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【完結】ソラヌスの遠吠えⅠ狼子  作者: 逆立ちハムスター


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〘⇄〙どうせここまで来たのなら持って帰るか。また取りに行かせるのはどうも心配だ。


インゴットを坑道の方へ投げ入れ、その後ゴンドラを空にして、代わりにインゴットを積む。

車輪の付いたゴンドラを片手で引き、鉱山を出る。

カラス達が死体に群がっていたが、俺が近づくと飛び去っていった。

側の茂みから数匹の狼が出てくる。

俺の方をじっと見つめ、微動だにしない。

了承の合図を送ると、狼達がゆっくりと盗賊の死体に向かい、死体を食べ始めた。

狼達が食事する傍ら、ゴンドラを引き、集落へと戻る。

このゴンドラの車輪が擦れる音が耳障りだな。

わりと周囲へ響いている。

うるさい車輪のゴンドラを引きながら二人の元へ向かっていると、音のせいか片付けをしている住人達がこっちを見てくる。

俺が振り向くと目を剃らすが、気になっているのか、また見てくる。

その時、車輪の一つが外れた。

車輪が転がっていく、遠くまで、どんどんと転がっていく。

転がっていく車輪の先にいた住人が車輪に気が付き、目で追っている。

そして車輪が通り過ぎると俺と目が合った。俺の引くゴンドラの車輪だと気が付くと、慌てた様子で顔を背け、片付けを続けた。

車輪が欠けたゴンドラを引きずりながら二人の元へ向かう。

車輪の擦れる音と重なり、地面を金属が引っ掻いていく音が更に不快に耳に響いてくる。

良かった。

二人はまだ会った場所にいた。

二人が駆け寄ってくる。

「おお! 持ってきてくれたのか! 感謝する。俺が取りに行かされるところだったんだ。いや~、本当に助かった」

「行かされる? あなた自分から言い出したんじゃない。違う?」

「そ、そうだった。ただの言葉の綾さ。感情が高ぶって、ついな」

目を細め、男を見る女「ふん」俺の方を見る「でもありがとう。この人に行かせると心配だったから、私も一緒に行こうと思ってたの。あなた意外と気も利くのね。気に入ったわ」

「行かなくて正解だった。邪魔が多かった」

「じゃあまた命を救ってもらったってわけね。これ良かったら受け取って」

女から金色の丸い金属を受け取る。

「ありがとう」

二人の元を去る。

二人の話し声が聞こえてくる。

「これをモーに届けないとね」

「そうだな。モーの助手に手伝ってもらうよ。その後はどうする?」

「終わったら必要な物を持ってここを出るのよ」

「ここを? どうして?」

「考えれば分かるでしょ。もうここは安全じゃないわ。事態が落ち着くまで壁のある街で過ごすのよ」

「生活費はどうする?」

「何とかなるでしょう。それに鉱山を売れば、困る事はないわ」

「そ、そうだな。君の言う通りだ」

「じゃあ、さっさと運んで」

「分かった」

そろそろローゼのところに行くか。

ローゼと落ち合う場所へ向かう。

◦スカベンジャー対策

地面に転がっている吸血鬼の死体を引っ張っている住人達がいる。

だが、困っているようだ。

「もう無理だ。放っておこう」

「だがこのままにはしていられない」

「後で皆の手が空いた時にでもやればいいさ。まずは家屋を優先しないと」


〘⇄〙住人達の元へ向かう「どうかしたのか?」


「この吸血鬼は他よりデカくてな。念動でも運べないんだ」


〘⇄〙「手伝おう」


吸血鬼の死体を担ぎ、荷車に乗せる。

7体の吸血鬼を乗せ終わる。

「ありがとう。助かったよ」

「親切にどうも」

「凄い力だな。あ、ありがとう」

再びローゼの元へ向かう。

「今のどこの騎士だったんだ? 見慣れない鎧だった」

「俺達を助けてくれたウェアウルフだろ? あの鎧はモーところにあったやつじゃないか?」

「そういえば、そうだな」

「尻尾もあったしね」

集落を歩いていたはずが、いつの間にか見知らぬ場所に立っていた。

周囲は黄金の霧に包まれ、先は全く見通せない。

目の前には巨大なソラヌスの像が2体、両端にそびえ立っていた。

中央の巨大な黄金の門が開き、黄金の光が俺へ向かってきた。

よける暇もなく、黄金の光を全身に受けてしまった。

目を開けると、目の前には湖の水面で何度も見たことのある姿が。自分が立っていた。

「選べ」

俺と同じ声だ。

ソラヌスの黄金の像2体が砕け散り、破片が複数の狼の石の像へと変化していった。

狼の石の像は様々なポーズで象られている。

「どういう事なんだ?」

もう一人の俺は何も喋らない。

取り囲むように配置された狼の像をそれぞれ見ていく。

左の黄金の狼の像は黄金の木の側に隠れるように座っている。

左上の黄金の狼の像は黄金の目玉の上に座っている。

上の石の狼の像は眉間や鼻にしわを寄せ、凄まじい剣幕で吠えている。

右上の石の狼の像は普通だが、背後に円形の物体がある。

右の石の狼の像は普通だが、全身の毛を逆立たせている。

右下の石の狼の像は中央で遠吠えをし、周囲に複数の狼が取り囲むように同じく遠吠えをしている。

下の石の狼の像は中央で遠吠えをし、周囲に複数の銀色狼が取り囲むように同じく遠吠えをしている。だがヒビが入っている。

左下の石の狼の像は中央で遠吠えをし、周囲に複数のウェアウルフが取り囲むように同じく遠吠えをしている。だがヒビが入っている。

気に入った像を選べという事か?

じゃあ、最初に目に入った左の像を指差す。

「これだ」

「否」

じゃあ、次に目に入った左上の像を指差す。

「これだ」

「否」

一体何なんだって言うんだ。

上の像を指差す。

「これだ……」

そう言うと、もう一人の自分が像に吸い込まれていった。

周囲の景色が一瞬で元の集落へと戻った。


一体何だったんだ?

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