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【完結】ソラヌスの遠吠えⅠ狼子  作者: 逆立ちハムスター


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Ⅲ章〘真実〙



埃をかぶっているものが多い。どれも ガラクタにしか見えないが。

「で、具体的にはどんなものを探しているの?」

「どんなものを探せばいいんだ?」

頭の中にソラヌスの声が響いてくる。

「自ずと分かる。しかし奇妙だな。奴らを助けるとは。お前は散々蔑まれてきたことだろうに。去勢でもされたか?」

「彼らは関係ない。俺を殺そうとした奴らじゃない」

「だが助ける意味はあったのか?」

「それは……分からない。咎めているのか?」

「いいや、聞いただけだ。今後もお前の好きにするといい。目的さえ果たせば細かいことは気にしない」

「分かった」

「ねえ、さっきから誰と話してるの? まさかゴーストでもいるの?」

「ソラヌスと話していた」

「そう。待って、あなた神と話せるの!?」

「助力してほしいと頼まれたんだ」

「わお……ただのウェアウルフじゃなかったのね」

「名前もない、ただのウェアウルフだった。今は使命を果たすため、力を授かっているだけに過ぎない」

「あんまり嬉しそうじゃないけど」

「不安だからだ」

ローゼが目を合わせたまま、真剣な表情で何度か頷く。

室内を見回す。

薄暗い室外で何かを感じ取る。

変わったものがしまわれているであろう棚の方へと向かう。

「見つかった?」

「まだ分からない」

棚の引き出しを開けると、取っ手が取れた。穴に指を入れ、棚を引っ張り出す。

中には古びた羊皮紙の束と、薄汚れた汚らしい小箱があるだけだった。

羊皮紙の束の一番上にある羊皮紙を読む。

ローゼがそばに来て覗き込んでくる。


──古びた羊皮紙

ウェアウルフの戦士たちが次々と姿を消している。

だが不思議なことに、ダイア帝国では混乱が起きていない。

一体どういうことなのだろうか。

このままのペースで彼らがいなくなってしまえば、また吸血鬼たちが現れた時に我々は打つ手がなくなってしまう。

彼らはもう我々を見捨てるということなのだろうか。

──

残りの部分はカビていて字が読めないほど腐敗していた。


「この書物はいつ頃のなんだろうね」

「分からない。けど見るからにかなり古そうだ」

小箱を開ける。

鍵も何もついていない。

小箱は小さいにもかかわらず、非常に蓋が重い。

力を込めて思いっきり上げる。

中には小さな黄金の狼の像が入っていた。

「ソラヌスだ」

「黄金の狼がソラヌスの姿なの」

「俺の知る限りでは」

黄金の狼の像を手に取ろうとした時。

「触れるな」

「どうして?」

「お前はそれが何なのか、扱い方をどうするかも知らないだろう?」

「ああ」手を戻す「これは一体何なんだ?」

ソラヌスが目の前に姿を現す。

黄金に光っている。薄暗い室内が一瞬で黄金色に埋め尽くされた。

ソラヌスが黄金の狼の像を宙へあげると、そのまま後方もなく消滅してしまった。

「これでいい。ハッハッハッ、よくやった。よくやったー!!」

ローゼが片手で覆い、そっと側に来る。

「神って意外に陽気なのね」

「みたいだな」

「ふー! さて、あ〜、スデル」

「スコルだ」

「スコル。これでお前の使命は終わりを迎えた。約束通り安全な我が領域まで送ってやろう。さあ、我と一緒に来い」

黄金に渦巻く渦が宙に浮かび現れた。

「あんたは嘘ばかりついている。それにこの領域を救うんじゃなかったのか?」

「確かに偽りは混ぜた。だがこの領域を救うとは一言も言っていない。それに 約束は守る。これ以上何がいる? お前には十分だろう?」

「さっきの羊皮紙に書かれていたことが本当なら、この地にはウェアウルフが必要だ」

「正確には軍隊だ。既にこの外縁領域は手遅れだ。もう手の施しようがない」

ローゼが前へ出る。

「待ってください。あなたは神だというのに、私たちを見捨てるというのですか?」

「我はウェアウルフの神だ。お前のような人間も含め、他の種族のことなど知〜らん♪」

宙から黄金の骨が現れ、ソラヌスが葉巻のように咥える。

「そんなの……あんまりです……」

「OBLATION。即ち、祈りや信仰、魂の供物は我々の力となる。お前たち人間は我に何を捧げた? 答えは『何も捧げてない』だ」

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