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Ⅲ章〘真実〙
埃をかぶっているものが多い。どれも ガラクタにしか見えないが。
「で、具体的にはどんなものを探しているの?」
「どんなものを探せばいいんだ?」
頭の中にソラヌスの声が響いてくる。
「自ずと分かる。しかし奇妙だな。奴らを助けるとは。お前は散々蔑まれてきたことだろうに。去勢でもされたか?」
「彼らは関係ない。俺を殺そうとした奴らじゃない」
「だが助ける意味はあったのか?」
「それは……分からない。咎めているのか?」
「いいや、聞いただけだ。今後もお前の好きにするといい。目的さえ果たせば細かいことは気にしない」
「分かった」
「ねえ、さっきから誰と話してるの? まさかゴーストでもいるの?」
「ソラヌスと話していた」
「そう。待って、あなた神と話せるの!?」
「助力してほしいと頼まれたんだ」
「わお……ただのウェアウルフじゃなかったのね」
「名前もない、ただのウェアウルフだった。今は使命を果たすため、力を授かっているだけに過ぎない」
「あんまり嬉しそうじゃないけど」
「不安だからだ」
ローゼが目を合わせたまま、真剣な表情で何度か頷く。
室内を見回す。
薄暗い室外で何かを感じ取る。
変わったものがしまわれているであろう棚の方へと向かう。
「見つかった?」
「まだ分からない」
棚の引き出しを開けると、取っ手が取れた。穴に指を入れ、棚を引っ張り出す。
中には古びた羊皮紙の束と、薄汚れた汚らしい小箱があるだけだった。
羊皮紙の束の一番上にある羊皮紙を読む。
ローゼがそばに来て覗き込んでくる。
──古びた羊皮紙
ウェアウルフの戦士たちが次々と姿を消している。
だが不思議なことに、ダイア帝国では混乱が起きていない。
一体どういうことなのだろうか。
このままのペースで彼らがいなくなってしまえば、また吸血鬼たちが現れた時に我々は打つ手がなくなってしまう。
彼らはもう我々を見捨てるということなのだろうか。
──
残りの部分はカビていて字が読めないほど腐敗していた。
「この書物はいつ頃のなんだろうね」
「分からない。けど見るからにかなり古そうだ」
小箱を開ける。
鍵も何もついていない。
小箱は小さいにもかかわらず、非常に蓋が重い。
力を込めて思いっきり上げる。
中には小さな黄金の狼の像が入っていた。
「ソラヌスだ」
「黄金の狼がソラヌスの姿なの」
「俺の知る限りでは」
黄金の狼の像を手に取ろうとした時。
「触れるな」
「どうして?」
「お前はそれが何なのか、扱い方をどうするかも知らないだろう?」
「ああ」手を戻す「これは一体何なんだ?」
ソラヌスが目の前に姿を現す。
黄金に光っている。薄暗い室内が一瞬で黄金色に埋め尽くされた。
ソラヌスが黄金の狼の像を宙へあげると、そのまま後方もなく消滅してしまった。
「これでいい。ハッハッハッ、よくやった。よくやったー!!」
ローゼが片手で覆い、そっと側に来る。
「神って意外に陽気なのね」
「みたいだな」
「ふー! さて、あ〜、スデル」
「スコルだ」
「スコル。これでお前の使命は終わりを迎えた。約束通り安全な我が領域まで送ってやろう。さあ、我と一緒に来い」
黄金に渦巻く渦が宙に浮かび現れた。
「あんたは嘘ばかりついている。それにこの領域を救うんじゃなかったのか?」
「確かに偽りは混ぜた。だがこの領域を救うとは一言も言っていない。それに 約束は守る。これ以上何がいる? お前には十分だろう?」
「さっきの羊皮紙に書かれていたことが本当なら、この地にはウェアウルフが必要だ」
「正確には軍隊だ。既にこの外縁領域は手遅れだ。もう手の施しようがない」
ローゼが前へ出る。
「待ってください。あなたは神だというのに、私たちを見捨てるというのですか?」
「我はウェアウルフの神だ。お前のような人間も含め、他の種族のことなど知〜らん♪」
宙から黄金の骨が現れ、ソラヌスが葉巻のように咥える。
「そんなの……あんまりです……」
「OBLATION。即ち、祈りや信仰、魂の供物は我々の力となる。お前たち人間は我に何を捧げた? 答えは『何も捧げてない』だ」




