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【完結】ソラヌスの遠吠えⅠ狼子  作者: 逆立ちハムスター


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Ⅵ〘終着点〙



帝国都では壁の外 でも多くの種族が行き交っていた、だがここはまばらだ。

立ち止まっている種族たちが俺の方を見てくる。

振り向くと、やはり顔を背ける。

この鎧のせいで悪目立ちしているような気がしないでもない。

どっちにしろ鎧を取ったところで、状況は変わらないだろう。

壁と壁の間に門がある。

作りはどこも同じなんだな。

あの変な幻覚もそうだったが、ソラヌスが教えたのか?

門の側には、胸に狼の刻印が入った中装鎧を身に着けた兵士が何人もいた。

真面目に 警備をしているようなものもいれば、数人で椅子に座ってテーブルを囲い小さな四角い紙で遊んでいる者もいる。

ハンターは猟犬を従え、兵士はオルトロスを従えていた。そして目の前にいる彼らは狼を従えている。

複数の狼たちが鼻を動かしながら、俺の方をじっと見つめてくる。

狼や兵士たちと目を合わせないようにし、門の方へと向かう。

狼だけでなく、兵士たちも俺の方を見てくる。

この図体のせいか分からないが、注目を浴びているのは確かだ。



・罹患



「ゲホッ、ゲホッ」

「おい、あんた」

多くの種族たちが行き交う中、なぜか俺だけ呼び止められた。

行き交う種族たちも俺に注目している。

「何か用か?」

「病人か?」

「ああ、医者に見せに来た」

「ちょっといいか」

一人の人間の兵士が近づき、手を伸ばしてくる。

咄嗟に腰に刺していた剣に手を置き、身構える。

手を伸ばそうとしていた人間の兵士が後ずさり、周りにいた他の兵士たちが急いで武器を取り、こちらに身構えてきた。

行き交う種族たちが俺から距離を取る。

「俺に近づくな」

「落ち着け。ローゼじゃないかと思って」

「ローゼの知り合いか?」

「ああ、まあな」

剣から手を離す。

すると、後方にいた他の兵士たちも身構えるのをやめた。

「親しいのか?」

「幼馴染なんだ。いいか?」

「ああ」

ローゼの顔をよく見る幼馴染の兵士。

「ゲホッ、ゲホッ」

「あぁ! なんてことだ!? ローゼ」

「咳が止まらないんだ。だから医者に見せに来た」

「こっちだ。案内しよう」

幼馴染の兵士は心配そうな表情で時折 振り返りながら先導していく。

あの集落とは大違いだ。石の建物がたくさん立ち並んでいる。水が大量に湧き出ているものや、よくわからない種族の大きな像までもがある。

何より食べ物のいい匂いがそこら中からする。

こうしていると腹が減ってくるな。

ローゼが良くなったら街を案内してもらって、何か一緒に食べよう。

初めて見る街の景色に驚きつつ 幼馴染の兵士について行っていると、一つの白い石の建物の前についた。

「ここだ」

良かった。建物の入り口は俺でも通れるほど大きい。なぜだ?

多くの石の台座が均等に並べられ、石の台座の上には分厚い布が置かれ、種族たちが横になっていた。

横になっている殆どの種族が、ローゼ同様具合が悪そうだ。

中には目に見えて怪我をしているものもいる。

「なあ、レイラ」

頭に白い布を被り、以前見たことのある料理人たちのような格好をしている人間の女に幼馴染の兵士が声をかけている。

料理人たち同様、腰に巻いている白い服はかなり汚れている。

「悪いけど、今は外傷を見ている暇はないの」

「実はローゼが病気になんだ」

「それは大変。だけど今は力になれないわ」

「ルドアクはいないのか?」

「今はデランドしかいないわ」

「診てもらうしかない」

「そ、そうね」

「デランドというやつには、何か問題があるのか」

「大丈夫だ。奴も医者だ」

「大丈夫じゃない。見てもらうのはお前じゃなくローゼなんだ」

「そんなこと分かってる。じゃあお前がローゼを治せるのか?」

「分かった……」

「デランドは奥の、あの部屋にいるわ」女が指差す「それじゃあ私は患者の世話があるから」女が去っていく。

ローゼの幼なじみの兵士とテランドがいるという部屋の元へ行く。

部屋に入ると火を焚いているのか、煙たい。


葉巻を咥えたドワーフのような種族が椅子に座り、足を組んでテーブルに足を置いている。

「勝手に入ってくるなと言ったろ」

「こいつがデランドか?」

「ああ」

「こんなやつに任せるのか?」

「あっ!?」デランドが足を降ろし、椅子ごとこっちを向く「あぁー!?」俺を見て叫び、葉巻が体に落ちた「熱っち!!」慌てふためくデランド「ったくついねーなー」

「なあ、デランド、ローゼの具合が悪いんだ。見てくれないか?」

「ローゼ? あのお前の幼馴染のか?」

「あ、ああ」

「あ〜ん」


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