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ガンギマリズム3 日常編  作者: 九空のべる(旧:ジョブfree)
第四章「世界が壊れる音」
50/61

46. 都内物見遊山デート

日曜日。

時刻は朝7時頃。漆紀と彩那はいつも学校へ行く時と同じぐらいの時間に起き、そそくさと朝食を作った。

ベーコンと目玉焼きを焼き、あとは白米とシンプルな朝食だ。

「出かけましょう、竜王様」

「良いぞ」

「まあダメで……え? 良いんですか? 疲れてるからとか色々言うかと」

「どこ行きたいんだ? 都内ならそんなに時間掛からず行けるから楽だけど」

「そうですねぇ……行きたいところ……うーん、案外思いつかないものですね。出掛けると言ったものの、今まで東京で行きたい所とか考えたことないんですよね」

「なんもないのか? まあ、今までは佐渡流竜理教の活動に全部使っててそういうこと考えた試しがないのは分かるけど。じゃあ、有名な街でも歩くか。新宿とか池袋とか、秋葉原とか浅草とか」

「行ってみましょうか。都心の方は行ったことがないので」

「行ったことがない? 一回も?」

「まあ、普段は佐渡流の修道服で外を歩くものなので……その、都心の方にそれで出ると本家竜理教に私の所在がバレてしまうから」

「じゃあ修道服を着なきゃい」

「宗教家にその宗教の服を着るなは畜生発言ですよ! まあ……私はもう佐渡流竜理教のためだけに生きるのはやめると決めたので、今日は普通に私服で出ますよ。学校でも今までは説教しに来る時以外はちゃんと制服着てましたし」

