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周囲の種族たちの歓声が最高潮「ウェアウルフ万歳〜!!」
「ソラヌスを称えよー!! ハッハッハッ!」
酒のせいか分からんが最高の気分だ。
さすがに酒が回ってきたな。
太った男がふらつきながらこちらへ向かってくる。
すごい剣幕だ。
剣をいつでも抜けるよう身構えようとするが、視界が揺らいでいる。
男は剣を抜いた。
いや、手を差し出しただけか。
俺はジョッキを握り、構えていた。
ジョッキを手放し地面へ落とす。
男と握手を交わす。
「あんたみたいなすげえ奴に会ったのは初めてだ。俺の負けだ、参ったよ」
「お前もあれを飲み上げたんだ。十分すごいさ」
「あなたに褒められるとは嬉しいね〜。いや〜楽しかったよ。ひっぐ! ありがとう」
兜を拾って被るが、前後逆だった。前後を元に戻し、男のもとを離れ、酒場の出口へ向かう
集った種族たちが俺の鎧を笑顔で叩いてくる。
「あんたすげーな!!」
「良い飲み仲間だ。ハッハッハッハ」
男がジョッキを掲げている。
「あんたに幸あれ!!」
「ウェアウルフとはな、こりゃたまげたぜー!! ボレクが形無しなわけだ」
「今度はソラヌス一緒に連れてきてくれよな」
◦酔いどれ
視界が揺らぐ中、酒場を後にする。
うぅ……少し飲み過ぎたな。酒場の裏に行き用を足す。
酒場の裏には森が見えた。
少し木の陰で休んでいくか。
森にしては妙だ。
同じ木が等間隔に生えている。
しかも木のないところが多い。
武器を持った種族たちが何やら話し込んでいる。
「ダメだ。薬品は作物によくない。良いわけがない」
「だが主人に収める分を引いたら殆ど残らない」
「今はそれで凌いだとしても、次に作物が育たなくなる」
「だったら一体どうすればいいんだ?」
〘⇄〙
「俺が何とかしてやるぅ〜」
かなり酒が回ってきたな。
「あ、あんたは?」
兜を取る。
「俺はウェアウルフだぁ。どうだぁ〜?」
種族たちがなぜか俺の顔を見て驚いている。酒のにおいがきつかったか?
種族たちが困惑した表情で顔を見合わせている。
「良かったら……是非頼むよ。農場主の家はあそこだ」
「オッケ〜、任せろ〜」
後ろから種族たちの声が聞こえてくる。
「今の見たか? 本物だったぞ」
「ありえないわよね」
「だがあのを図体見てみろ」
豊穣主がいるという祠へ向かう。
ドアの前に立つ兵士が驚いている。
「な、何の用だ?」
「俺は伝言を伝えに来た」
兵士が目を見開く。すると素直にドアを開けてくれた。
「だから言っていただろう。吸血鬼などさっさと始末しておけと。そのせいで……おい! 勝手に入れるなと……」
レプラコーンの男が鏡に向かって独り言を言っていた用だが、俺の顔を見て驚愕しているようだ。
「どうしましょう?」
「お前は出ていろ。今度こそ誰も中に入れるな」
「はい」
兵士が部屋を出ていく。
「私に……な、何の用でしょうか?」
「俺は伝言を伝えに来ただけだ。ここの農作物に問題があるらしい。働いてるやつらの話を聞いて、大目に見てやって欲しい」
「あなたはソラヌスの使いですか?」
「なんだそれは? 俺はただのウェアウルフだ」
「あっ!? 申し訳ありません。いまお聞きした事は真髄に対象致します」
レプラコーンの男が頭を下げる。
なんて聞き分けがいいんだ。きっといいやつなんだろう。
「感謝する」
「いえいえ、こちらこそ」
「じゃあな」
「お待ち下さい!」
「いいや、それほど待っている暇はないんだ。もうすぐここに吸血鬼が押し寄せてくるかもしれん。だから準備をせねば」
「な、なんと……私に神託を!?」
「ではな」
「は、はい! 必ずやこの神託をっ」
ドアを閉める。
「あ〜……」
日差しが眩しい。日陰に行こう。
だが次の瞬間再びアレが訪れた。
「選べ」
またお前か。
今の俺は同族に会いたい。
左下の狼の像を指差す。
「これだ」
「否」
何故だ……。
周囲の像を見ていると、上の狼の像が部分的に黄金になっていた。よくわからんな。
右下の石の狼の像を指差す。
「これだ」
そう言うと、再びもう一人の自分が選んだ像に吸い込まれていった。
そして集落の時と同様、元いた場所に立っていた。
なぜか酩酊も直っていた。
いい気分だったのに、もう一人の俺が持って行ったのか?
まあ、いつまでも酔っ払っているわけにはいかない。丁度良かった。
だが何故だ?
カイスターの住人達が慌ただしく話し、門の方へ駆けていく者たちもいる。
複数の笛の音が鳴り響き、馬に乗った衛兵が馬を走らせ門の方へ急いで向かっていく。
笛の音を聞いた住人達が衛兵に道を空けている。
馬に乗った衛兵が過ぎ去った後、複数人の衛兵達も後に続いて向かっている。
何かあったのか?
悲鳴も聞こえず、空にも何も飛んでいない。吸血鬼ではないようだ。
門の方へ向かう。




