ。烏丸の話を聞いてたなら、俺の話も知っちまったんだろ? 俺の刀は魔法だ、お前の銃より足がつかない。トドメは任せろ、友達のお前に友達殺しの重責なんか背負わせねえよ平野。クソ野郎は俺だけでいい」

「重責……それは、辰上氏にだって同じことが言えるでござるが」

「ごふっ! ぐばっ!! がっ、ま、まっ……て」

蒼白は血を吐きながらも右腕を苦しそうに伸ばして命乞いをする。

「烏丸、お前は俺以上のクソ野郎だよ。友達だったけどクソ野郎だ。生かしておけねえよ、学校のみんなを殺しやがって……それだけじゃない、関係ない人たちもこれまで何十人と爆殺しやがって」

どれほど蒼白が最低かつ鬼畜の行いを語った上に実行したとしても、つい数十分前まで仲の良い友達関係だったのだ。今この場で友達という認識を完全に改めてゼロに思う事は出来なかった。

けれど、漆紀は蒼白を見逃すまいとも思った。この期に及んで友達という認識が完全に抜けきらないが、同時にこの上ない絶対的な「敵」という認識が友達という認識の強度を上回った。

蒼白を見下ろし、この命を殺すのだと漆紀は何度も頭の中で決意を反響させる。

「やめっ……ごっ……ぼべっ!」

「死んでくれ、世の中のために」

「ごぶっ……がああああぁぁぁぁぁぁ!!」

叫ぶ蒼白に対し、漆紀は躊躇わずに覚悟を決めて村雨を振り下して背中から胸へと深く突き刺した。

「がっ……ごっ……」

蒼白は息絶え、動かなくなった。やがて蒼白の体を中心に銃創と刀傷から血が床に広がっていく。

「すまぬでござる、辰上氏。拙者は、以前から辰上氏をつけていたでござる。親父殿の命で……確かに拙者は魔法使い狩りの家系でござるが、辰上氏とやり合う気はないでござる」

小太郎が中段に構えていた拳銃を下ろして敵意がないことを示すと漆紀はひとまず安堵して小太郎へ向ける目を柔らかいものにする。

「安心した。俺も、お前とやりあいたくない……でも良いのか? 烏丸との話を聞いてたんだろ? なら、俺が萩原組にしたことも……」

「では簡単な質問良いですかな。辰上氏は、通りすがりの一般人や街に住まう人々を殺しますか?」

「殺すわけないだろ! コイツと一緒にするな!」

そう言って漆紀は息絶えた蒼白に目をやって強く言う。

「なら、魔法を悪用して大金を得ようとは」

「するわけないだろ。俺は……父さんを魔法で殺されてんだ。そんなことしない」

「親父殿は辰上氏を殺せ殺せとうるさいのですが……拙者は親父殿とは違うでござる。結局最終的に人の判断は感情でござる。だから拙者は、辰上氏との友情を信じるでござるよ。どうか……烏丸氏のようにはなってくれるな、でござる」

「なってたまるか。どんな理由があっても、こいつにだけはならない」

「そうですよ! 竜王様をこんなクズと一緒にしないでください!」

彩那がそう擁護して前に出るが、漆紀は「足元気を付けろ」と彩那に注意を促す。

「とにかく、早くここを離れるでござるよ辰上氏、竜蛇嬢。お互い、気になる点は多くあると思いますが話はあとでござる。あと辰上氏、爆発で上着が破けてるから悪目立ちするでござるよ。代わりに拙者の制服を着るでござる」

漆紀は小太郎から学ランを借りて上裸の上にそれを着てボタンを閉める。

三人はD棟の階段を下り、生き残った生徒達が避難しているであろうグラウンドへと向かった。

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