6月と7月
6月。
朝から雨が降ってて、ちょっと濡れてしまった身体が冷えて、教室に入って悪寒を我慢していたら、どこからともなく現れた笑顔の鈴木くんに熱々のホットレモンのペットボトルを渡された。
また別の日は、喉が痛くて風邪の前兆を感じていたら、通りがかりの鈴木くんに「はい!」と元気にのど飴を渡された。
次の日案の定風邪をひいて休んだら、一昨日学校で授業のノートのコピーが机に入っていた。クリアファイルに“鈴木より“ってポストイットが貼ってあった。
生理痛で体育見学してたら、男子の体育してるはずの鈴木くんが「どうしたの?今どんな感じ?」とうろついてくるのにイラっとして、「生理だから放っておいて!」と怒鳴ったら、
次月の生理中はとても嬉しそうにカイロを持って現れた。
カイロはありがたくお腹に貼った。
なんかもう抵抗するのもめんどくさくなってそのまま受け流されていると、ひなたちゃんとかは鈴木くんが私の周りをウロチョロし始めると「ひかりちゃん、おかんがきたよ」と言うようになった。
7月。
教室では中間テストの結果にクラスの半分以上が阿鼻叫喚を上げている。
まぁまぁ悪くない。
運動系が壊滅的な分、昔から座ってできる勉強は結構頑張ってるから成績は上位をキープしている。
数学と生物の学年一位は鈴木くんだった。
背が高い、顔も派手ではないが悪くもない、頭もいい、一応気も効くようではある。
ここまで揃えばモテそうなものだが、鈴木くんはモテない。
なぜかと考えていたら、ひなたちゃんが
「あいつは残念な男子図鑑の表紙だから」
と、分かるような分からないような例えをしてた。
ちなみに現代文は漢字以外0点だったらしい。
お前の情緒理解の無さやべぇ!と友人に叫ばれて
「いや俺かなり情緒豊かだよ!毎日感情揺れまくりだよ。」
真面目なトーンで返していた。
揺れの方向がおかしいんだよ、と心の中で突っ込んだ。