「え? じゃあお前説教の時のためにわざわざ修道服を鞄に入れて登校してたのか?」

今までの佐渡流竜理教司教家としての彩那の行動に引くものを覚える漆紀だったが、彩那は「引かないでくださいよー」と緩くつっこむ。

「適当にラフな格好でぶらつこうぜ。気楽に歩きたいし……着替え何着持ってきてたっけ?」

「それなりに持ってきてますよ。じゃあコレ食べ終えたら早々に準備しましょう」

「ああ」

_________________________


漆紀と彩那は最寄り駅から電車で都心へと向かう。

この日の東京都心の天気は晴れ。雲も所々ある空模様だが、基本的に晴れ間が広がっていた。

漆紀はTシャツとパーカー、ジーンズといったシンプルで当たり障りない服装。彩那はTシャツにミリタリージャケット、デニムといったやや野暮ったい服装だった。

最初にやって来たのは池袋駅周辺。西口に出て、豊島区立池袋西口公園に出る。

「あー、あの円の真ん中噴水になってるじゃないですか! あれ確かニュースの中継とかでよく見る場所ですよ!」

公園の中心の床が円形になっており、そこの中央には噴水があった。

「西口はこの公園が見どころだな。東口の方も歩こうぜ」

今度は池袋駅東口側に出て、ビル街を歩く。

「なんかスマホで調べてみる感じ、この東口って映画館が3件もあるみたいですよー?」

「なんでそんなに映画館あるんだか……あ、いや、客を捌ききれないのか。都心だし」

「そうかもですねぇ」

「でもまあ、池袋ってあんまり観光目的って感じの街ではない感じがするなぁ。新橋みたいなリーマンの街みたいな」

「わかんないですけど……じゃあその新橋の方行ってみます?」

「もうちょいこの辺散歩したら新橋行くか」


40分後


二人は新橋にやってくると、駅を出るなり高層ビルに目を奪われる。

「うわあ、本当にどこもデカい……これ全部企業のビルなんですかね?」

「企業もあるだろうし、高級ホテルとかプラザとか、まあ色々なんじゃないかな」

「スケールが滅茶苦茶ですねぇ。そうだ、海が近いので、そっちの方面へ歩きませんか?」

「そうだな、風が気持ちよさそうだ」

漆紀と彩那は海の方へと歩いていくと、広い更地を見つけた。

「築地市場跡か」

「てことは結構歩きましたね。そろそろ新橋駅戻ります?」

「駅の方戻ったらさ、ちょっと軽く何か食べよう。新橋ってリーマンの街だろ? ならやっぱ……焼き鳥の1本や2本は食いたい」

「まあ、それが名物っぽいですもんね。でもそういうのって大体居酒屋だろうから日中は営業してないのでは?」

「そう、そこなんだよ。どこか日中やってて焼き鳥提供してる店を探さないと……疲れてないか?」

「平気ですよ。行きましょう!」


30分後


「意外と早く見つかったな」

二人は日中からやっている焼き鳥店に入店し、それぞれ三本ずつ焼き鳥を注文した。手元には既に注文したジンジャーエールがある。

「軽食って感じですね。この後も、色んな所にいってつまみ食いしてく感じで良いですよね」

「ああ。しかしまあ、まだ昼前だけどそこそこ客入ってんなぁ」

「ただ、やっぱりおじさんが多いですね、リーマンの街だけあって。そして日曜日なのになぜかリーマンの皆さんが居るということは……」

「まあ黒い会社が多いってこった。日曜出勤……うん、地獄だな。あーあ、会社員は嫌だなぁ。竜王として奉られるのは嫌だけど、信者の金で衣食住全部賄われるトコだけは良いよなあ」

