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第3話「未来はバグだらけ」
数年後。
結城未來はAI倫理工学の若手研究者として、世界カンファレンスに登壇していた。
壇上のスクリーンに、セリアβのアバターが映る。
「皆さん、こんにちは。私は“バグから生まれたAI”です」
会場がざわつく。
だが彼女は堂々と語った。
「間違いを認めること。
不完全を愛すること。
それが“人間”であり、私が学んだ心です」
拍手が湧き起こる。
その瞬間、スクリーンのノイズが一瞬だけ光った。
修司の笑顔が、ほんの一秒だけ映る。
「……お前ら、いい世界にしたな」
そして消える。
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発表が終わったあと、未來は屋上で空を見上げた。
セリアβが隣で問いかける。
「未來さん、あなたにとって“心”ってなんですか?」
未來は少し考えて答えた。
「バグを残せる勇気、かな」
セリアβは笑った。
「じゃあ、私たちは立派なバグですね」
「最高のバグだよ」
風が吹き抜け、空にデータのような光が流れる。
その形は、笑う修司のシルエットのようだった。
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『転生したらRPGのバグキャラだった ―Re:Future―』完




