朝の議題 1
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昨日は徹夜明けの朝の食事が終わってから、サキ&エリと別れた。
そして大学の授業が終わると(仮眠を取ってから出席した。死にそうな気分だったのは認める)自宅で爆睡した。
流石にもう限界。
地球なんか滅びたかったら滅べばいい!
翌日は土曜日だ。
朝起きると“やっぱり地球は滅んじゃいけない”ような気がする程度には、気分も回復してきた。でも今日は授業入ってないし、出来れば寝ていたい。
エリに心の中で意識して呼びかける。
そこの安普請のマンションにある地球本部に、今日出頭しないと駄目かな?
エリからの返答。
『ダメです。安普請ですみません。
少なくとも午前中は顔出してください。アレックスも私も連絡事項満載です。
やはり遠隔通信では、やり難いので。』
了解。なんとか頑張ります。
(何この人使いの荒いブラック防衛軍!)
『ブラックじゃない軍隊組織って、全宇宙でも珍しいと思います。通信終わり』
◆
地球本部に出頭する。もちろん電車で。(転送してくれるのは非常時のみ)
『司令官おはようございます。昨日は美味しい食事をありがとうございました』
エリが話を始める。サキもこちらに向かって軽く会釈する。
どういたしまして。
『さっそくですが、本部より連絡事項です。1つ目をお伝えします。
本部は、昨日の敵の侵攻を非常に問題視しています。
艦隊の配備の隙をつかれ、1つ間違えば地球を失っていました。
今回のような事件は二度と起こしてはなりません』
無能な司令官ですいません。俺は解任かな?
(サキ&エリと会えなくなるのは悲しいけど、解任歓迎、なんというか全力で!)
エリは無視して話を続ける。
『本部は現在配備中の地球防衛戦力がまだ不足しており、その結果、与し易すしとの印象を敵に与えたのではないかと疑っています。
よって、戦艦、巡洋戦艦等の大型艦艇を含んだ、さらなる増援の検討を開始致しました。近日中に可否が決定されます』
俺は驚いて、一瞬黙ってしまった。
今の現有戦力だって相当なものなのに、更に増援だって?
サキ、俺の理解だと、地球って辺境にあるよね?
もし合計で戦艦5隻とかになっちゃったら、それもう辺境の防衛軍レベルじゃなくって、どこの中央の重要施設かよっ!て感じだと思うんだけど…
サキが言う
『その理解は正しい。辺境でこれだけの艦艇をもっている星を私は知らない』
まあ、増強してくれるのに断る手は無いけど。
エリ、なんでそんなに沢山、地球に船を配備しようとするのか本当のところを探れない?
『やっては見ますが、すいません、裏の理由が何かあったとしても知ることは極めて困難です。敵の増長を招かないため…とかさっき言った事を繰り返されるだけかと思います』
そうだよね。俺は考えこむ。何故かヤバイ気がする。
エリが続けて次の項目に進む。
『本部よりの2つ目の連絡事項をお伝えいたします。
本部は地球の“協力者”の選定を開始致しました。
この件に関してはこちら側のアクションは必要ありません。私達とは別組織で実行されます。
この連絡は司令官に、純粋に情報をお知らせする事だけが目的です』
“協力者”って何者?
『“協力者”とは本部が地球側の政治機構に影響を与えたい時に利用する、地球側の協力者の意味です。
本部は極力、地球に対し干渉しないよう努力してはいますが、やはり最小限度の政治的影響力は行使する必要がありますので』
それって、つまり“本部”が裏から地球を政治的に操るって事?
もう完全に人類の敵…みたいな?
エリが笑った。
『あくまで最小限です。
例えば“司令官のデート相手”であった鈴木さんみたいな地球に対する潜在的な脅威-異星の調査員が陰で色々調べてるような-に対する牽制も協力者の仕事になります。
鈴木さんの脅威度は極めて低いですが、“敵”本体が調査員を派遣している場合も考えられますので』
“司令官のデート相手”という言葉に、ごく微量の悪意を感じますが続けてください。
『“協力者”は通常、大きな影響力を持つ権力者の中から選ばれます。地球の場合は、大国の指導者か、それに準ずる人達の中から選ばれるでしょうね。
但し“司令官”の母国が日本ですから、日本の要人が“協力者”に選ばれることはありません。“司令官”と“協力者”間の直接の連絡は禁止されますし、国も分散されるでしょう』
『また、“協力者”が誰なのか“司令官”は知ることは出来ません。
もし、協力者に何か連絡したい事があれば私に言ってください。
本部経由で伝えられます。 伝えるかどうかは本部次第ですが』
いや遠慮しておきます。大統領クラスの人と、やりとりとか全然したくないです。
誰が“協力者”か なんてのも知りたくないし。
俺の生存本能が全力で拒否していますので。
『“協力者”側も、原則は“司令官”が誰なのかは知らないです。
あくまで原則は…ですが』
言いたい事はわかります。
権力者ですものね。全力で調べられたら俺のこと分かりそうだな。知られたくねー
あ。でも俺にはサキもいるし強力な艦艇達も。
『そうです。
武力は“司令官”が保持しています。それほど“協力者”を危険視する必要はありません。むしろ仲良く地球防衛をよろしくお願い致します』
検討はしておきますです。はい。