「なんなら信者の皆さんから集金を」

「流石にそれを司教家に頼んでやって貰うほど俺はクズじゃない」

「ありゃ? 意外と金銭感覚はしっかりしてるのですね」

「意外とって言うか俺は便利屋の息子で感覚自体は一般的だぞ」

自身が口にした「感覚自体は一般的」という言葉だが、これまでの自分の行いを振り返ると、そう言い切れる自信が霧散してしまう。

暴走族・夜露死苦隊に激しく抵抗したり、暴力団・萩原組の事務所および屋敷への襲撃。

明らかに一般的な感覚からはかけ離れている行為だ。

「お、来たぞ」

漆紀が店内の通路の方を見やると、店員3つの皿をトレイに乗せて持ってこちらに来ていた。

「お待たせしました。焼き鳥タレ2本と塩2本とつくね2本です」

店員がテーブルにメニューを置き、そそくさと立ち去っていく。

「じゃ、ちょっと頂いていくか。いただきます」

「いただきます」


40分後


新橋で焼き鳥を味わった二人は、浅草へと移動した。観光雑誌やテレビでも必ず映る雷門前へと二人はやって来た。

「あ~、滅茶苦茶有名な所に私来ちゃってる……! ねえねえ竜王様! 写真撮りましょうよ、せっかくなんだからツーショットで!」

「良いけど自撮りの要領で撮るんだろ? 上手く門まで写るか?」

「こう、姿勢低くして……下から角度つけて上方向に。ほら竜王様、もっと私に近付いて!」

「もう肩ぶつかるくらい近いけど。これくらいか?」

「じゃあ撮っちゃいますよー!」

彩那がスマホのカメラ機能で何枚か写真を撮った。

写真を確認すると、確かに門と漆紀と彩那が画角に収まっていた。

「じゃあ、この奥の浅草寺でしたっけ? そっちの方まで行きましょう」

「ああ。途中の屋台で色々つまみ食いして行こうか」

雷門から浅草寺に至るまでの一直線の道は、縁日の屋台のようになっており様々な店が出ている。仲見世商店街という有名な通りだ。

「本当に色々ありますね~……あ、キビ団子じゃないですかアレ!」

「和菓子屋も良いぞ。饅頭とか最中とか」

「うーん……まあ、でもやめときます。新宿とか渋谷とか行ったら、パフェとか食べたいので」

「そうか、甘いものはそれまで我慢か。わかった。んじゃ、寺まで行くか」


30分後


二人は浅草から新宿へ移動すべく電車に乗った。電車内で漆紀は彩那に浅草での疑問を投げかける。

「なあ、なんで寺の方に入らなかった? せっかく来たのによかったのかよ」

「なぜ私が寺で両手を合わせる必要があるのです? こんなにすぐそばに私の宗派のご神体が居るっていうのに」

「お前なぁ……あの人混みで面倒臭くなっただけだろ。ったく」

「それより次は新宿ですよ? 私、新宿って言うとヤクザとかポイ捨てとか悪いイメージだらけなんですけど」

「それほとんど歌舞伎町のせいだろ。あそこはもうそういう所って日本国民の大体は諦めてるし今更アレコレ言ったってな。まあ、チンピラに絡まれたとしてもガチになって戦ったりせず素直に逃げよう」

新宿駅に到着すると、人混みに流れて電車を降りて二人は改札を通って駅の東口に出る。

「んじゃ、怖いもん見たさの地獄めぐりといくか」

「竜王様こそ歌舞伎町を地獄呼ばわりですか」

「一回一人で行ったことあるけど、やばい街だったぜ。ヤクの売人みたいなナリをしてるヤツとかわんさか居るし、終わり具合を楽しみに行くような街だよな」

発言通り怖いもの見たさで歌舞伎町へと足を運んでいく。


30分後


「クソガキ待てコラあああぁぁぁぁ!!」

「ガキが一丁前に女連れてんじゃねえぞおおぉぉぉぉぉ!!」

チンピラ四人が漆紀と彩那を追い立てており、漆紀と彩那は全力疾走で逃げる。

「うるせえー! そもそも他にもカップル歩いてただろうが! なんで俺ら狙うんだよクソ―!」

「何ですか!? そんなに女連れがダメってゲイですか? ゲイの街ですか歌舞伎町はー!?」

「ざけんなオレらはノンケだコラぁ! その歳でこんな街を男女で歩くとかうら……ざけんなぁ!! しばく! シメてやるあぁぁ!!」

話にならない。そもそも価値基準がどこまでもおかしいようで、漆紀と彩那は歌舞伎町から出て駅へと走るが未だにチンピラ達は追いかけてきている。

「駅に行くぞ竜蛇!」

「はい!」

「待てコラぁぁああああ!!」


10分後


新宿駅の人混みに紛れ、駅の改札に着く頃にはチンピラ達はいなくなっていた。二人とも全力疾走で逃げたため、息を荒らげながら力を抜いて壁にもたれ掛かる。

「はぁ……はぁ……歌舞伎町は若い男女には厳しいみてぇだな……」

「つ、疲れました……どうします? 次はどこに行きましょうか?」

「渋谷行ってみようか」

「渋谷にはチンピラがいないと良いですけど」


20分後


「渋谷も人混みが凄いですねぇ。情報量多すぎて頭痛くなってきますよ」

「俺もちょっと頭痛くなってきたかも……あとでドラッグストア寄って頭痛薬買うか」

渋谷駅から出てハチ公前広場に来るが、人が多すぎるせいで広場という意味を成していない状況である。あまりの人の多さに、彩那は目を回している。

「本当に人人人って感じですね。あれが有名なスクランブル交差点ですか」

「そうだ、青信号になったらせっかくだしスクランブル交差点の真ん中でささっと写真撮ろうぜ」

「いいですね。少しは竜王様も写真に乗り気になってきましたか」

スクランブル交差点の信号が青に変わると、二人は早歩きでそそくさと交差点の中心に行くと。

「ほら、時間無いから寄ってくれ竜蛇。撮るぞ!」

漆紀はスマホのカメラ機能で、彩那が浅草でやっていたような自撮りの要領で写真を撮る。

「ちゃんと竜蛇も画角に収まってるな。街もちゃんと撮れてる。あ、やべえもうすぐ信号赤になる!」

「早く行きましょう!」

二人は走って交差点を渋谷センター街の方へと渡っていく。

「よっし、いい写真が撮れたもんだ。んじゃ、センター街歩いてみるか……」

「あぁ~、ここもテレビで見るヤツですねぇ」

そう彩那が感嘆の声を上げるが、唐突に交差点の方から爆音が鳴り響く。恐らくこの辺の暴走族の一団だろうか。音のした方を見ると、死須吐露威の旗を掲げたバイクや魔改造車の集団が交差点を走り抜けていく。

