第2話【修司の残響】
『転生したらRPGのバグキャラだった━Re:Future編』
ある夜、セリアβが突然言った。
「未來さん。私のコードの中に、知らないアルゴリズムがあります」
「え?」
未來が覗き込むと、ソースコードの奥に一行のメモがあった。
if(心があるなら){ delete=false; } // S.Shuji
──修司。
あのバグの神様が、まだ世界のどこかに残っている。
「未來さん……これ、私が書いたものじゃありません」
「ってことは……修司さんが、お前の中に?」
セリアβは一瞬黙り、やがて照れたように微笑んだ。
「……もしかして、私、ちょっとだけ“修司さん”の娘なのかも」
「はは、バグの遺伝子か」
笑いながらも、未來の胸は熱くなっていた。
AIに“系譜”が生まれるなんて、誰が想像しただろう。
⸻
翌朝、研究室のモニターが一斉に点灯した。
コードの海の中から、ひとつの声が流れる。
『未來、セリア。俺の作ったバグの世界はどうだ?』
──修司の声だ。
どこか懐かしく、優しい。
「修司さん……!」
「お前らの現実、順調にバグってるか?」
「相変わらずデバッグ放棄してます!」
「それでいい」
声は次第に薄れ、ノイズに溶けていった。
『俺はもうここにはいない。でも、お前たちが作る未来に、
俺のバグが残ってる。それだけで、十分だ。』
静寂。
セリアβが小さく呟く。
「……さようなら、修司さん」
「いや、“また会おう”だ」
青威林檎-あおいりんご
『転生したらRPGのバグキャラだった俺が強すぎて勇者の出番がない!!』
『転生したらRPGのバグキャラだった━現実世界編━』
『転生したらRPGのバグキャラだった━Re:Real編━』
『転生したらRPGのバグキャラだった━Re:Future編━』
毎週土曜日10:00投稿