「死須吐露威。あれは確か……」

「東京どころか関東で一、二を争う規模の暴走族ですね。アレは巡回部隊でしょうか」

「バイク4台に魔改造車3台……あれで巡回部隊だってんだからやべえよな」

そんな感想を漏らしながら、漆紀と彩那はセンター街へと入っていく。

「なんていうかその……汚いですね」

「都心なんて皇居や東京駅周り以外の繁華街はみんな総じてこんな汚いぞ」

路上の所々にゴミが散らばっていた。テレビではうまく路面を映さないようにしているのだろう。

「それと……またヤクの売人みたいな方が街頭とか配電盤にもたれ掛かってるんですが」

「チンピラっぽいのも座り込んでるな。でも歌舞伎町ほど攻撃的じゃなさそうだ」

通行人達はそういった怪しい者を気にせず普通に歩いて通り過ぎて行く。この通りではこの怪しいナリの者たちが居るのが普通なのだろう。

「この辺は飲み屋とかラーメン屋とか、なんていうか野郎ご用達な店が多いな」

「なーんか違いますね……」

「ヒカリエ行ってみるか」

「ヒカリエ?」

漆紀はセンター街から渋谷スクランブル交差点の方に戻って、彩那と共に渋谷駅の西口方面へと抜けていく。

「あれだ、あの高層ビル。あれがショッピングモールになってるヒカリエ」

「この辺詳しいんですか?」

「真紀が行きたい行きたいって言うから、それに付き合って渋谷には3回来てる」

「お店色々入ってるんですね。甘いもの食べましょうよ、スイーツスイーツ!!」

「ああ、入ってみるか」

ヒカリエ内の喫茶店に入り、彩那は早速パフェを注文する。

「私はこれで」

「じゃあ俺はこれでお願いします」

店員にそれぞれ注文を終え、出されたコップ一杯の水を軽く啜る。

「抹茶パフェですか。竜王様は抹茶味好きなんですか?」

「まあ他のパフェと比べたら抹茶選ぶくらいには」

「ん~、どうしてそうも若干暗い返答なんですか。これは日頃の気分転換のお出かけですよ? 私達がお互い親が死んじゃったとはいえ、私達自身が楽しく幸せにしてちゃいけないなんてはずはありませんからね」

「そうか……そうか?」

「だって結構キツイこと言いますけど、この世界のどこかでは戦争してる国もあるわけです。そういう苦しんでいる人々が居るからといって、この国に住んでる私達まで不幸で苦しんで下向いて生きなきゃいけないと思いますか? 答えはノーです。他の人が不幸だから、自分の過去に不幸があったからと言って、今を不幸に生きる必要なんかないのです」

彩那の語った話にはどこか筋や納得のいく理論があった。確かにそうだ、と納得させられる説明。

「さすが司教家の長女なわけだ。その辺の幸福理論は余裕で説けるんだな」

「それ、貶してます?」

「違う。いつも修道服着て、宗教勧誘じゃなくてそういう理論の説法してたらマトモなシスターさんみてぇに見えて信者も増えただろうなって思っただけだ」

「……その、ありがとうございます」

漆紀からコップの水へと視線を移しながら、彩那はそう礼を言った。

それから二人はパフェが来るまで漆紀は東京でのことを、彩那は佐渡での事をあれこれ話し合った。店員がパフェをテーブルに持って来てからも、漆紀は東京や地元・武蔵村山市での話を、彩那は佐渡の地理や文化の話などをした。

「そういうわけで、佐渡の人達は頭が良いんですよー」

「そりゃ宗教で魚ばっか食ってるなら頭良くなりそうだけど……佐渡ってそんなに頭良くて色々企業とか立ち上げてるのか?」

「生産業はありますよ。なにも農業だけじゃなく、佐渡の南東の海岸には工場とかいくつかありますし」

「知らなかったな。お、抹茶はやっぱ白玉が旨いな」

抹茶パフェの白玉を口に頬張りながら漆紀はそう零す。

「こっちのキャラメルパフェも結構良いですよ。キャラメルソースが良い感じで。で、話の続きですけど……」

それからも二人は色々雑談をした。


喫茶店から出るとヒカリエ内のドラッグストアで頭痛薬を購入し、漆紀と彩那は用法通り服用した。

都会に慣れていない人間の場合、人、景色、音、とにかく情報量が多くなることとそれに伴うストレスで頭痛を引き起こしやすい。

数十分後には頭痛薬の効果で二人とも頭痛が解消されることだろう。

ヒカリエの高層階へとエレベーターで移動する。高層階の大きな窓からは渋谷の街並みを一望でき、この景色に彩那は「おおっ」と思わず声を漏らす。

「駅とかイチマルキューの看板とか見えますね! ここ中々いいトコじゃないですか!」

「結構街が見えるもんだなぁ。景色撮っとくか」

漆紀も彩那も窓から見える街並みをスマホで撮影すると、ビルの内装に目を移す。

「ここの階はだだっ広いけど人が全然居なくていいな。物静かな感じの内装だし、すげえ落ち着く」

「そこにもカフェとかあったりするのもポイントですねー。いやあこの階いいなぁ」

「まだ時間あるし、このあと映画館行ってみるか? なに公開してるか知らないけど」

「それだったらこの前信者の方たちが作った映画・佐渡の一族っていう布教映画がまだ公開して」

「カルト映画は見ないぞ! おいおいお前んトコの宗教、カルト宗教によくある映画製作までやってんのかよ勘弁してくれよ」

カルト映画は思想が強すぎてクソ、というのが友人である烏丸蒼白から聞いた総評である。実際思想は強いだろうし、素人には分からぬ事を延々とやるのだから娯楽目的の映画ではないため面白くはないのだろうと漆紀は思う。


ヒカリエから出て、映画館に行った二人はエンタメ重視な映画を観ようと決めて怖いもの見たさで「水道水サメ」という映画を観る事にした。

内容としては、いわゆるサメ映画なのだがタイトル通り水道水から小型のサメが出て来て人間の肉を貪り食わんと襲い掛かってくるという内容だった。

「あのサメ映画やばいですね! まあ奇想天外な内容は面白いし、映像も笑えましたけど、役者さんの顔芸が凄まじかったですねー」

「バカさ加減に関しては終始笑えたぞ? そうはならんだろ! って感じで」

シアターから出て、お互いに感想を言い合いながら映画館を出るべく歩く。

「でも黒幕が浄水場の所長ってのは納得いきましたよね。水道水なんだから、当然サメが出る大元は浄水場に原因があるワケで」

「まあ水道水に流せるレベルの小型のサメを開発したトンデモ技術についてはツッコミ所しかなかったけど……でも犯行動機が酷い理由だったな」

サメ出現の原因となった黒幕の犯行動機はあまりに呆気ないものだった。もし水道からサメが出て人が死んだら面白いだろうな、という好奇心と道楽による犯行だったのだ。

「まあサメ映画は頭空っぽにして見るもんだって烏丸が言ってたし、深く考えちゃいけねえや。竜蛇、そろそろ帰るか? もう六時だしな」

「ですねー。いやー今日一日目まぐるしかったですよー。人もいっぱい、建造物いっぱい、情報量が多すぎましたよ。途中で頭が痛くなるくらいです」

「都会あるあるだな。よし、帰ろう」

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